※この作品はR-18です。

幼馴染洗脳改造済戦闘員物   作:べっこう飴02

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2-2 日村 鈴音 (人格擬態)

 朝食を済ませ、鈴音と共に家を出て路地裏を歩く。

 人気のない裏道を通るルートが、高校までの距離は一番近いのだ。

 こうして隣り合って歩きながら、近くで横顔を眺めていると、鈴音(こいつ)は綺麗になった、と改めて思う。

 中学の頃までは、あまり気にしていなかったが……

 高校に入った辺りから、なんというか、本当に女らしくなったものだ。

 

「結局みーくん、おっぱい揉まなかったよね。

 時間なかったからかな……それとも私のだと嫌?」

 

「……うるせ。

 まだその話題引っ張るのかよお前」

 

 こうして普通に言葉を交わしていると、忘れそうになるが……もう、鈴音(こいつ)は元の彼女ではない。

 俺の知らない所で……バイト先の悪の組織に、洗脳改造され、愛玩用の戦闘員(どうぐ)に造り替えられた挙句……

 そのバイトの報酬(ボーナス)扱いで、俺の部下(もの)になってしまったのだ。

 

 紫のボディスーツに包まれた、昨日の鈴音(こいつ)の体つきを思い返す。

 制服に押し込められた状態(いま)でもそれなりの大きさに見えるが……どうやら、鈴音(こいつ)は着やせするタイプだったらしい。

 記憶に新しい光沢のある紫の強化スーツに包まれた乳房(それ)は、想像を上回る程の――かなりの巨さ(ボリューム)で。

 思わず、口の中に唾が湧き出て来たことに気付き、それをごくりと飲み下す。

 

 さっき一回抜いた筈なんだが、と胸中でぼやきつつ――昨日の光景が頭から消えてくれない。

 

 ……正直に言えば、自分を抑える自信がなかったのだ。

 昨日はそこまでの余裕はなかったが、あれを自由にできるとなれば、猿の様に盛ってしまっていただろう。

 

 そんな心境を読まれた――と言うわけでもないだろうが、申し訳なさそうな表情を作り、鈴音が言葉を続ける。

 

「あ……確かに、本番(おまんこ)までしたくなったら、時間全然足りないよね。

 絶対遅刻しちゃうし。

 ごめんね、気が利かなくて」

 

「いや……別に悪いとか言ってないだろ」

 

 元の人格(それ)に極めて近い振る舞い(擬態モード)のまま……

 当たり前の様に、自分の身体を差し出すような言動を取る鈴音(こいつ)には、まだどうにも慣れない。

 

「でもこれからは、いくらでも機会はあるからね。

 放課後とか、休みの日とか。

 もっと早く仲直りできれば良かったんだけど……」

 

「……仲直り、ねえ」

 

 専属戦闘員(どうぐ)上司(もちぬし)の関係を、そう呼んでいいものか、わからないが。

 そういえば、鈴音(こいつ)と疎遠になったきっかけは、極々くだらない、何度も繰り返してきた諍いだったな、と思い出した。

 この一年……俺から鈴音(こいつ)に謝っていれば、何か変わったのか、とも思う事もたびたびあったが……

 

 実際の所が、この有り様(戦闘員)なのだから、きっと大差はなかったのだろう。

 

「そうだよ。私だってずっと謝らなきゃ、って思ってたんだから」

 

 今の鈴音(こいつ)が頬を膨らませ、俺の言葉を咎めて来るような振る舞いも……

 その後、ほころばせ向けて来た笑顔も、結局の所、紛い物で。

 戦闘員(こいつ)が社会に溶け込む為の――或いは、上官(もちぬし)が愉しむの為の、元の人格パターンを再生しただけの振る舞いだ。

 

 上官(おれ)が『命令』すれば、鈴音(こいつ)を、如何様にでも扱える。扱えてしまう。

 元より女を痛めつけて喜ぶ趣味などないし、わざわざ他人に抱かせるような馬鹿な真似等、微塵もしたいとは思わない。

 そう言った意味では、あの怪人から受けた禁止事項などあって無い様なものだ。

 

 昨日の様に、戦闘員(どうぐ)として悦楽を貪る為に使う事も……

 或いは、擬態(いま)のまま、気安い振る舞いで、情感豊かに今朝の如く奉仕させることも。

 もう、いくらだって―――できるのだ。

 

 それを躊躇う理由などない筈だ。だってもう取り返しなどつかないのだから。

 今の生活を壊さない程度に、鈴音(こいつ)を好きなだけ抱けばいい。

 

 ただ――もし少しでも、機会(タイミング)がずれていたら、今の笑顔(それ)が別の誰かに向けられていた事になっていたのだろうか、という事に思い至ると、酷く胸がざわつく。

 

「……それ、俺が上司(もちぬし)になったから言ってるのか?」

 

 まあ、恐らくは……組織からすれば、鈴音の扱い自体、まあ使えなくもない、思春期の餓鬼への飴にくれてやった、程度の物。

 偶に、顔を合わせる怪人が漏らす事のある専属戦闘員(他の犠牲者)の扱いから考えると、取り上げられることはまずないだろう。

 

 俺への監視の意味もある、と言っても……

 裏切らなければ別にそれでいい、くらいのもので、きっとそこまで重要視もされていない。

 結局の所、戦闘員(こいつら)は組織にとって、使い捨ての駒なのだから。

 

 そんなぞんざいな扱いで、鈴音(こいつ)の残りの一生は、俺へと投げ渡された。

 

「んー。そういう訳じゃないけど……

 まあ、私は上官様(みーくん)だけの専属戦闘員(もの)なのは確かだからね。

 だから……これからはずっと一緒に居られるんだよ」

 

「……ああ、そうかい」

 

 ふう、と息を吐く。

 結局の所、現状を非難する資格など、俺には多分ないんだろうな、と思う一方で……

 

 ふと、本来の鈴音(こいつ)であったらどうだったのだろうな、と益体も無いもない事を考えてしまうが、全てはどうせ今更だ。

 

 この感傷の正体が、ただの独占欲(せいよく)によるものなのか。それとも別の何かだったのか。

 今の俺には分からない。考えたくもない。

 

「あ、みーくん、大通りに出るよ。

 ……組織(あっち)の話はまたあとで、ね?」

 

 鈴音は、戯れじみた表情で、唇へ縦にした人差し指を当てた身振り(ジェスチャー)で話題を切りかえて告げる。

 

 彼女の言葉の通り、いつのまにか大きな通りに出る所までたどり着いていたらしい。

 静まり返った裏道からの落差で、車の排気音や人の喧騒が多少やかましく感じる。

 

 歩道を歩く人の中には――俺達と同じ制服の高校生がまばらに見かけられた。

 その中で、偶に近寄ってくる、あるいは離れたところから声をかけて来る、見覚えのある顔と軽く挨拶を交わしながら学校へと向かう。

 

「おはよー!あれ、鈴音。

 今日は三村(みむら)君と一緒なんだ?」

 

 その中の一人……確か、同じクラスの女生徒だったか――に、二人で並んで歩いている事に、若干奇異の目を向けられた、が。

 

「うん、色々あってさ。

 久しぶりに一緒に学校行こうって……ね、みーくん?」

 

 とまあ、元々の鈴音(こいつ)との関係も、知っている奴は知っているので、仲直りした、とでもいえば何とでもなるだろう。

 幸か不幸か……今は、鈴音(こいつ)とも同じクラスだ。

 実際声をかけてきた女も、へえ、と納得したようで深くは突っ込んでは来なかった。

 

 そんな投げやり気味な思考で――足を止めることなく、俺達は進んでいった。

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