今現在、俺はベッドの上で横になったまま、
笑いながら、『いいこいいこ』と、頭を撫でられ続けている。
少しばかり気恥ずかしいものも感じるが、何故か止める気にはならない。
頬に感じる柔らかな太腿の感触と合わさって、何というか酷く落ち着いた気分だ。
「みーくん、今日もいっぱい
……こうしてると可愛いんだけどなあ。
本当にえっちなんだから」
「……子供扱いすんなよ」
悪態じみた調子で返してしまったが、
ぼんやりと鈴音の顔を見上げながら、もうすっかりいつも通りだな、とぼんやりと思う。
実の所、行為を終えてからさほど時間は立っていない。
にも拘らず、乱れた状態だった
ぱっと例のスーツ姿に変わったかと思うと、また一瞬で制服姿へと戻る。
ただそれだけの事で、いくらか付着していた筈の精液による汚れや匂いなどが、綺麗さっぱりなくなっていたのは正直驚いた。
何でも、着衣を換装する際に、余計な成分を分解して飛ばしているのだとかなんとか。
「普通に立って歩けるくらいだし、本当に大丈夫なんだろうけどね。
せっかくだしさ。もうちょっとだけこのまま恋人らしい事させてくれないかな?」
「……ああ」
どこか見透かされているような気分になりながらも……甘えておくことにする。
ただ時間を確認すると大分経っているようで、母さんや父さんが仕事から帰って来ても可笑しくないころだ。
だから、そろそろ不味いんじゃないのか、と口にするが、
「うちのお母さんも……みーくん家のおばさんもだけどさ。
私とみーくんが普通に
だからちょっとくらいなら大丈夫だと思うよ」
「……へ、マジで?」
告げられた内容にぎょっとするこちらへ、うん、と苦笑いしたまま頷いて――鈴音は続けてくる。
「はっきり言われた訳じゃないけど……ね。
でも責めてくるとかそういう感じじゃ無かったかな。
むしろ変なのに引っかからなかったって事で、ほっとしてたくらい?
……
――そうか?いや、まあそうかもな。
ただ……妙に引っかかって聞こえた単語があった。
鈴音が語った内容に問題があるというよりは、今抱えている問題を思い出してしまったからだが。
『変なの』、そう『変なの』だ――と口の中で呟いてから、新たに浮かんできた懸念を口にする。
「なあ……明日からの新しい
「あー……みーくんでもそういうの、気になるんだ?
私の時は結構慣れてる感じだったから、平気だとばっかり思ってたけど」
……それを言われると弱い。
振り返ってみると初日から、よくもここまで、ストレートに欲望を鈴音にぶつけてしまったものだと思う。
これで新しい
「別に深く考えなくてもいいんじゃないかな。
私もそうだけど……結局、みーくんの
気に入ったら
「……お前、気にとかならないのか?」
あまりにあんまりな言い様におもわず聞き返してしまってから、後悔する。
言えた義理でもない、という事もあるのだが。
今のは、まるで
いや、本当に何を考えているんだろうな、俺は。
「……べーつーにー?
ちゃんと責任はとってくれるって信じてるから。
ね、
まあ、そんなこちらの内心も織り込み済みだったのか。
悪戯じみたものを含ませた口調で、からかうように強く頭を
――今はっきりと、自覚できた。
多分、俺はこうやって……いつもの調子で
利口ぶったところで、自分がただの
ただ、それは本当につもりでしかなかったのだろう。
ようやくそれを認める事が出来たから、と言う訳ではないが――
「なあ、もうちょっとだけこうしてもらっていいか?」
「……うん。あ、なんなら耳掃除とかもしてあげよっか」
ずっと見てたけど耳の穴汚いよねえ、と割と失礼なことを宣ってくる鈴音に、何か言い返そうとして――馬鹿馬鹿しくなって止めたところへ。
ふう、と不意打ち気味に耳へ息を吹きかけてきた、
こうして、わちゃわちゃと、くだらない茶番で誤魔化しながら、じわじわと深みへとはまっていくのだろうな、と……