「いやまさかこっちが観ていた事に気付かれるとはねえ。
……どこまで化け物なんだか」
「っ……いま、のは……?」
幻覚、白昼夢?
それで済ませるには、あまりにも生々しすぎる。
「あれ……は、いったい……」
今まで、幾度か確認されてきたた
只の強化形態と呼ぶには、余りにも不吉で禍々しい。
あの、馬鹿げた力を持つ――漆黒に変じた
「んー、強いて言うなら、数あるうちの
これから君が進む
いや、
ぽりぽり、と頬をかきながら、眼前の女はさらりと俺の胸中に生じた疑問に答える。
「まあ――選択によって展開は多少変わりはするよ?
怪人とか、幹部に収まる
ただ、どんな
成功に傾ぎ過ぎた場合、最終的には
運命の強制力が如何こうとかじゃない。
そこまで周到に、かーなーりー慎重に立ち回ってるんだよね、
女の口からぽんぽんと情報が追加されつつ、俺の頭に過る疑問を即座に補足していく。
口に出してはいない筈だが。まさか、心が読まれている?
いや……予め、こちらがどういった
「対抗馬としては、
と言っても、もし生まれたとしても、世界の敵であるアクのソシキの味方なんてしてくれないし、君にとっては敵が増えるだけになるかな?
他のは……こっちの
つまり、お手上げって訳だ――ああ困ったねぇ?」
こちらを小馬鹿にするように、目の前の女はケタケタと嗤う。
道化じみた振る舞いではあるが、黒装騎と呼ぶ
気のせいかもしれないが……こいつも、
「……そんな事を聞かせて、あんたは俺にどうしろっていうんだ」
「いや、それを避ける選択肢が君にはまだあるって話をしてるのさ」
女が、制服の胸ポケットから摘まんで取り出したメモ用紙を、ぴん、と弾いてこちらに寄こす。
「この後――すぐに、そこに書いてある
それほど時間に余裕がある訳じゃあないが、まだ
放られた咄嗟にそれに手を伸ばし、掴む。
その内容に目を通すと、電車に一時間程乗れば着くだろう場所が記されていた。
「最終的には、君の
何だかんだで上手くいって、皆めでたくハッピーエンドだ。
ああ、その後の関係性までは保証できないけど……さっき観たみたいに、皆纏めて無惨に殺されるよりはいいと思うけどね」
……どうする?
どう考えても、この女は怪しい。
この場は信じたふりをしてやり過ごし、組織に目の前のこいつの事を報告……すべき、なのだろうか。
だが――先ほど見せられた
世界すら隔てた状態で、ただ意識を向けられただけだというのに……未だに寒気が止まらない。
俺の本能が全力で訴えている、そちらの
――あの
あれと相対するという事は、確実な破滅と同義。
ただ……あの退廃的な快楽に溺れる日々も、抗いがたいものとして俺の中に刻み込まれている。
もし仮に、元の生活に戻る事に出来たとしても。
あの二人を、今更失うことに……耐えられるのだろうか?
こちらの逡巡に、ん、と首を傾げ、じっと見つめて来る目の前の女を前に、俺は―――