感想も頂けて非常に嬉しいです。ありがとうございます。
これからもエタらないように頑張ります。
「もー!慰めてよー!」
「……人の事搾り取っておいて、一言目がそれか」
脱ぎ捨てられた服が散らばる部屋の中央の床で、押し倒した男の上で泣き叫ぶ女に対して、冷たい返事をする押し倒された男。
「彼女が悲しんでるのに、その目線はなんだー!」
「悲しんでる彼女は、いきなり無音で部屋に侵入して、背後から彼氏を襲ったりはしない」
「えー?さかまた、掃除屋だからしょーがないよね」
てへっ、とわざとらしく笑って誤魔化す彼女は、ホロライブ所属のシャチの獣人『沙花叉クロヱ』である。非常に可愛らしいその見た目や、それを理解したぶりっ子のような言動に興奮を覚えるリスナー(飼育員)も多い。本人もやたらと煽る言動が多いため、時折やり返されては怒ったりもするのだが、それも一種のファンサービスなのだろう。
「今日の放送で飼育員君達にボッコボコにされて、コメントで煽られたんだよ?何か言うこと無いの!?」
「ちゃんと観てたけど、あれは明らかに最初手加減してくれてた人を煽ったクロヱが悪いだろう」
「そんなんさー!さかまたが煽るなんていつもの事じゃん!なのに、その後7連敗って!」
「それを言うなら、その後お返しされるのもいつも通りじゃないか」
「そんなのテンプレにした覚えなーい!!」
「身体を揺するな、僕を下敷きにしてるのを忘れたのか」
クロヱの叫びに冷静に返す彼は、元々は彼女の古くからの友人である。本人達曰く腐れ縁とのことだが、彼がクロヱの世話をずっと焼いてるうちにいつの間にか付き合い始めたので、同期達からは熟年夫婦のように見られている。
「なんだかんだ反応してるくせにー。うりうり」
「自分がどれほど魅力的なのか、知っててそういうのはずるいと思うぞ?」
「あんっ、そっちで返事しなくてもいいのに」
実際、クロヱは同期の中でもかなり豊満な体型をしている。加えて本人もそれを分かってアピールに使っている節もあり、配信でもライン際を越えたり越えなかったりすることもしばしば。ホロの新たなセンシティブ枠として数えられたりもしている。
「なんだかんだ素直なんだよなーもう」
「そういうクロヱも、直ぐに反応するところは素直だと思うぞ?ほら」
「きゃっ!?ちょ、ちょっと、いきなり動くの反則……っ」
彼が彼女の腰をつかんで突き上げると、声も出なくなり俯いて身体を震わせるクロヱ。
「……全く。どういう流れであれ、慰めてほしいならそう言えといつも言ってるのに」
「ふぅ……。だぁーって、素直ってなんか恥ずかしいじゃん」
「今さらだろう。今日だって『どうせこの後、腐れ縁(建前)に当たるんやろなあ』ってコメントに書かれてたじゃないか」
「なんで、バレてんだ!?というか、(建前)ってなんだよ!」
「前に自分で僕の事ばらした上に、あれはどう聞いても惚気でしかなかったろう」
飼育員達からは『飼い主』とも言われて、しっかり認知されている。クロヱが割と何でも話題にあげる上に、彼も言っていたように端から聞けば文句という名の惚気にしか聞こえないため、飼育員達からは『ハイハイ、爆ぜろ 』と言われるのがテンプレである。
それと同時に、裏では彼に対して『なんだかんだ大変そうだからがんばれ』と生暖かい声援が送られていたりもするが、それは二人とも知らない話である。
「とにかく!彼氏なんだから、もっと彼女を労っても良いと思うんだけど!」
「……なら、何が望みなんだ?」
「え?」
またしても身体を揺すって駄々をこねるクロヱに対して、彼が聞いた。
「毎回配信で何かある度に、搾り取られていたら僕も大変だ。したいことがあるなら聞こうじゃないか」
「……えーっと?」
クロヱは考え始めた。
「水族館にいきたい!」
「毎月のように何処かしら連れていかれているな」
「……服買いたい!」
「買いはするが、同じものばかりでほとんど着てないじゃないか。コスプレみたいなものはたまに見れて眼福物だが」
「…………美味しいもの食べに行こ?」
「それも毎週のように行ってるな、というか今日はもう食べに行っただろう」
「………………えーっと?」
クロヱが固まったことに彼はため息をついた。
「なんだかんだ言いつつ、大体の願いは叶えているじゃないか」
「……そうみたい」
「なら、これ以上僕にどうしろと言うんだ」
「……うーん」
なおも考え込んだクロヱは、やがて顔をあげると、
「……ずっと、味方でいて?」
「それは昔から変わってないな」
上目遣いで甘えてみたが、彼は一言で切り捨てた。
「なーんでよ!もっと優しくしてよー!」
「そもそも、なんで毎回押し倒して、一通り搾ってから言うんだ。いくら君の同僚の薬があるからといって、毎回限界までしていたら、そりゃ流石に思うところはあるぞ」
「……それはそう」
クロヱも分かっててやっていた節はあるので、彼の言葉に素直に頷いた。
「……ごめんなさい」
「はじめから、それを言え」
しおらしく頭を下げたクロヱをコツンと小突いて、彼はそのまま彼女の頭を撫でた。
「……手、温かい」
「そりゃどうも」
そのまま目を閉じて頭を撫でられていたクロヱだったが、しばらくすると顔を赤らめて腰がモジモジと動き出した。
「……なんで動き始めた?」
「だって、ずっと入れてたし。リラックスしちゃったら、思い出しちゃって急に欲しくなっちゃったんだもん」
「さっきもあれだけしたんだが?」
クロヱは彼の言葉に返事をせず、彼の手を取るとそのまま自分の胸に宛がった。
「さっき、突き上げられたの、気持ち良かったから」
「だから?」
「もっかい、して?」
彼はため息をついたが、そのまま当てられた手を動かしたことで、クロヱの息が荒くなり始めた。
「苛められたくなったのか」
「……うん」
「一通り調子に乗ってから、しおらしくなるのはいつもの事だけど……」
彼は一気に身体を起こすと、そのまま彼女を抱きしめつつ、上下を反転させた。
「わっ!?」
「苛めてほしいなら、それなりの体勢があるんじゃないの?」
「……してくれるの?」
先程とは違い、素で上目遣いをしてくるクロヱは本当に男心を擽るのが上手い。それは、長年の付き合いである彼でも効くくらいである。
「それで元気が出るならね」
「……うんっ!」
彼女は彼の下でモゾモゾと動くと、お尻を突き上げて四つん這いの体勢になった。
「はいっ!」
「もうちょっと抵抗とかないのか」
「君に苛められるの好きだもん」
そのまま形の良いお尻を彼に押し付けた。
「ほーら、早くして?わるーいシャチの飼い主さん?」
「……はいはい」
直ぐに調子を取り戻して、こちらを煽るように見上げるクロヱに苦笑を返すと、都合何度目かもう分からない営みを再開するのだった。
ちなみに、この一連の流れは彼女がデビューしてから既に数えきれない程行われており、クロヱが自覚しているかは分からないが、彼自身分かってはいる。けれども、なんだかんだ許してしまっているのは、素直に求められないクロヱを可愛いと思ってしまってる惚れた弱みなのだろう。
もっというと、配信の度にほぼこうなっている都合上、恐らく2~3日おきに営んでいる上にお互い飽きることなく励むので、ホロメンの中でも屈指の、同僚であるコヨーテのお得意様である。
※12/5追記
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