※この作品はR-18です。

アイドル達の羽休め   作:rideru

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初創作です。
気に入っていただけたら幸いです。


本編
歌姫の原石の場合


薄ぼんやりとした灯りの点る部屋で、軋む音が静かに響くベッドの上に揺れる人影が2つ。

横たわる男の上に跨がり、両手を繋いで青い髪を振り乱しながら均整のとれた痩身を上下に揺らす女。

時折漏れる声には紛れもない悦びが含まれており、2人の関係を如実に表していた。

不意に一筋の甲高い声が響くと背を仰け反らせた女の動きが止まり、遅れて男が身を震わせると声のトーンが更に上がった。

そして、しばらくした後に女がゆっくりと身体を倒し、男へもたれ掛かった。

男はその身体を抱き締めて、2人はそのまま静かに唇を重ねてお互いの体温を感じるように動きを止めた。

 

「よかったの?」

「何が?」

 

数分の後、ベッド横の冷蔵庫からペットボトルの水を出して飲みながら女から切り出された会話に男は首を傾げた。

 

「仕事、忙しいって言ってたのに無理させたんじゃないかって」

「すいちゃん程じゃないよ」

「あたしはいいの、忙しいっていってもスケジュール組みやすいし」

 

今をときめくアイドル、星街すいせいといえば日本のみならず、世界にその名を知られた存在だ。

その圧倒的歌唱力に、見るものを魅了させる容姿が伴い、ホロライブを代表する歌姫へと成長した。

そして、今この部屋にいる女こそがすいせい本人であり、そんな女に心配されている男は、幼馴染であり彼女が唯一心休まる存在であった。まどろっこしいことを抜きにすると、彼氏である。

子供の頃から仲の良かった二人。他の男子へむける気持ちとは違うその感情に、子供ながらにませていたすいせいはそれが男への恋心だと早々に気づいていたが、男の側はそんなことに気づくこともなく、友達として接し続けていた。

やがて彼女が才能を見出だされてアイドルとしてデビューする際に、自分の存在がすいせいの足を引っ張ってはならないと黙って引っ越しをした男。しかし、それが育み続けた彼女の恋心に火をつけた。

日々の活動と平行して密やかに人を雇い、少ない手がかりをもとに彼を見つけて専属のマネージャーとしてつけることに成功。それと同時に配信の雑談の最中で自分の幼馴染のことを話すことで彼の存在を自らのリスナー(星詠み)に周知させた。

実際、彼の事を話すすいせいについて、ビジネス相方の巫女曰く、

「目は蕩けてるのに表情がマジすぎて、逆にこえぇよ」

「あれはガチ、むしろ幼馴染君もよく逃げれたにぇ」

と語っており、星詠み達も

「早く捕まれよ、幸せ野郎」

と認めざるを得ない程だった。

そして、すいせい初の国内ライブツアーの最後にマネージャーとして同行していた彼を突然登場させ、万人が見守る中で盛大に告白。目を見開いた彼が黙って頷いてそれを受け入れ、万雷の拍手と歓声の中で彼女が彼に飛び付いて抱きつきながらツアーが終わるという、後のすいせい伝説の1つとして語られる恋の成就だった。

 

「いつ聞いても嘘みたいだよね」

「何もいわずに消えた君が悪いんだもん 」

 

点けたテレビから流れるそのニュースを見ながら、二人でベッドに戻り彼の腕の中で 丸くなるすいせい。お互い一糸纏わぬ姿であるが、むしろそれが良いといわんばかりにくっつく彼女を彼も拒むことはない。

ちなみに、ここは彼の住むアパートの一室。といってもここに入居するように手配したのはすいせいであり、当時は各部屋の配信者もびっくりの防音性に驚いたものだったが、後にこのような関係になったときに彼女が笑いながらそれを告げた時には、彼も苦笑いするしかなかった。

しかも、他のアパートの入居者も自分の同僚たるホロメンのマネージャーやら仕事相手ばかりと聞いて、完璧な体制過ぎて呆れることも出来なかったという。

 

「明日の予定は?」

「すいちゃんは夜から配信、僕は昼から会社で打ち合わせと、そのまま夜の配信の見守りかな」

「ってことは、朝まで一緒にいられるね」

 

既に把握してある予定をわざわざ確認して、嬉しそうに男の胸に顔を埋めるすいせい。彼もそれを知りながら何もいわずに乗ってあげているし、しっかり抱え直しているところを見ると、まさにお似合いの二人と言えた。

「たしか、みこちも今日は水入らずだよね?」

「日程表に『私用!』ってでかでかと書いてあったからそうだと思うよ」

「ここまでバレバレなのもなかなかないよね」

 

苦笑してるすいせいだが、そんな彼女も公開スケジュールに『泊まりのお出掛け♥️』と書いているので、ホロメン含む社内の人間にはバレている事を彼女はまだ知らないし、それがまさに名を挙げた彼女にネタにされて盛り上がってることなんて知る由もない。

 

「暖かい」

「そうだね」

 

すいせいはとにかく彼にくっついていたがる。一度遠くに離れてしまったこともあってか、暇さえあれば手を繋ぎ、足を絡め、人目がなければ抱き付くことも厭わない。

なんなら、彼がオンラインの会議中に足元に潜り込む事も一度や二度ではない程だ。何があったかは想像にお任せするが、その後も含めて非常に濃密な時間が流れたとだけ伝えておく。

 

そして、もう1つ。彼しか知らない秘密がある。

 

「……」

 

一度営みを終えた後はそのまま眠ることが多いすいせいが、話ながら抱き付いてきた時は。

 

「……次は僕の番?」

 

それは、彼女の中の情欲の炎がまだ消えていないという事。

 

「……うん」

 

彼の囁きに顔を赤くして頷いた彼女がそっと横たわると、彼はゆっくりと覆い被さった。

彼女も彼を迎えるように抱き締める。

そして、しばらくするとまたベッドの軋む音と悦びの声が部屋に響き始めるのだった。

なお、今回は空の色が変わり始める頃にようやく終戦を迎え、夜の配信に映った彼女と、ついでにコラボ相手だった巫女の肌がこれまで以上に艶かしく見えたと話題になった。

EN、ID勢を読んでみたいですか?(英語、インドネシア語は明るくないので、どうしても日本語になります。仮に書くとしてもホロメンが全て揃うとは限りません)

  • JPだけでいい
  • ENも読みたい
  • IDも読みたい
  • 両方読みたい
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