※この作品はR-18です。

ヴィラン育成ゲーム   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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新人類

 夏休みが終わり2学期が始まり、学園では文化祭に向けた準備が始まっていたが、3年が今年は弱った2年も攻撃し始めたので全派閥に1学年を交えた連携をして迎撃するという学園内で武力抗争が勃発しているが、メアリーという武器製造工場が1、2年連合に武器を格安で供与したり、俺達が3年の死体を買い取ることで金銭的な支援をしたりしたことで1、2年連合が優勢な様だ

 

 俺はそんな買い取った死体を使い、実験を行っていた

 

「えっと、今日の死体は【硬化】【グライダー】【エンジン】【プロペラ】か。Pプロ、やっぱり死体だけだと【プロデューサー】は反応しない?」

 

「そうですね。生きている者じゃなきゃダメっぽいです」

 

 個性【プロデューサー】の制約の様な物が研究して少しずつわかってきた

 

 ・生きている生物であること

 

 生きているの定義が曖昧であるが、脳死が一種のボーダーっぽい

 

 ただ夏休みに作った脳無を実験に使ってみたら普通に成功したでここら辺は不明である

 

 ・付与された【アイドル】の個性は容姿と人格を変化させ、一時的に複数個性になることができる

 

 まだ生きていた先輩を人体実験したところ、男だった先輩が女に変化しており、死にかけの状態だったが傷がふさがり、健康体に作り替えられていた

 

【アイドル】として活動できる最適化された肉体に変化するようだ

 

 ただし、【アイドル】と他の個性が共同した場合体に亀裂が入る

 

 個性の反発が起こってしまい、体が崩壊してしまうようだ

 

 なので個性のキャパを広げ、肉体を複数個の個性に耐えられるように改良すれば持ち直すことができ、【アイドル】+1つくらいの個性ならば俺の改良で耐えれることも把握できた

 

 ・【アイドル】が付与されるとどうなるか

 

 人並みの運動機能、健康な肉体、常に一番良い肉体年齢、必ず女になることがわかった

 

 俺は男性アイドルも居るじゃんと思ったが【アイドル】の個性に性転換要素があるらしい

 

 ・【プロデューサー】は【アイドル】に対して命令権が付与され、【アイドル】位置情報を知ろうとするとわかるらしい

 

 Pプロが【アイドル】へ命令した場合なるべく実行しようと動くが、1000億円用意しろとか現実的に不可能な命令は無理らしい

 

 ・【プロデューサー】が【アイドル】に教育した場合習得率が普通よりも大幅に良くなる

 

 ということが判明した

 

 ちなみにアイドルの付与を解除されると死にかけの肉体に戻り、先輩はそのまま死んでしまった

 

「この死体はそのまま脳無に改造するのですか?」

 

「そうだね綺麗ちゃん。今日の4体も脳無にしようと思う。相性が良さそうだし上位の脳無になれば良いなぁ」

 

「脳無ねぇ」

 

 綺麗ちゃん達は脳無という存在に疑問的だ

 

 死体を動かしている改造人間

 

 それが俺の師匠(殻木先生)にとって必要としていることをわかっていても気分の良いものではなかった

 

「いや、私も脳無で死体なんですけど」

 

「千代ちゃんは可愛いし、死体っぽくないから」

 

「現金!」

 

 千代ちゃんと呼ばれる明石製脳無0号は【アイドル】の個性を与えられて脳ミソ丸出しの姿から可愛らしい茶髪のデカリボンとマントを着けた少女に生まれ変わっていた

 

「生前の記憶に引っ張られてかキノコが無性に食べたくなりますなぁ」

 

 よくキノコを食べているのであだ名はパラセクトとかキノ子言われているが普通にこちらの生活に馴染んでいた

 

 千代でわかったが半死体である脳無だった個体なのでエピソード記憶は欠落しているが、他の知識は覚えている事が判明した

 

 いや、それも欠落していたら脳無としての指令ができないというのもあるかもしれないが

 

「感情や知性がある脳無はハイエンドと呼ばれるのであれば私もハイエンドなのでは?」

 

「いや、性能白脳無だし、千代お前黒霧と戦って勝てるの?」

 

「無理ですね。はい」

 

「まぁでも千代ちゃんは黒霧みたいに成長しないってことではなく普通に成長できるから鍛えればハイエンド並みになれるのでは?」

 

「おお! それは俄然やる気出てきましたよ!」

 

「まぁ千代ちゃん学校行くわけでも無いし、殻木先生に今度見せて許可取れたら殻木先生の下で学ぼうか」

 

「はーい!」

 

 

 

 

 

 

 

「ということで脳無美少女にしました」

 

「いや、なにやってるの?」

 

「桜千代です! よろしくお願いします先生」

 

「いやいやいやいや」

 

 殻木先生の想定外だったらしく激しく動揺していたが、経緯を説明すると落ち着きを取り戻した

 

「なるほどのぉ、個性【プロデューサー】か。面白い個性じゃな。新たな個性を付与する個性とは……」

 

「改良しまくった結果っすね。お陰で千代ちゃんは【アイドル】【リボン】【マント】の3つの個性を持っていますよ」

 

「脳無だから複数個性でも平気なのかそれとも【アイドル】と他の個性の相性が良かったのかいまいちよくわかりませんがね」

 

「うーむ、まぁ話はわかった。明石君も結局は雑務をさせられる助手が欲しいという話じゃろ?」

 

「ええ、まぁその認識であっています」

 

「……まぁ良いじゃろう。そうそう。例の母体がそろそろ出産じゃぞ」

 

「あぁ、もうそんな時期でしたね」

 

「『超人』は生まれるかのう?」

 

「生まれた子に個性を複数個ぶちこんでみないとわかりませんがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後、3体の脳死の女どもから赤ん坊が出産された

 

 A1、A2、A3……A1、A2は女の子でA3は男の子

 

 生まれた子供達に【老化】の個性を入れて5歳まで急成長させる

 

【老化】の個性は1つしか無いので1人が5歳まで成長したら抜いて別の子に植え付けるということを繰り返したが、個性の拒絶反応は出なく、移植、抜くを繰り返しても個性因子が傷付くこともなかった

 

 更に各自に5つ程の個性を植え付けても肉体が拒絶反応を起こすことも無かった

 

「なるほどなるほど。殻木先生、俺の理論は正しかったようです。胎児から改良をしまくった影響で個性の許容量が広い……新人類ですよこの子達は」

 

「す、素晴らしい。この子達の細胞を使えば最低でも黒脳無が……ハイエンドをも量産できる」

 

「殻木先生、次は複数個の個性を持った場合引き継がれるかを研究したいと思います」

 

「ああ、明石君、どんどん実験しろ! 君の個性は個性学の分岐点にいる! 繁殖によってマスターピースを作るのだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とは言われたものの、俺にとって別にマスターピースを作るのが夢ではないからなぁ

 

 あくまで殻木先生の夢であって、俺の夢ではないし

 

 俺の夢ってなんだろう? 

 

「……なんだこれ? いつの時代の本だよ……」

 

 殻木先生の研究室に古くさい本が目についた

 

「新人類論……聞いたこと無いな」

 

 個性発現前に書かれた書物であり、進化論に独自解釈を加えた論文であった

 

 ・人類は世代を重ねることで着実に適性進化を続けていく

 

 ・特異点が起こった場合新人類に定着するのに約400年かかるだろう

 

 ・新人類が現れた場合旧人類は生存競争をするか適合するかのどちらかである

 

 ・新人類は人の手により作られるであろう

 

 調べてみると個性が発現したことによりこの作者は持論を撤回しているが更に興味深い理論があった

 

 ・デザイナーズベイビーは遺伝子を操作したことで子供に同じような力が受け継がれない場合が高い

 

 ・次世代に受け継がれるべきなのは新人類を等しく繋げる生殖能力である

 

 色々読んでいくと新人類論が俺が作ったAシリーズに当てはまる

 

 Aシリーズは実験で作ったが更に世代を進めればどうなるのか……気になってしまった

 

「個性【老化】を使い成人年齢にしてAシリーズで配合することで個性を安定化させる……極度の近親交配になるが虚弱体質とかなら改良で治せるからやってみるか」

 

 殻木先生に確認を取り、俺は新人類に興味を持って研究を続けることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 寮の食卓で全員が机を囲んで食事を取る

 

「なぁ将来こんなことしてみたいとかあるか?」

 

「急にどうしたんすか? 改善さん」

 

「いやなぁ提督、将来俺達ヴィランとして生きていかなきゃならんわけよ。前科持ちだし、光の下で歩めるとは思ってないんだがよ。個性の研究は楽しいけどそれだけで良いのかと思ってさ」

 

「ヴィランの先輩方とかは大泥棒とか思想犯とか裏社会を支配人とか野望を持って行動している方が凄い大物になるじゃん。このままだと小者のヴィランで終わりそうだなぁって思って」

 

「良いんじゃない小者で」

 

「良いのかなぁ雅緋ちゃん」

 

「何かしたいって話なら拠点が欲しいっすね……俺らの個性で人はバンバン増やせるからそれを受け入れられる場所が欲しいっすわ」

 

「あー、それなら海の近くとかがいいっぽい!」

 

「田舎でエンジョイライフでも良いんじゃないっすか? 研究施設も田舎に有ればバレないし、黒霧さん使えばいろいろな所に行き来できますし」

 

「いやいや、黒霧はそのうち返却しないと」

 

「おや? どうしてですか? 明石改善」

 

 黒霧が聞いてくる

 

「いや、黒霧はオール・フォー・ワンの部下だろ? 俺らはあくまで業務提携している共犯者でしかないし」

 

「それもそうですね」

 

「まぁ返す頃には綺麗ちゃんが長距離テレポートが使えるようになっていると思うけどね」

 

「あー、でもヒーロー免許は欲しいかも」

 

「私も欲しい」

 

「雅緋ちゃんと綺麗ちゃんはどうして? 医療の勉強しているじゃん」

 

「いや、授業選択でヒーロー目指すカリキュラムがあって3年時に選択できるからせっかくなら取ろうかなって」

 

「あー、それなら取った方が良いんじゃないか?」

 

「まぁヴィランと繋がりがあるヒーローになるのか?」

 

「悪いヒーローやな」

 

「マジで俺の将来どうしようかなぁ」

 

 明石改善の将来はまだ未定の様だ

 

 悩みながらも時間は過ぎ去り、文化祭は去年と同じく改良屋を開催し、無事終えることができたのだった

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