※この作品はR-18です。

幼馴染洗脳改造済戦闘員物   作:べっこう飴02

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5-2 ?????(人格擬態)

 時間は飛んで、朝の教室。

 鈴音を引き連れそこに入った俺は、何となしにがきり、と首の骨を鳴らす。

 時計を見れば、HR(ホームルーム)までにはあと十数分といったところだろうか。

 

 ――遅すぎず早すぎず、丁度いい時間帯に着いたものだ、と物思いにふけっているところに、声がかかる。

 

「……おはよう、三村君。日村さんも」

 

 既に登校していた連中による喧騒の中、ぼそぼそとした囁くような大きさだが、不思議と耳に滑り込んでくる途切れ途切れの声を発したのは――

 小動物を思わせる、静かな雰囲気を漂わせた黒髪のショートへアの小柄な美少女。

 

 鈴音に次いで、同年代の女の中ではよく見知った顔だ。

 

「ああ、おはよう砂村」

 

「おはよ、ユキちゃん。

 なーんか、みーくんのついでみたいな感じもするけど、普通逆じゃない?」

 

 こちらに話しかけてきた大人し気な女生徒(しりあい)の名は、砂村(さむら)幸奈(ゆきな)

 

 俺と鈴音の中学時代からの共通の友人にして、現在の同級生(クラスメイト)でもある。

 

「二人に……お昼休み……話が、あるんだけど。

 少し、時間、もらえない?」

 

「えっと、悪いんだが砂村。今日は先約が」

 

「……あー、そういうことか。

 みーくん、聞くだけ聞いたげようよ。

 どうせ暇なんだし(・・・・・・・・)。」

 

 断りかけた俺に割り込んできた鈴音(かのじょ)の言葉に、ぎょっとする。

 いや何を言っているんだ、鈴音(こいつ)は。

 暇も何も、今日の昼は――いや、まさか?

 

「んー、みーくんさ、昨日、いろいろ言ったじゃない?

 私の方も……それについてさ、ユキちゃんも混ぜて相談したかったんだよね。

 あ、そうだ。話の場所……体育倉庫とかいいんじゃないかな」

 

 あそこ、内側から鍵かけられるしさ、と続けてくる鈴音(こいつ)の言葉に、確信は強まっていく。

 やはり、砂村(かのじょ)が……そう(・・)なのか。

 

「うん……どうか、よろしく、です」

 

 鈴音に続いて、ぺこり、と頭を下げて来る砂村。

 

 ……正直、混乱している。

 いろいろと二人に問いただしたくなってきた程度には。

 

 けれど、それをここで口にするほど馬鹿でもないし、とりあえずは――

 

「いいぜ、何の用事だが知らないが、つきあってやるよ。

 ……じゃあ昼休み、教室(ここ)で一緒に飯食ったらすぐ、って事でいいか?

 もたもたしてたらすぐ時間なんて過ぎちまうだろうしな」

 

 極力周りの目を意識して、何でもない風を装って答えた。

 

 予想してしかるべきだったのかもしれないが……無意識のうちに避けていたのか。

 鈴音と俺を間近で監視できる女生徒など、限られていると言うのに。

 

「ありがと、みーくん。私も今日はお弁当だからさ。

 おかず分けたげるね?」

 

「……三村君、私のも、ちょっと、食べる?」

 

「いやガキじゃないんだし……

 折角親御さんが作ってくれてるんだから、お前らメシくらいちゃんと食えよ。

 ってか今から何言ってんだ、まだ朝だぞ」

 

 二人の言葉に呆れたように、あえて(・・・)大仰にため息をつく。

 

 いつも通りに返せているだろうか。できているよな。

 少しだけ声はうわずっていたかもしれない。

 

 大丈夫。大丈夫な筈だ。

 今のところは何もおかしな事など、していないのだから。

 

 僅かばかり息が荒くなって、心臓の鼓動がばくばくと早打っているのを自覚する。

 俺は、砂村(かのじょ)そう(・・)であることに対して、ショックを受けているのか?

 あれだけ鈴音に好き放題しておいて、とも思うが……今更、躊躇しているとでもいうのか。

 

 ……いや、多分、違う。

 今の俺が一番怯えているのは……きっと、俺自身(・・・)だ。

 

 確かに後ろめたさも、罪悪感もある。

 誰かに気取られるかもしれないという恐怖を抱いているのも、嘘ではない。

 

 だが、それ以上に心の何処かで今の状況に興奮を覚え、この次の展開に期待さえ抱いてしまっている自分自身に気付き、背筋が寒くなった。

 ここは学校で、今は素面の状態だというのに……砂村(かのじょ)に、劣情を覚えている。

 

 朝、鈴音に小便を飲み干された時に感じたものは、きっと背徳感だけではなく――

 

 俺はきっと、確実に狂った現在(いま)に馴染みつつある。

 それが……酷く怖かった。

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