梅雨が終わったというのに、雨が降っている。
「…だぁ…っ!ただいま…っ」
傘は風で吹き飛んで、俺はびしょ濡れ。
「お、おかえり…湊くん」
「おかえり〜お風呂できてるよ〜!」
すぐに服を脱いで、どうしたものかと悩んでいると、ひとりときくりがやってくる。
多分今日も2人でセッション…?ってやつをしてたんだろう。
俺が基本的に食事や洗濯などの家事をして、きくりは酒と一緒に食材の買い出しや掃除。ひとりは…まぁお風呂の準備だったり…そんな感じ。
俺がいない時や、料理を作ってる間、2人はよく音楽について話し合ったり、楽器を一社に弾いていたりする。俺にはできない2人の会話だ。
同居をしてから数日経つがそんな日々が日常になった。
「…あーじゃあ風呂入るわ…飯ちょい待ってて」
「は〜い…あ、ぼっちちゃ〜ん服持ってってあげて?私床拭いとくから〜」
「は、はい……湊くん風邪引くから早く入って…!」
「うーい」
シャワーを浴びてお風呂に入って…1人の時間ができる。
最近ふと考えるようになった。
このままでいいのかと。きっとこの状態は良くないと。
変わっていくひとりや郁代。それにきくりだって。俺は全員に不誠実だ。曖昧に距離を保っている。
俺の…この気持ちは初恋なんだろう。けれど俺は前と変わらずに性の赴くままにきくりとは体の関係を続けているし、アニキんとこで働いた後の飲み屋で出会った女性ともワンナイトでしてたりする。
「…あー…」
きっとこの恋は離れた方がいい恋だ。「この人しかいない」って思わせて泥沼のように沈ませていく俺は離れた方がいい存在だ。
これからもひとりは沢山の人に出会うと思う。だってあんなに輝いていたんだから。だとするなら俺よりもいい人なんて沢山見つかる。
その時ひとりには俺を置いていってほしい。
恋愛一個一個に価値なんてない。一途に想い、想われることはとても素敵なことだが離れた方がいい恋は存在していて、そんな時にちゃんと離れようと思えるように…。
離れる勇気を持つために沢山恋愛をして、耐性をつけて、慣れていく。
どうしようもない。なんて言い訳ではあるけれど、俺はもう変わらない人間だ。
「上がったわー」
浴室を出て、氷を沢山入れたコップにお茶を淹れてリビングに行くとひとりがきくりが何かしてた。まぁギター弾いて話しとるだけなんだけど。今の俺にとっては得体の知れない何かに見えた。
「あ、湊くん…髪乾かすよ」
「お酒飲む〜〜?お風呂上がりは美味しいよ〜?」
その何かを止めて俺に話しかけくる。
その何かを止めてまで俺に話しかけてきた。
俺なんかに話しかけるために…止める必要あるか?
なんてネガティブな発想が頭の中に浮かぶ。それを振り払うかのように、うやむやにして濁していくみたいに…この顔が見られないように。
喉の渇きを心の乾きを潤すように先ほど入れたお茶を飲み干して。
部屋の明かりを消して世界を変えていく。
「…それよりも。……今日ご飯いらん?」
合図だということが分かっている2人は困惑することなく俺の問いに答えた。
「私はいいかなぁ〜…それよりもしたいことあるみたいだし?」
「わ、私も…」
チラリとこちらを横目に見る顔は普段の見慣れた顔とは違っていて。この部屋の空気が変わる。
また夜に落ちていく。
「シャワー浴びたのに…また汗だくになっちゃうよ〜…?」
雨はまだ降り続いているがここから見える外の景色は明るくて煌めくように光り、輝いてる。
「…3人でもっかいはいろーぜ?」
「…仕方ないなぁ…みなくんは…っ」
きっとそこには沢山人生があるだろう。雨宿りしてる人や急いで家族の元へ帰る人、傘をなくして項垂れる人。勢いを増した雨に少しテンションが上がる人。
「湊くん…は私が洗いますから…」
色んな人がいて、ダメなところも良いところもある人がいて…もしかしたら俺が嫌いだった人もこんな雨一つにでさえ一喜一憂してるかも知れない。
「それは…みなくん次第でしょ〜…?ね〜?みなくんっ…!」
恋では悩んで…時々はしゃいで…好きな人を思い出して顔を赤くしているかも知れない。
「…雨…止まないね」
部屋が暗くなっているけど確かにお互いの位置がわかる。
超能力でもなんでも無い。ただの勘。
「そうだな…それに今日は少し肌寒いかもな」
指先がひとりの手を見つけて、嬉しさを隠し切ることなく、絡まって離さない。ひとりと手を繋ぐといつも思う。俺とは違くてギタリストの指をしている。きくりもそうだ。
何回も練習して、努力をした証。きっと宝物のように大切な手。俺の手とは違った何の汚れも知らない綺麗な手。
この手が無くなれば…ひとりに価値は無くなるだろうか。
カランと氷が溶けていく音が聞こえた。
そんなドス黒い気持ちとは裏腹に、俺は優しく包むように彼女を手を握りその温もりを確かめた。
「湊くん…もっと、強くていいよ……痛いくらいに」
彼女の言葉を聞いて、俺はひとりの手を握り締めた。ひとりもまた俺の手を握り返す。
「…おーい、みなくん…?私も寒いんだけど〜…?」
大胆に服を脱いで手を広げるきくりに可愛さを感じて抱きしめる。人の温もりを感じられるこの瞬間が結局一番幸せな時間で。
俺にとって唯一の大切な時間。
「…ふふ、みなくん…キスっ……んぅふ…」
色っぽく微笑んだ彼女に俺は迷わず口付けをする。長く…深く証を残すように。
「んっ…ぢゅ……んあっ…ふ…。…んむ…ちゅ……ぁ…みなく…っ…!」
するとその様子に我慢の限界が来たのかひとりは割り込んで俺の唇を奪ってきた。
「…き、きくりさん…ばっかずるい…っ…んぅ…れぁ…んむぅ…っ」
豊満な胸を押し付けて、俺を激しく求めてくる。首の後ろに手を回し、絶対に離れないという意思をキスを通して伝えてくる。男としてこれだけ求められることはとても気持ちがいい。そんな思いが形となって彼女達に示す。
「あ〜…みなくん…たってるよ〜…キスできないから私はこっちだね」
普通じゃない。今してることは。
けれど俺ら以外にもしてる人はいて、誰でもできることで。
別に普通なんてどこかしらにある曖昧で不確かなもので。
「んぅ…みなくんっ…んぶぅ…っんじゅる…んぶっ…れろ…んふ…きもちーみたいだね〜…んぶっ…ぉご…ぉ…♡♡」
こんな夜にはきっと何も考えずに求め合うのが正解だ。
「きくりっ…それやば…っ!!」
丁寧な舌の愛撫。臭いだろうに懸命に奉仕を続け、舐めとり、咥えて愛を感じようとするその姿に興奮する。肉棒はさらに大きくなり、きくりの喉奥まで温かさを求めた。
「…ぁ…み、湊くんっ。んぅっ…!こっちに集中…っ♡…んぅ…あむっ…ちゅ…んぅ…して…ぇ…っ…?」
舌と舌とが絡み合って離さない。息苦しくなっているのに離れることを許さない。このまま死んでしまうじゃないか…そんな事を考えるくらいには長く深いキスだった。
2人から求められて、思うことではないかも知れないけど。溺れるようにその愛を受け取り、共に落ちていくことは俺にはできない。
沢山の人を傷つけてきた俺にとって彼女達の愛は毒だ。だから受け入れてはダメだし与えたはいけない。
分かってるが止められない。また沼に落としていくように、俺に堕ちていくように、調教を始める。
「……んぐ…っ…はぁ…おいひとり、きくり抑えろ…」
「…っ…♡…はい」
「……み…みなくんっ…♡…ぁ…ぼ、ぼっちちゃん…っは、放して…?」
ひとりは俺に逆らわない。なぜならそれが唯一だと思い込んでいるから。ひとりは命令を嬉しがるし、きっと優しさ以外も求めている。
ひとりは命令通り、きくりの両手を持ち、その場に寝転がせて抑えている。
「きくり、さっきのお返ししてやるよ」
足先から腿を伝い、彼女の秘部へと手を伸ばす
「ん、んふぅ…っ♡♡…あ…っは…♡み、なくっ。それやば…ッッ!♡」
この状況のせいで既に出来上がっていたきくりの身体は敏感に快楽を受け取り、流れ出る愛液のおかげで指もすんなりと入り、少し動かしただけで絶頂を迎えた。
「…っ…刺激…強すぎるよ〜……シラフじゃ…絶対恥ずかしくて…無理」
「ははっ…いつか完璧にシラフなきくりともヤりたいけどな…っと」
太ももを持って下半身を俺の方へと近づける。手はひとりが抑えているからこれでもう、快楽からの逃げ道はない。
「…みなくん…き、汚いよ…っ…そこ」
「綺麗だよ」
そう言ってきくりのたっぷりと濡れた秘部に舌先を当てて舐めとる。
「いっ…くぅ…んっ!んあっ…♡♡まっ…はぅんッ…!!♡♡」
身を捩りどうにか快楽を外へと流そうとするがそれを許すはずがない。
「ひとり氷ちょーだい」
「はいっ…」
口の中に氷を入れて冷やしていく。その間に指を入れてGスポットを刺激する。じわじわと時間をかけて愛撫してきくりの興奮を高めていく。
「…ふ…ぁ…♡♡……ぃ…んぅ…っ♡♡」
時間をかければかけるほど昂った感情に我慢ができなくなっていく。理性を蝕み、まるで動物のように性を曝け出していく。
「…みなくっ…もっと…ぉ♡♡…もっと…ッッ……♡♡」
氷が完全に溶け切り、冷えた舌先で膨れ上がった蕾への愛撫を再開する。
膣内に入った指と舌先で蕾を挟みきくりを溶かしていく。
「…ひやぁ…ッ!♡つめた…ぁあ…っ!♡♡んぁあ!!ひっ…ぅう…♡♡♡…ぁ…ぁああッッッ!!!!?♡♡♡♡♡」
きくらの顔は見たこともないくらいに赤くなって触れている肌も熱くなっている。きっと限界が近いんだろう。でもまだだ。
「まだダメ」
そう言って動きを止めると、膣内がぎゅーっと締まって、彼女の声がより一層高く響いた。
「ぐぅ…っはぁん…ッッ!?!♡♡♡♡みな、くっ…いじわるやめて…っ♡♡♡」
「どうしよっかなぁ…」
「お願い……♡…なんでも…するからぁ…」
切実な願い。目はトロンと蕩けて焦点が合っていないし、涙も流れている。その表情はとても魅力的で苛めてみたくなる。
「…俺のものになってくれる?」
切実な願い。俺とは違うから。俺よりも凄い人たちだから。こんなことでしか繋がりを保つことが出来ないから。
「…うんっ…ずっとみなくんもの…だよ〜……♡♡」
「ひとりどけ」
「…ぁ、はい…」
その言葉を聞いた俺はきくりの両足を高く持ち上げ、女性器が真上を向くようにする。いわばまんぐり返しという性行為における体位の一つだ。
震える足を押さえつけて舌で性器を刺激する。
「あ"ぁ…ッッ!?!♡♡まっ…♡♡イ…ッッッ!!?!♡♡」
「閉じんな足」
震えながらも俺の命令通り足を広げるきくりはとても素直で可愛い。そんなきくりの性器を唇で挟み吸うとまた釣り上げた魚のように暴れ出した。
「ぁあっ…?!?!♡んはぁっ!?!♡にやぁっ…ッッ!?!♡♡♡みなくんっぅ…?!!♡♡はあっ…ぎぉ…ぉ♡♡イ…ッッックゥ…!!♡♡」
ついに限界を迎えてビシャア…っ♡♡♡♡と潮を吹いたきくりはだらしなく舌を出して涙も鼻水も出ていて、こんな顔俺以外には見せねーだろなーと考えながら全部出し切ってもらおうと指での愛撫を続けた。
「…みな、く…つんぅぅ…ッッ!!?!!♡♡♡♡」
飛び上がるみたいに腰が反り、ビクビクと上下させる。待ち望んでいた快感に舌を突き出しきくりは何度も果てた。
「…ふぐ…ぅ…♡……ふっ…♡♡……♡」
「あー…きくり…意識飛んでね…?」
きくりはあまりの快楽に意識を飛ばして、身体から力を抜いてその場に倒れ込んだ。
「……ひとり」
とすれば俺の欲望をぶつける相手は残りは1人。
「…ぁ…っ♡…はい」
とても冷たい眼差しでひとりを見ると、手を後ろに隠して顔を赤く染めていた。
「おい、何してた」
大体してたことは分かるが、ひとりの口から言わせることに意味がある。後ろに隠した手を掴み無理やりこちらに引っ張るとひとりは観念したかのように俺に擦り付き質問に答えた。
「…き、きくりさんが…虐められるの見て…お、オナニーしてました…っ♡」
「だよなぁ…クリトリス下着の上でも分かるくらいに膨らんでるもんなぁ」
俺は下着の上から膨らんだ蕾をぎゅっと握りしめてひとりの反応を楽しむ。
「あぐぅ…ッ!?!♡♡ご、ごめんなさいっ!?♡♡ごめんなさい…っ♡♡」
後ろから押し付けるように肉棒を突き入れて全体重をかける。
「あ"ぁあ"っ…♡♡♡♡…ありがとう…ござい…っます♡♡」
感謝を述べながら、その場にべちゃりと倒れ込むひとり。重さに耐えられなかったのだろうか。でもまだ射精してないんだけど。
「まだ出してねーだろーが…ッッ!」
「がぁ…ッ!?!!!♡♡♡すいませッッッ…♡♡♡」
大きく腰を動かして彼女を築き上げると全身に力を入れて震えながらも体勢を保った。その間腰をぐりぐりと押し付けてきたが……こいつは本当にエロいな。
腕で首を絞めるように抱きついて、ひとりを立たせる。
「ぁっ…♡ひぃ…っ♡♡はっ、はっ…すいま…せんっ♡♡♡」
ひとりの顔は先ほどのきくりと同じように鼻水と涙でぐちゃぐちゃになっている。それでもにこやかな笑みを浮かべて、この扱いに喜びを得ていた。
「こ、殺してください…♡…湊くんの…手で…首でも何でも…締めて…湊くんのことしか考えられないように…殺して…♡犯して…♡ください…っ♡♡」
あーあ。
これは
でも…もう
「んぁぁあっ…!!?!♡♡♡♡♡」
止められない。
「ごめんなさ…ッッ!!♡♡イキますッ!♡イクッ♡♡♡♡」
どぱぁ♡と液体が流れ出て俺の肉棒を飲み込んでいく。
「…っ…ひとり…大丈夫…っ」
俺は彼女を抱きしめて頭を撫でる。また意図して彼女をぐちゃぐちゃにする。
オチロ。
「へ、あ…♡♡♡♡♡みなとくん…♡♡♡…みなとくん♡♡♡」
腰を勝手に動かして、もう止められない。
オチロ。
心の奥底で抱えてる黒い感情が表に出てくる。
「ひとりは誰のもの…?」
鏡がないからどんな眼をしていたのか。俺には分からない。怖かったのか優しかったのか。
けれどひとりは心の底から笑みを浮かべて。
「みなとくんのもの…♡♡」
ひとりの首に手をかけて締め付けていく。
「あ"……♡♡♡♡♡♡♡」
止められない。…もう全部俺のものにして壊したい。
白目をむいて、舌を出しながら涎を垂らして涙と鼻水。決して良い表現とは言えない顔。きっとひとりが一番見られたくない顔。
けれどその顔は俺にとって一番興奮できるものだった。
一番好きな表現だった。
一番。
「愛してる」
「…あ"あ"…ッッッ!!♡♡♡♡♡♡」
言葉共に射精してひとりの子宮に注いでいく。ドクンッドクンッと長く脈を繰り返して白く染めていく。
ひとりは意識が朦朧としながらも俺にしがみつきぱくぱくと口を開けていた。何か言いたいんだろうが喉が潰れてるのかうまく声を発せていない。
「…喉潰れたか?…ごめんなひとり…俺のせいで」
ひとりは精液を逆流させて内ももまで垂らしているがそんなことは気にならないのだろう。
必死に俺に何かを伝えようとしていた。
「…はっ…♡…っ…はっ…♡す…」
「好きです…♡…………」
言葉を受け取り、理解ができたその瞬間。俺は罪悪感で押しつぶされそうになった。
なぜあんなことをしたのか。不安で仕方なくなったのか。離れてほしくなくて、俺の隣にいてほしくて。
「………っ」
やっぱり俺は足枷になる。
ならこれが最後だ。
「…まだ…っ♡私にも入れて…ください…♡」
「お姉さん…っ…ず…はぁ…♡ずるい…私もまだ…♡♡」
ああ、俺は最底辺の人間だ。
「2人とも…大好き」
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案外自己評価低い湊くん。