また――夢を、見ていたような気がする。
酷く懐かしい、昔の夢だった……のか?
だが内容はやはり思い出せない。
意識がはっきりと覚醒していってから、繋がったまま……俺の下敷きになっている鈴音に気付き、先刻までの記憶がフラッシュバックする。
ああ、そうだ。俺は――
「……あ、みーくん。目が覚めたんだ。
ごめん、ちょっと加減間違えてたかも。
でも
少し、頭が重い。
思考が上手く働かない――中途半端に寝たせいか。
「……俺は、どれくらい寝てた?」
こちらの独り言にそんなに長くないよ、と答える鈴音。
何というか――落ち着いているのは、
時計を見ると……大体、一時間ほどか。
「ふふ……♥」
近くにある顔――鈴音がにんまりと、妖しく笑う。
目の前にいる彼女が欲しくなって……懲りずに唇を重ねてしまう。
「ちゅ……んふぅ……んちゅ……れろぉ……♥」
ベッドの上で二人、唇を重ねて再びの
舌が絡まりあって、互いの唾液を交換しあうと、身体の芯がまた熱くなってくるような気さえした。
鈴音は腕をこちらの背に回して強く抱きしめたまま、重ねた唇を離そうとせず――気怠くも、心地よい時間をくれた。
息が続く限り――ねっとりとした接吻をしばしの間、堪能させてもらう。
「ん……っ、みーくん、まだしたい……?
もうちょっとくらいなら、出来ると思うけど……」
「いや……身体がついてこないな、これ以上は」
唾液を口の端から垂らしながら、尋ねて来る鈴音に答える。
これ以上体を動かすのが、酷く億劫だ。
「そっかぁ。じゃあもう十分くらい休んでから……お開きにしよっか。
ちゃんとお掃除もしないといけないだろうしね?」
「まあ、そうだな」
今日は早めに寝たほうがいいかもな、と自省しつつ――身体を重ねたままの鈴音をじっと見る。
ごく自然な態度で……頬に僅かな赤みが差したまま、悪戯っぽく笑っている、その姿。
今のこれも
手放したくないと――そう、思ってしまう。
彼女はそんな俺を見て、不思議そうに首を傾げて尋ねてきた。
「みーくん、どうしたの?どっか調子悪い?
おかしいなあ――
「ああ、いや……疲れがどっと出たっていうかな。
ってか
今朝、精液の味で体調のチェックができる、などと嘯いていた鈴音だが――体内に取り込んだ精液を分析して判定することも出来るらしい。
無駄に充実している
そんなに可笑しいかなと、とぼやく彼女を尻目に、これからどうしたものかと、再び頭を悩ませる。
もう、後戻りはできないのだと――改めて実感したからだ。
少なくとも組織を裏切るような選択肢は取れない。
これから俺に訪れるのは、天国のような快楽に溺れつつも……
地獄の様な後悔に苛まれ、少しずつ
やがてそれにもいつかは慣れて、何も感じなくなる日が来るのだろうか。
或いは――いつかは、俺も
思い起こすのは、四人の
既にいくつかの他の
乱立する悪の組織と同じく――世間では都市伝説、或いは
俺の醜悪な欺瞞も爛れた欲望も、きっと諸共に打ち砕いて――
と、いやまあ……柄でもなく、おセンチな気分になったからといって、流石に自意識過剰すぎるか?
元より戦力として期待などされていないだろうし、彼らと関わる機会など――それこそ最後の最後まで、無いだろうに。
口を酸っぱくして、件の怪人からも、
まったく何とも因果な事態になったものだと――
今は鈴音と重なり合ったまま、ちゅう、と頬に口づけされながら……俺は深くため息を吐いた。