※この作品はR-18です。

幼馴染洗脳改造済戦闘員物   作:べっこう飴02

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8-2 来訪者

 いや、本当にどうしたものか。

 

 ――先ほど提示された新しい仕事(バイト)について考えながら、俺は帰り路をあえてゆっくりと歩いていた。

 今日は鈴音も幸奈も、先に俺の部屋で帰りを待っている筈だが……いざ帰ったとなれば、多分、現実逃避気味に彼女達の身体に溺れてしまうに違いない。

 だからというわけではないが、先の怪人に告げられた内容を俺一人で、ある程度整理しておく必要があると思ったのだ。

 

 結局の所、元の人格を精緻に模倣していようとも、最終的には俺の言葉に従うだけの、肉人形。

 参考程度に話を聞くなら兎も角、決断は俺自身で行わなければならないだろうから――

 

 と、思索に没頭していたところに、

  

「や、考え事をしている所失礼。

 ――少年、ちょっとばかり時間を貰えるかな」

 

「……え?」

 

 唐突に声をかけられ、顔を上げる。

 見上げた先には、青のセーラー服とミニスカートを身に着けた、年のころで言えば俺と大差ないだろう女が立っていた。

 

 綺麗な顔をしている。

 美人かそうでないかと問われれば、間違いなく前者だろう。

 ただ……凛々しさを備えた中性的な美貌を、何処か胡散臭い笑みで台無しにしている、

 

 彼女が着ているのは、この付近の学校の制服ではない。

 何らかの用事で遠出した他校の生徒だろうか?

 

「いえあの、すいません。

 俺、ちょっと急いでるんで――」

 

 正直今はあまり余裕がないので、適当にいなそうと口を動かすが、

 

「いやあ、聞いておいた方がいいと思うけどねえ、

 君、今の分岐(ルート)をこのまま進むと、間違いなくろくでもない死に方するよ?

 率直に言うと、君の仕事(バイト)先のアクのソシキ――さっさと辞めたほうがいいんじゃないかな」

 

 さらりとこぼされた、皮肉げな彼女の言葉をとっさには理解できない。

 はあ、と呆けた様な生返事を返してから、一瞬遅れて、その内容を脳が咀嚼し――反射的に身構える。

 

 ……こいつ、まさか!?

 

「ああ、別に正義の味方の皆さんとは直接の関わりはないよ。

 別に君の敵って訳じゃないから落ち着いてくれたまえ」

 

「っ……じゃあ、他の組織の――」

 

「いやそれも違うってば。

 ううん、口でああだこうだ言うより実際に見せたほうが早いのかな。

 ネタバレになっちゃうけど、まあ別にいいか」

 

 気がつけば、彼女との距離が一瞬で詰められていた。

 鼻先で白く細い指をぱちん、と打ち鳴らされると同時に、視界が暗転する。

 意識も遠のいていく中で、女の声だけがはっきりと耳に届いた。

 

「しっかりと見て来るといいよ。

 ――君にとっての最悪の結末(グランドエンド)ってやつを、さ」

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