SSランクの特権として、俺にはこの学園全ての入退出できるキーが与えられていた。
購買部で買った極小水着とゴーグル、タオルを持ち、屋内温水プールへとやって来た。
前もって水泳部の顧問には少し使わせてもらうと連絡はしている為に問題は無かった。
リュックと服をあいているロッカーに入れ、プールへと進んで行った。
学業は忙しいが、サークル部活もそれなりに賑わいでいた。
その一つが水泳部であった。
立派な建物を完備し、全国大会へも連続で出場していた。
何故分かったかと言うと、そう言う旗が壁に掛けられていたからだ。
一応挨拶をしておこうとその辺を歩いていた部員に声を掛け、リーダーを呼んでもらう。
リーダーの男は3年の立派な体格の男だった。
身体は逆三角形で、春なのに肌は黒く日焼けしていた。
今はテストも近く、余り揃っていないから一番奥を使ってくださいと丁寧に言われた。
どうも俺が桜小路家の者だとは分かっている雰囲気であった。
始めから使われていない端のコースに入り、50mプールをゆっくりと、身体を慣らすように泳ぎ始める。
久しぶりのプール。
一年以上はまともに泳いでいなかったが、泳ぎを忘れてはいなかったようだ。
ゆっくりと往復すると、一旦休憩していた。
思ったよりも体力を使う。
エッチするのとはまた違う筋肉を使うせいか、それとも体力が落ちているせいなのか。
息が切れるまではないけども、力が、持久力が無い事は自分でも分かった。
バシャッッ!
「うわッ!」
頭に掛かる水と、締め付けられる様な感覚にびっくりして声が出ていた。
「此処は帽子着用よ、ふふ」
飛び込み台のある後ろを振り向くと、ハイレグの水着を着た女がゴーグルを付けたまま笑っていた。
「それあげるから使ってね」
頭に手を持って行くとそこにはゴムの帽子が見事に嵌っていた。
「ああ悪いな。知らなかったんだ、ありがとう」
いいえどうぞと手を振り遠ざかって行く均整の取れた身体に食い込む水着の女を少しだけ見ていた。
1時間程休憩を挟んで泳いだ後で家路に付く。
その次の日も水泳で鍛えようとプールに通っていた。
「今日は帽子を付けてて偉いぞ~」
休んでいる俺に近づき一言言うとターンして一気に加速して行った。
三日目
「フォームがなっていないのよね~腕はこうして……足はこんな風に……」
俺は小学生のように指導を受けていた。
腕や足に当たる薄い水着越しに当たるおっぱいが柔らかかった。
四日目
俺が泳ぐ真下で潜水をしながらフォームのチェックをするようになっていた。
「選手じゃないんでそこまでしなくてもいいですよ」
「いいえ、綺麗なフォームで泳ぐと、気持ち良いんですって!私が教えますから大丈夫ですよ!」
と、また手足を持っておっぱいに当たりながらもチャックは続いていた。
五日目
土曜日なので試合も無いから部員は少ないと思ったら意外に多かった。
それでも彼女は俺に付きっ切りで教えてくれていた。
そして何となく上手に泳げている自分に気が付いていた。
波を受けるのではなく、身体に沿って水が自然に流れる感覚。
早く泳ぐのに力が余り要らなくなっていた。
「でしょ!私教えるの上手なんだからっ!」
初めてゴーグルを取った顔を見た。
柔らかい美人とでも言うのか?キリッと引き締まった美人の和花と対極にいるような美人だった。
笑顔が可愛くて、少し若く見られて明るい感じの子。
多分新入生なんだろうが、みんなと違って自由気ままに動いている。
「新入生?」
「はい!そうなんです!分かりました?」
「うん、何となく。若いかなって思ってね」
「私先輩の事は知ってますよ。『こいつは俺の女だ!てめえら手を出すんじゃねえぞ!』の圭介先輩でしょ?割と有名ですよ」
ああ、参った。
アレはパパさんに言われてやったんだ。俺の黒歴史になる物なんだよな。
「ははは、参ったな。そんなに有名だった?」
「はい!有名ですよ。おっぱいが大きい人が好きだって」
「っ! そこ?」
「はい、回りは大きい人ばかりだって有名ですよ!小さい人はダメだって諦めてますし。私なんかどうですか?そこそこ大きいんですけどっ」
水着の上からだが、胸の下に手を当ててぷよんぷよんと上下に揺らしていた。
目が胸に吸い込まれる。
無意識で手が伸び、水着に浮いていた乳首をプルンッと触っていた!
「いやんっ」
「あ、ゴメッ!」
「あはは、やっぱり手が早いんですね。でもダメですよ~私処女だから!あはは、お礼にお昼でも奢って下さいよ~」
俺は触ったと言う手前もあって、純粋に教えてくれたお礼の為に、食べたいと言う焼き肉屋へ行く事になった。
「あはっ! そう言えば名前を言ってなかったですね!私、如月《きさらぎ》 麗花《れいか》と言います!先代まで桜グループに居た血族です!じゃあ何処に食べに行きますか?」
何だか変な感じになって来た。
俺はプール施設前で待ち合わせをし、ジロジロと見られながら麗花を待った。
そこそこ顔が売れているのか、数人が挨拶をしてきた程度であったが、そこへ麗花が現れるとみんなは散っていく。
肩下までの塩素焼けをした少し茶髪の髪の毛は水泳帽子から解放され、ゴーグルも付けていない顔は確かに美人だった。
運動部らしくジャージを着ているが、その上からでも分かる見事な肉体。
桜小路家の血がそうさせているのか、血族の皆は見事に巨乳、爆乳であると言う印を見事に体現させていた。
「圭介先輩って車ですか?」
「いや、バイクだけど」
「じゃあ私車だから乗って行きます?」
成績トップから10番以内でないと乗り入れ出来ない駐車場。
だと言う事は、麗花は頭も良いんだ。そこはグルー王から離れたとは言え、流石は元血族か。
「俺はご飯を食べたら帰るから。別々に行こうか」
「じゃあ私が良く行く焼き肉屋でも良いですか?」
「もちろん良いよ」
それから何処にある何々のお店と言う事を教えてもらい、玄関近くで彼女の車をバイクに乗って待っていた。
「ヤッホー!せんぱーい!お待たせ~行きますよ~ついて来て下さいね~」
明るく声を掛けて来た車はどう見ても真っ赤なポルシェ!SUVタイプのマカンだった!
門を出ると一気に加速しだす麗花!
パニガーレV4Rよりも重たくパワーも落ちるDUCATIストリートファイターV4SPだが、排気量はこっちが上であり、車重は250はあるが、パワーは208馬力もあった!
幾らマカンのGTSだろうが、440馬力はあっても車重は数倍違う!負ける訳がない!
俺がぴったりと付いてくる様子を見ていたのか、麗花はブレーキを遅らせタイヤからスキール音を響かせカーブを曲がりだした!
難なく俺もカーブを曲がると猛然とダッシュして行くマカンの姿が!
だが、アクセル一つで一気に近寄る!
伊達に一速で100キロを超える億度が出るんだ!バイクの加速を知らないのか?!
追いかけっこをする様に焼き肉屋まで着くと、麗花はニッコニコで車から降りて来た。
「すっごーい!私について来たのって初めてですよ~先輩早いんですね~、ちょっと感動です!」
何で血族が早い車を乗りたがるか、分かった気がする。
「町中でバイクが負ける訳ないし。超高速だとこれじゃあね、もう一台のバイクなら大丈夫なんだろうけど」
「うふふ、先輩って凄いんですね。気に入りましたよ!さあ!食べるぞ~」
そう思って店内に入ると、そこは満員の札が……
だが、少し待つと直ぐに呼ばれた。
「相席になりますが宜しいですか?」
「だいじょうぶでーす!さあ、いこいこっ!」
そこは奥にある襖で遮られている個室…………
何かイヤな予感がしていたが、悪い事は…………いや、バックレたのか。
この雰囲気、プレッシャー!多分そうだ!
襖から漏れ出る圧力《プレッシャー》に俺は感づいていた。
店員が襖を開けると、やはりそうだった。
「いらっしゃい圭君」
「あはっ!大御所のみなさんです!そうだと思ったけど、そうだったんですね~」
そこには桜花、ユリア、和花、武蔵、蘭、そして琥珀、心愛のほぼ、フルメンバーが揃っていた!!
「如月さん?どうぞお座りになって。圭君は私の横よ」
これは尋問なのか?
そうなのか?
悪い事は…………あるかもしれないが、浮気はしてねえ、おっぱいが当たっただけだ。
そして俺は覚悟を決めて室内へと入って行った。