どきなさい!私は「お姉ちゃん」よッ!!Another 作:とろねぎ
この話は前座的な感じだよ!
人のいない廊下をカツカツと音を立てて早足で行く人物がいた。その人物...ギョクソウは誰かを探しているようだった。
宿舎、訓練室、貿易所、製造所、執務室、様々なところに出向いて誰かを探しているようだった。
「...ギョクソウ?えーと、何を探しているのかな?」
ドクターが困惑を押し殺して質問すると少し粗暴に返事が返ってきた。
「医療部のブラッドブルート探してるの。知らない?...こことか!」
ドクターをおしのけて勢いよく机の下をのぞき込む。
「ギョ...ギョクソウ...そんな所には何も無いと思うナー...!」
「はぁ、どこよあのババ「失礼ながら、ドクターを定位置に戻すことを要求します。」
「...ん?」
「うわちょ!フィリオプシス!」
机の影になって見えなかったところにはフィリオプシスが体操座りをして隠れていた。
「...ドクター...」
「そんな目で見ないで!ご、誤解だから!」
「スリルを味わうのが好きとか...そういう感じ...?」
「待って、話を聞いて欲しい。」
「大丈夫、口外しないから。」
「だから違うんだって!わかった!こうしよう!」
早口で捲したてるドクターは何かを提案しようとする。
「ワルファリンを探してるなら呼び出すから今日のところは黙っておいて!」
「...その取引もちかけてる時点でやらしいことしてた証明になるのだけど?」
「アッ」
「私は周知されても問題ありません。ドクター」
「うん私が問題あるね。」
「はぁ...じゃあお願いしようかしら。」
「わかりました!ちょっと待ってて...」
ドクターはがちゃがちゃと忙しなく動いて少しするとマイクに声を入れ始めた。
「あー、あー、医療オペレーター・ワルファリン。至急執務室に来るように。...これでどうか!」
「いや脅してるみたいじゃんやめてよ。...これ、ワルファリン先生怖いだろうなぁ...」
間もなくしてドアがノックされ、返事を待たずに開かれる。
「ドクター、先の放送はなんだ。」
ただ、来たのはケルシーだった。
「ケルシー...?あぁいやなに、ギョクソウがワルファリンを探していたようだったからね。」
「そうか。奴なら今少し手が離せない。今でないと行けない用事ならば医療部に行けば良いだろう。それとドクター、企業のトップともあろうものが一個人の個人的な用事のために設備を使うのはどうかと思うぞ。そうした贔屓は不満を引き起こしその不満は伝播する。その結末がどうなるかなど考えたくもないだろう?」
「ハイ...ハイ...」
「(ギョクソウ助けて...!)」
「だいたい君は...なんだ?...あぁ、ギョクソウならばもう出ていったぞ。」
「ヒュオッ」
「まだ話は終わっていないぞドクター。」
数時間後、ドクターは世話を怠った金魚のような姿で発見された。
「はあ...それで?このクソ忙しい時に妾を呼び出した理由は。」
二人きりでギョクソウに質問するワルファリン。
真っ白な肌とは反対の深いクマがあることも相まって不機嫌に睨むようにギョクソウを見つめている。
「もうすぐあの子...リサの誕生日でしょう?」
「あぁそうじゃな。」
「ということで、夜に使える何か画期的な薬品を作ってちょうだい。」
一瞬だけ固まるワルファリン。
「...はーーーーーーーーーーーー...」
「(なっが...)」
「ーーーーあぁぁ!!妾を呼び出しておいてしたかったのは夜伽の相談かーッ!馬鹿か?お主馬鹿なんじゃないのか!?」
「私とあの子をこんな関係にしたやつが何言ってるのやら。」
「アッ...」
「そういうことだから協力しなさい。」
「その...普通のプレゼントじゃダメなのか?」
「もう用意したわ。」
「逃げ道は無しか...はあ、わーった!わかったのじゃ。姉妹揃って同じようなことを言いおってからに...」
「なんて?」
「なんでもない!先に同じような頼みをされてたからもう少しで出来るってだけじゃ!」
乱暴に言い捨てて別の部屋にワルファリンは引っ込んでしまった。
「えぇ...もう一人こんなことを頼んだやつが居るのね...」
しばらく誕生日のプランを考えながら暇を潰しているとワルファリンが帰ってきた。
「...ほられこれじゃ。」
見るからに怪しいピンクの容器に入った薬を持って。
「うわーなにそれ。また媚薬系?」
「なんじゃその分類。新ジャンル開拓するでないわ。これは...そうじゃの、もう飲むが良い。あぁ、それと飲んでからは決して自慰行為はしないように。」
「あー...もう嫌な予感がするのだけど...」
「い・い・か・ら!早く出て行けぇぇ!妾を何日も不休で働かせおって!」
「それ私のせいじゃないわよ。」
「うるさーい!ほとんど貴様のせいじゃ!初めて依頼された時は正気を疑ったわ!あるわけないじゃろそんな薬ぃ!」
顔を真っ赤にして次々と不満を爆発させていく。
「医学じゃなくてもはや魔術の類だわ!」
「え、そ、そんなやつなのこれ...?」
「はぁ、はぁ...も、もうよい...早うそれを持って、スズランの誕生日を待っていろ...!」
息も絶え絶えになったワルファリンは退室するように促す。
「...なんかごめんね。どうなったかだけ教えてあげる。」
「もうよいわーッ!何が楽しくて貴様らの情事を事細かに聞かにゃならんのじゃあ!!」