入学から数日
アメさんとは連絡を取っているが、ヒーロー科から除籍されても元気に振る舞っているらしい
アメさんは僕らヒーロー科が受けるヒーロー基礎学を放課後居残りで勉強しているらしく僕らが17時に下校するのに対して20時近くまで残っているんだとか
彼氏として付き合うべきじゃないかと思い、手伝うことを相談したが
「出久君は出久君で大変でしょ? だから私は大丈夫。というか体育祭で御披露目するから楽しみに待っててね。あ、今度の休日はデートしようか! 入学祝いとして」
みたいにやんわり一緒に特訓は断られてしまった
ヒーロー科としては戦闘訓練が行われ、2対2でヴィラン対ヒーロー役に別れてダミーの核爆弾をヒーローがタッチするか双方捕縛ようのテープで捕まえること
制限時間いっぱいまでヴィランが核爆弾を守れば勝ちという訓練で、僕は麗日さんとペアを組み、ヴィラン役はかっちゃんこと爆豪と飯田君だった
かっちゃんが私怨丸出しで僕に攻撃してきたので、麗日さんを先に行かせて制御できるワン・フォー・オールの20%の力で迎撃し、かっちゃんは爆発による空中移動を、僕は室内戦闘ということで壁をうまく使いながら壁ジャンプからのカウンターを狙う
ただかっちゃんの癖を知り尽くしている僕は、かっちゃんが大技を繰り出す際に右手の大振りになった瞬間に懐に潜り込み背負い投げで地面に叩きつけ、そのまま捕縛テープを巻いて勝負を決めた
その後麗日さんと合流して2対1で飯田君と対峙し、かずの有利と麗日さんの個性【無重力】で僕を浮かせてもらい、壁を蹴ることで3次元的動きで飯田君を翻弄して核爆弾をタッチして訓練を終えたりもした
後は委員長決めで飯田君が委員長、僕が副委員長となった日にマスコミが敷地内に入って揉めたりもしたっけ
そんなこんなで次のヒーロー基礎学はレスキュー訓練
バスに乗り込んで移動を開始した
「なぁ緑谷、結局のところ地母とはどういう関係なんだ?」
「あ! 私も聞きたい! 聞きたい!」
切島君と芦戸さんが僕に聞いてきた
「アメさんは中学の頃に出会って、僕に初めてヒーローになれるって言ってくれた人なんだ。僕個性が出てきたのだ中3だったから」
「それでそれで!」
「当時無個性でもヒーローになれるって僕を鍛えてくれたんだ。アメさんは皆知らないと思うけど僕やかっちゃんより運動も勉強も上で……3年間テストは全てで満点だったし、個性を使わなくても体力テストは大人顔負けの成績だったからね」
「あん、デク! 俺は負けてねぇ!」
「でもかっちゃん1度もアメさんにテストの順位追い付けなかったじゃんか」
「……くそが」
「ケロケロ、でも緑谷ちゃんも十分に凄いわ! 増強系のパワータイプなのに戦闘訓練で見せた小技を駆使して戦うのは立派よ」
「オールマイトに似てるよな……」
「でもオールマイトは拳1つで天候を変えられるけど緑谷はそこまでじゃねーし」
「派手といえば爆豪と轟だよな」
そう上鳴君が言う
かっちゃんの個性【爆発】は確かに戦闘向きで派手さもあり、言葉使いさえ直せば人気が出ると思う
ただ梅雨ちゃんが
「でも爆豪ちゃんはキレてばかりで人気出なそう」
と言うようにキレる性格は問題だろう
そして轟君は【半冷半燃】一瞬でビル1棟を戦闘訓練では凍らせるし、彼の父親のエンデヴァーみたく炎を射出することで空中移動も出きるのだが
「俺より兄さんの方が凄いよ。俺は空中移動は苦手だが、親父や兄さんは炎を足から射出することで空を飛べる。俺は半分だから片足ケンケンみたいになって滑空はできても空中の高速移動は苦手だからな」
とのこと
僕からすると炎も氷も操れる彼の個性は汎用性の塊に見えた
しかもどちらも高水準で操れる
「炎は兄貴に教わった。兄貴は炎の扱いは親父を超えている」
「蒼き炎を操るエンデヴァーの後継者のヒーローブルーフレイム! 確かエンデヴァー事務所のサイドキックをしているんだよね!」
「よく知ってるな緑谷」
「ヒーロー名鑑に載っているし……前に雄英体育祭とかで大活躍していたしね!」
「家だと超がつくファザコンダメ兄貴だがな」
「ふぁ、ファザコンなんだ」
「親父はオールマイトを超えてほしいのに兄貴は親父を目標にしてるからな。俺的には親父の期待が分散してくれてありがたかったがな」
「そ、そうなんだ」
「そろそろ着くぞお前ら」
相澤先生に話を断ち切られ、僕らはレスキュー訓練を行う会場に到着したのだった
~ヴィランサイド~
廃工場に集められたチンピラ総勢75名に死柄木から作戦が説明される
「良いかお前らよく聞け……今日この日を持って平和の象徴オールマイトの時代を終わらせる。事前に入手した雄英のカリキュラムによると校舎から離れた会場にて災害救助の訓練が行われる。そこにヒーロー3名が教鞭をとることになっている。その1人がオールマイトと判明した。その施設は火災エリアや水難エリアみたいに個性によって有利になる場所が配置されている」
「お前らの自己申告だが個性に会った会場に黒霧がまず飛ばす。黒霧がタイミングを見計らい各エリアに生徒やヒーローを飛ばすからお前ら囲んで殺せ」
「俺がピックアップした20名は中央エントランスだ。オールマイトとこの脳無が戦うのに邪魔が入らないようにする役目だ。わかったな」
「「「「おおぉ!!」」」」
死柄木の演説が終わり、準備に入る
「さてと仕事をしましょうかね……ナチチ」
「私も頑張りますか」
「何人残るかな?」
「可能性を感じる人は3人かな?」
「ナチチ、そんなに居た?」
「ええ、チンピラですが上手く育てれば面白いかと」
「まぁ今回の作戦の成功率は良くて2割ってところかな?」
「それまたどうしてですが? ドイさん……いやヴィラン名だとレーベンスボルンでしたね」
「まぁレーベンで良いよ。生命の泉……良いヴィラン名だとは思わない?」
「ドイさんは産み出す個性ですからね。確かにピッタリのヴィラン名です」
「さて、じゃあ殺ろうか」
「生還第一に動きますね」
スペースヒーロー13号先生が災害救助の会場……嘘の災害や事故ルーム、略してUSJの説明と小言を幾つか言われ、さぁ訓練開始という時に事件は起きた
「一塊になって動くな」
相澤先生が怒号を発する
その瞬間黒い煙からわらわらとヴィランが侵入してきた
「おやおや? 13号にイレイザーヘッドしか居りませんね? 先日頂いたカリキュラムではオールマイトもここに居るはずですが?」
黒い煙の男が喋りだす
「どこだよ。せっかくこんな大衆引き連れて来たのに、肝心のオールマイトが居ねーのかよ」
「ナチチ、あらあら? 最初から作戦失敗ですかね」
「なら作戦を変える必要がありますね弔君」
全身に手を装着した男、赤い逆卍のフェイスカバーを着用した女、黒いマスクを着用した女が順に喋る
「なら、子供をいくらか殺せば来るのかな?」
ニチャァと手のヴィランが答えた
「ヴィラン馬鹿だろ! ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるだろ!」
切島君が言うか轟君が返答する
「侵入者用のセンサーが反応しないってことは向こうにジャミングできる個性の奴が居るってことだよな。校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間割、馬鹿だがアホじゃねえ。何らかの目手があって用意周到に画策された奇襲だ」
相澤先生が全員に指示を出す
13号先生が避難誘導をして僕達生徒は逃げ、相澤先生はヴィランの集団に突っ込んでいった
相澤先生の個性は【抹消】……個性を一時的に消す個性で異形型以外は消せる
その個性を使って大立ち回りを行っていた
「凄い! 布を使って相手を絡めたり投げ飛ばしたりしてる!」
「相澤先生カッケー」
「緑谷君! 上鳴君早く避難を!」
飯田君がそう言った瞬間に目の前に黒い霧の男が立ち塞がった
「させませんよ」
「初めまして皆さん。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度はヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは……」
「平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして……」
喋っている途中に切島君とかっちゃんが飛び出して黒い煙の男に攻撃を加えた
「その前に俺達に殺られることは考えてなかったのか!?」
「危ない危ない。そう……生徒とはいえど優秀なヒーローの金の卵」
「ダメだ退きなさい2人とも!」
13号先生が叫ぶが遅かった
「散らしてなぶり殺す」
煙にまかれて各自飛ばされてしまった
「はぁ、やっぱり有象無象じゃヒーローには太刀打ちできないかな? ……よっと」
私地母ドイことレーベンスボルンがイレイザーヘッド(相澤先生)の前に立ち塞がる
「ち、厄介そうなのが出てきたな」
「ナチチ、初めましてイレイザーヘッド、私の名前はレーベンスボルン。略してレーベンで良いよ」
名乗っている途中に捕縛布で攻撃してくるがそれを持ち前の動体視力で掴み、引っ張る
「く、馬鹿力め」
イレイザーヘッドは個性を消してくるが、私の力は弱まらない
だって素の力だもの
「馬鹿力が個性ではないのか」
布を緩めて引っ張られるのを解く
私はそのまま布を引っ張り相手の武器を奪う
「なるほど布槍術の一種ねぇこうかな?」
私は見よう見まねで布を飛ばすとイレイザーヘッドの腕に巻き付いた
「学習だと」
「地頭が良いものでね」
そのまま力いっぱいに投げ飛ばしたり、地面に叩きつける
「かはっ!?」
「どうしたイレイザーヘッド、私は個性をまだ使っていないぞ」
布を離し、地面に倒れるイレイザーヘッドに私は近接攻撃を仕掛ける
イレイザーヘッドはギリギリで回避したが、今までイレイザーヘッドが転がっていた地面にはコンクリートが砕けて小さなクレーターができていた
「逃げるなよイレイザー」
相澤と地母ドイが戦っているなか、飯田が施設から脱出するミスを黒霧が犯していた
「申し訳ありません死柄木弔」
「はぁ? マジか黒霧お前……お前の個性が【ワープゲート】じゃなかったら粉々にしていたよ」
「どうする? 弔君」
「マキマ、お前はガキを1人でも殺してこい」
「わかりました」
トントンとジャンプをした後、マキマは階段を登り生徒の方に向かう
「生徒へ危害は加えさせません!」
13号が守る中マキマはゆっくりと近づいていき、黒霧に飛ばしそこねた生徒と13号が戦闘態勢に入る
「私は弱いのでね。安全に戦わせてもらいますよ」
マキマの背中から黒い鞭みたいな毒々しい色の蔓が生える
「悪魔のしっぽですよ」
ブンブンと振り回して攻撃を仕掛けるが13号の【ブラックホール】により届く前に塵にされてしまう
「まぁでしょうね」
そう言いマキマは槍を生やして空に投げた
「どこに投げてるんだ!」
砂藤が馬鹿にしたように言う
「これで良いのですよ」
そしてマキマが手のひらを合わせて押し込みながら擦るような動きをすると13号の服が破けた
「なに!?」
「あー、やっぱり遠距離だと座標がズレる。すり潰しが上手くいかないなぁ……まぁ良いけど」
ズン
13号の左肩に先ほど投げていた槍が突き刺さる
「ぐわぁぁぁぁ!!」
「「「13号先生!」」」
「デーモンスピア……追尾機能の付いた個性で生やした槍です。さて、じゃあ契約です。『私は13号に与えた槍のダメージを消す代わりに13号は10分間私に危害を加える事ができない』」
「なにを!?」
「答えたね。『契約は成立した』」
「痛みが消えた?」
「13号先生! 肩の傷が消えてる!」
「あのヴィランが何かしたんだ!」
「下がってください皆さん」
マキマは1歩1歩さらに近づく
「13号は無力化した。さて、次は生徒を殺そうか」
「くっ! ……!? 個性が使えない!!」
「13号、私とあなたは契約をしたんだ。10分間は私に危害を加えることはできない。悪魔の契約だよ……さて、十分に近づいた。じゃそこの君から死のうか」
マキマは障子を指差し、再び手のひらをこすり合わせる動きをする
「させるかよ!!」
瀬呂がテープでマキマをぐるぐるまきにして砂藤が顔面を思いっきり殴る
ベゴと地面に顔が陥没する
「やった……やったぞ! ヴィランを倒した」
「砂藤ナイス」
「瀬呂ナイスアシスト!」
喜んでいたのもつかの間
芦戸が頭から殴られた様な勢いで吹き飛び、血を出して倒れた
「芦戸!?」
「何が」
「『そこの男(障子)の攻撃を無効化する代わりに私の攻撃をそこの女(芦戸)に肩代わりさせる』。あーあ、君達は大切な仲間を殴ったことになるねぇ」
マキマはブチブチとテープ引きちぎる
「さて、私を攻略できるかな? ん?」
その瞬間マキマは吹き飛ばされエントランスまで戻された
「もう大丈夫! 私が来た」
オールマイト登場で第二ラウンドが始まる
ごめんね相澤先生