――そして、時間は二人を貪り尽くした
先の記憶とは逆に、鈴音と共に寝ころんでいた俺の股間に顔を埋めているのは、幸奈だ。
ベッドの上で組み強いていた鈴音の
こちらが精巣が空になると同時に、元の
「ぢゅるるるぅっ……!
ん、三村君の……やっと綺麗になった」
欲望の限りを尽くしどろどろに汚れ、萎えた肉棒を清めるために舐めしゃぶっていた幸奈が、きつめに吸い上げて最後の一滴を飲み干した。
頬張っていた亀頭から口を離して、ふわあ、と無表情で欠伸を噛み殺したのは
「私も……もう寝る」
呟くと同時に、幸奈も空いている俺の隣へこてん、と寝転ぶ。
そうして変わらない静かな表情のまま、こちらに囁きかけて来る。
「気持ち良かった?」
「……ああ」
連続して味わった強烈な快楽の余韻が引いていく。
滾るものを粗方吐き出し切ったお陰で、俺の頭は徐々に冷えつつある。
残るのはじんわりとした気怠さを伴った、言葉にしがたい気分。
余力は残っているとはいえ――疲労も確かにあり、動く気にならない。
故に揃って紫の光沢で鈍く輝く、半生体強化スーツを纏った二人の少女に、寄り添う様に挟まれる形で、俺はベッドの上で寝っ転がったまま休むことにした。
「みーくん、今日も
なんかまだおちんちんの感触が残ってる感じ」
鈴音は自らの腹の上を、愛おしげに撫でて、こちらに顔を向けてくすり、と
「……ん。締めは、日村さんだったけど。
私の
残り汁も……味が、えぐかったし。
えっち……けだもの。すけべ、へんたい」
幸奈は幸奈で、こちらを非難するような、じゃれつくような
――改めて、小さな手だな、と実感する。
つるりとした独特の質感をもつ生体スーツに包まれたそれは、先程手のひらに感じた時と同じように、仄かな温かさが伝わってくる。
「そうだねえ……今日はユキちゃんに随分ご執心だった感じ?
やっぱりアレかな――ユキちゃんが、
正直妬けちゃうよね」
鈴音が、何となしに口にした言葉は、俺が擬態を解いた状態の幸奈から聞き出したものだ。
以前
驚きはあったが、取り繕ったところでどうにもならない。
それに対して思う所が無い、と言えば嘘になるが……全ては今更。
幸奈と繋いでいる小さな手を、ぎゅ、と握り返し……
諦観と共に、やはりこの状況に慣れてしまいつつあるのかな――と、ぼんやりと考えるだけだ。
「……別に、気にしないで、いいのに。
私はもう、三村君の……
遠慮しないで、いつでも、
静かに、優しく囁いてくる幸奈。
それが俺を喜ばせる為だけの、本来の人格をなぞっただけの言葉なのは判っている。
だがもうどうすればいいのだろうか。
鈴音もそうだが――もう、幸奈は……最終的には今の俺を肯定するだけの
虚ろに、命じられるがままに動く――俺の上で腰を振っていた、あの有り様がこそが彼女たちの本質――なのだから。
「ああ……そうだな。お前等は、俺の
故に、こう答えるしかないのだ。
罪悪感がないわけではないが、それでも俺は彼女達を手放す事は出来そうにない。
現状、今の状況を覆すことが出来るだけの、手段や力が俺に無い、という事もあるが……
今も感じられる暖かい体温を、向けてくれる微笑みを、蕩けるような悦楽を与えてくれる肉穴を、失う事に……もう耐えられない。
そんな俺の内心を察してか、鈴音が明るい声で話題を切り替えるべく声をかけて来る。
「みーくん、ユキちゃん。もうちょっと休んだらさ?
一緒に勉強した内容忘れてないか、ちょっと復習してみよっか」
「……ん。さんせい。
三村君。まだ、えっちしたかったら、その後に……しよ?」
「いや、流石に今日はもう出ないって。
復習は、まあそうだな……一応勉強会って事で集まったんだし。
……やるか?」
俺の回答に、鈴音は微笑み、幸奈も心なしか嬉しそうに身を擦り寄せて、頬に口づけてくる。
一応は二人との
割と本格的な形で実施されたそれは、驚くほどスムーズに進んだものだった。
二人の教え方も言うだけあって、かなり上手いものだった事もある。
ただそれもあれだけ激しく体を重ねた後では、その内容が綺麗に吹き飛んでいるんじゃないか――ということだろうか。
更に言うなら俺の感じた疚しさを誤魔化す事も兼ねているのだろう。
生真面目さと甘さが入り混じったような
だから、素直にそれに甘えて――また、二人との仮初の時間に溺れる事にした。
「えへへ、みーくん……大好きだよ。
ずっと一緒に居ようね?」
「私も。三村君の傍に……ずっといっしょ」
絡めとられて、がっちりと嵌り込んでしまった俺には、其処から逃れる術がない。
こうなる事が分かっていて、
多分次辺りには、新しい飴を寄越されると共に、いよいよ取り返しの利かないナニカに手を染める事になるのかも知れない。
だがそれも仕方がないのかもしれない。
欲望に溺れきった、浅ましい俺が、
結局――更なる深みに……行きつくところまで、行くしかないのだろう。