ぼざろ永遠におもろい。
________________________________________________________________
「
今年に入って何回目の告白だろうか。中学の卒業式での告白ラッシュ。そして高校に入学してからの告白ラッシュ。正直言って疲れてくる。
「…あー、いいよ。付き合おっか」
4月に入ってまだ数週間。俺は既に3回付き合ってフラれてる。
理由としては「好きが感じられない!」とか「他の女子と仲良くしすぎ!」とかそんな感じ。男女の友情は存在しないと言う人がいるけれど俺はそんなことはないと思っている…なるべく皆と仲良くなりたいんだけど……こういう事思ってっからフラれんだろーなー。
実際好きではなかった。いや好きではあるんだけど恋的な好きではなかった。付き合ってからその人の魅力に気づいてちゃんと好きになるかもしれないし、嫌いでもない人からの告白を断る理由なんて俺には見当たらなかったから受け入れてる…が付き合ってからも誰かを好きになる事はなかった。
「…っ!ほんと!ありがとう!!」
この子は結構長く保つかなぁなんてこの時は思ったがGWの終わり頃には冷められたのかすぐに別れた。
____________________________________________________________________
「はーーーーー……」
「何落ち込んでんの?いつものことじゃんフラれるなんて。私にもフラれてるし」
「それな?湊と長続きする人なんてこの世に居ないよ」
「いや、友達はいるから。辞めて?ぼっちみたいに言うの」
「なぁ、湊!あの人めっちゃ美人!俺ナンパしてこよーかな!」
「はいはい…」
今俺達は下北沢に来ている。男女6人くらいのグループでクラスではまぁ目立つ方のグループだと思う。そんな俺らがなぜ下北に来たのかと言うと。
「古着ぃー!!!!!!!」
そう理由は普通に服を買いに来ただけ。
「じゃあ俺セカストで」
「は?え、おい湊。何言ってんの?」
「湊やばいよ、ウチでもやばいって分かるよ。」
「下北来てセカストはちょっと…」
「てか腹減ったからカレー食わね?」
「お前は黙れ」
非難の嵐。全員からバッシングを受ける。いやカレー食いたい奴いたけど。いーじゃん!セカスト!セカストでディグしようよ!ヴィンテージたまーに見つかるんだよ!
「俺特に買いたいものないし…バンTとか売ってるセカストの方が良くね?」
「ノンノンノンノンノンノンノンノンノンノン!」
「ノン多!」
「ここは?」
「膝……はっ!!!ノーーーーーーン!肘だぁ…!」
「馬鹿だろこいつら」
そんなこんなで馬鹿やりながら各々欲しい物や気になった物を買って、適当に駄弁りながらブラブラと街を歩いていると甲高い声が響いて来た。
「あ!ギターーーーッッ!!!!」
声がした方へ顔を向けるとそこには2人の少女が何か話し合ってるようだった。というかあのピンク髪の子…
「あれクラスの女子じゃね?…………佐藤さんだっけ?」
「あのバンドヤンキー女子か!怖いよなー」
「ジャージ登校だしなんか孤高の人だよね」
「孤高なんて言葉知ってんのか」
「は?かかってこいよ」
「うわ、バンドヤンキー女子だ!怖え!」
後ろの馬鹿達はほっといて…あれなんか連れてかれそうじゃね…?大丈夫かアレ。
「あーー、佐藤さん!大丈夫?」
何か気になったのか、たまたま、そういう気分だったのか理由は分からないけれど助けてみようと思ってしまった。思い立ったら吉日。俺は走り出して佐藤さんの手を握り声をかけた。
「ひぁよぉえ!?!?!」
やべ、つい声かけちまった…俺んこと分かんねーよな…やっべー…
5秒ほど沈黙が流れたがポカンとしていた佐藤さんともう1人の少女が動き出した。
「……彼氏さん?」
綺麗な金髪に長いサイドテールと胸の辺りにある大きなリボンが特徴の可愛らしい女の子がそう問いかけた。
「いや、俺はクラスメイトです。なんかどっか連れてかれそうだったから…危ないかも…と思ったけどそんなことなさそう?」
「あ、実はね…バンドやってるんだけどギターの子が突然辞めちゃって…ギター探してたんだー」
「そーゆーことね…佐藤さんごめん俺勘違い…佐藤さん?」
「……はっ……ごご、ごごご後藤です!!」
「……ごめん後藤さん」
握っていた手を離し流れるように土下座する。
「…ぁ、だ、だい大丈夫です……」
やっべーーー勘違いの上に名前まで間違えてた。めっちゃ失礼だな俺。どうしよ。こりゃ嫌われたな…。なんて思ってたらさっきまで傍観してた奴らも混ざってくる。
「見た感じ湊の勘違いか!かーっ!恥ずっ!恥ずかしっ!」
「うるせえ!!」
「おーよしよし恥ずかしかったねー。湊は優しいけど早とちりすること多いからなぁ」
「待って、分かる!ウチこの前さー」
「いやいいから!話ややこしくなるから!」
人数が増えれば当然話もややこしくなる。このままじゃ後藤さんは自分の意見言えないし金髪サイドテールリボンさんにも迷惑をかける……。ここは一旦。
「俺らも客としてライブ見たいっす!な!」
「まぁ、確かに楽しそー。」
「ライブハウスって行ったことないし!行きたい!」
「フェスしか行かないもんなお前」
「フェス上がるし楽しーしいーじゃんっ!」
「あ、お金ならちゃんと払うよ!私達皆バイトしてるし!1000円?2000円?」
「ほ、ほんと!!助かるよ〜…ひとりちゃんは…ど、どうかなぁ…?」
めっちゃ可愛らしい上目遣いでお願いしてる。俺達みたいな馬鹿ならイチコロだろーなー。可愛いし、かわいい。てか後藤ひとりって名前なのか…初めて知ったわ。ギター持ってるってことは結構弾けんのか…?
「俺ひとりちゃんの演奏聴きてーわ。」
実際バンドグッズ身につけて教室にやって来た時めっちゃ気になったし、一匹狼っぽいから声かけんかったけど。
「うぇー!俺も気になるー!!!」
「俺も聴きてー」
「うちも聴きたい」
「それ、私も聴きたいわ」
「ギター弾けるってめっちゃカッコいいし!」
これだけ言われると逆に無理やり感出るけどどうだろう…弾いてくれっかな…。そんな事を考えながらひとりちゃんを見つめてると妙に顔を赤くしたと思ったらドロドロと溶け始めスライムになりわかりましたと触手を動かしながらつぶやいた。
いや何それ。おもろ
「ひとりちゃんって結構ギター弾けんの?」
集団でライブハウスに向かうため二列になって進んでいく。遠足か?
まあその関係で俺はひとりちゃんの隣になった。
「……まぁ、そこそこかと…」
「どうしてギター始めたん?周りにそーゆー系の友達がいたとか?」
「ぁ、いや……」
「……金髪サイドテールリボンちゃんは?」
「何そのあだ名!虹夏だよ!伊地知虹夏!下北沢高校2年!…私はドラムやってるよ」
「先輩じゃないっすか!俺、田中湊っす。秀華高校一年っす。ドラムカッケェ…」
「よろしくね!それほどでもないよ!ふふ」
「俺もギターとかドラム始めよっかなぁ。」
「お、いーじゃん!ドラムなら教えられるよ!私先輩だし!」
ドヤっとした表情を浮かべる虹夏先輩めっちゃ可愛いな。それにしてもアレだな。ひとりちゃんは…結構人見知りか…?いや…!こういうのは話しかける側の技量にかかってる…!
「教えてもらいてぇ、でも俺結構ギターの動画とか見てんすよね。これ、ギターヒーローとか。」
「ヴァ!?!」
「え!」
「…ど、どうしたんすか?2人とも」
「あ…いえ、何でもない、です……。」
「私もギターヒーローよく見てるんだー!」
「ヴェぇぇ…!」
「……?かっけえっすよねー概要欄嘘くさいけど」
「分かるー!めちゃくちゃ上手いって一部で話題で実際本当にカッコいいし上手いんだけどネーミングセンスは痛いよね。」
「ヴァアアア!!!!」
「……ねぇ、湊くんひとりちゃんっていつもこんな?」
「…………いつも1人でいるんで分からないっす…」
「…そっか」
「……はい」
憐れみの目をひとりちゃんに向けてから俺らはまた歩き始めた。
ライブハウス。スターリー。虹夏先輩の姉が経営してるらしい。絶対可愛いんだろうな。
なんというかすげえライブハウスって感じのライブハウス!普段ライブハウスなんて行かないからイメージだけ膨らんでたけどイメージ通りの場所だった。
「虹夏、やっと帰ってきた…て何その大量の人間」
「あ、リョウ〜!」
リョウと呼ばれた人はまさに下北沢にいそうな独特な雰囲気を持っていた。絶対古着に詳しい。知らんけど。てかめっちゃ美人だ。下北沢の顔面偏差値高けーなー。
「ナンパされました〜!」
「おい恥ずかしいからやめて?うちら客ですー!バンド見に来ましたー!」
「え、待ってめっちゃタイプ付き合ってください。」
「変人っぽいからやめとけ」
いつもノリでつい本音が漏れてしまった。もうちょい柔らかなツッコミ入れるつもりだったのに。やべー…今日やらかしてばっかだなぁ。
「……てれっ」
やらかしたと思ったがなぜかリョウさんは照れた。意味が分からないが多分ほんとに変人なタイプの人だ。
「………え、なんで照れた?」
「リョウは変人って言うと喜んじゃうんだよ。ちなみに私とは同い年の幼馴染!」
「ほえー虹夏先輩。この人ヤバいっす」
「ちょいと君。あんまり褒めないでくれたまえ。」
「…はえーリョウ先輩のこと何も分かんねぇ。世界って広いわ」
挨拶とは名ばかりの身内漫才を数回繰り返して、一旦解散する。3人には練習の時間も必要だろうし、あんまり深くは知らないけどバンドもチームプレーみたいなのがあるんだろうし。
邪魔になりたくはないからなぁ。と皆で飲み物でも買って待つことにした。
「ちょ、高くない…?湊」
「…まぁ、ほらスタバより………いや、うん」
「私んとこのガールズバーはもっと高いよ」
「何言ってんの!?」
「…え?働いてる?今度行くわ、飲ませて。」
「払ってくれるならいーよ」
「3割引きで」
「無理」
「何でだよ」
「売り上げ、バイト代に繋がんの。お金は大事でしょ」
「それはそう」
「どんなのが見れんのかな?」
「でもカバーって言ってたし人気曲じゃん?キセキとか?」
「ここはオレンジレンジっしょ!」
「お前が好きなだけだろ。」
「てへっ!そうでした!…てか湊ってカラオケ行ってもあんま自分の好きな曲歌わないよな。俺達に合わせてばっか」
「わかるーエレカシ歌うとエレカシ歌うし尾崎豊歌うと尾崎豊歌ってくんだよな。うぜえ」
「うるせえな。いーだろ別にー。盛り上がるためにカラオケって行くもんだろ。」
「それはそう。」
「いやまじでそう。」
「ガチでほんとにそう」
「ここで気が合っちゃうのが仲良い証拠よねー」
「男子なのにねー」
「ちなウチ日本アイドル。」
「私は韓国」
「ワンダイレクション」
「……は?え、待って?日本人だよね?え、日本人だよね?」
「いや、え?女子高生でしょ?花の女子高生が…ねぇ?」
「いやもう日本語喋んないで。あーあーあー」
「……old broad」
「あぁん!?!」
「「ねえ!どう思う?!こいつ!」」
「1D Nightまじ最高だった。」
「「……そのままでいてね」」
「…え、怖い。」
「…お、始まるみたいだぞ」
長々と駄弁っていたが皆それなりに気になっていたようで始まると思うとステージから目が離れず声も出さなくなった。別に上手くても下手でも何でもいい。ただ知り合いが、あのひとりぼっちでいる少女がどのように変わるのかそれを見たい。
しかし俺達の予想を裏切るのが陰キャというか…そーゆー…人とあまり関わって来れなかった人達なんだろう。
反感を買ってしまうかもしれないが。しょうがないじゃないか。だって目の前には見た目通りカッコよくベースを弾くリョウ先輩と可愛らしい見た目とは裏腹にドラムを叩く虹夏先輩。ギャップえぐい。
そして完熟マンゴー。
「ぶっは!!…はは!」
「あの湊が爆笑しとる。珍しくはないけど」
「これツボに入っとるわ。あーらら」
「ははっ…!」
おもしれー女。
__________________________________________________________________
田中湊(たなかみなと)君主人公です。イケメン高身長です。クズです。女たらしです。いつメンは男女3人ずつの6人と+αで学校の中心グループ。先輩とも仲良いです。湊君以外に名前はないです。和尚に奪われました。
ぼっちちゃんは彼らの声を聞くか視界に入ると消滅します。陽の力が強すぎるからです。かわいそう。