『天音かなた』は天使である。
可愛らしい見た目とは裏腹な剛力を持っていることで有名だが、天使である。ロングトーンに定評があり、ライブの際にはそのあまりの長さに驚く視聴者も多い。
そんな彼女だが、1つ大きなコンプレックスがある。それが……。
「ねえ、何とかしてぺぇ大きくならないかな?」
「は?それ、トワに聞く?」
「草生えるのら」
事務所の休憩スペースにて、嘆くかなたに対して白けた目を向ける同期の悪魔と姫。もう一人の羊は現在お手洗いに行っており不在。
「だーって!掃除してて見つけたあいつの持ってた本のヒロイン、ぺぇがでかいのばっかりだもん!僕への当て付けか?!」
「えー……」
「wwwwww」
かなたの言葉に更に興味をなくすトワと爆笑するルーナ。
「笑い事じゃねえ!」
「そんなん言うんだったらさ、前に公式で背中と間違えられたトワに対してなにか言うことは?」
「それはしゃーない」
「んだとコラ」
「持たざるものは大変なのらねぇ」
キレるトワとヒートアップするかなたに対して余裕のあるルーナ。
「くっ……、何気に良いもの持ってるルーナめ」
「おーっほっほっほ。ルーナはあの人にも愛されてるから、どんどん成長するのら~」
「お待たせ~、ん?何の話?」
高笑いするルーナの背後から現れたわために、同じ質問をするかなた。
「えー?しょうがないなあ。このないすぼでーな羊の秘密、教えてあげようか?」
「……わための場合はぺぇより顔が膨らみそう」
「おん?なんだぁ?やるかぁ?」
ぼそっと呟いたトワに反応して拳を握るわため。
「でも、実際天音ちゃは揉まれてないの?」
「揉むほどないんだよ……」
ルーナの純粋な質問にノックアウトされたかなたはorzの体勢をとった。
「トワは少し大きくなったのに」
「ルーナと一緒で揉まれてるからじゃね?彼の場合、身体のメンテナンスが上手すぎるからってのもあるかも」
「わためもあの人によく揉まれてるかなあ。形良くしよって意識すること増えたし」
トワとわためも同じような返答。
「くっ……」
「まあ、諦めたら?」
「諦めたら試合終了なんだよ!」
「そもそも始まる前から不戦敗なのら」
ますます落ち込むかなた。
「別に、彼氏はかなたのぺぇに文句言ってたわけじゃないんでしょ?」
「そりゃあそうだけどさあ!じゃあなんであんな本ばっかり持ってんだって話じゃん!」
「聞いてみればいいのら。隠してた訳じゃないってことは、何かしら理由があるんじゃないの?」
「……たしかに」
なんとか立ち直ったかなたを見て、すこしホッとした面々。とりあえず、その後も色々出来そうなことを列挙して、かなたが少しでも成長出来ることを願った。
「あぁ、あれ?友達が持ってるコレクションの隠し場だよ?」
「は?」
仕事が終わり、そのまま彼の家に向かって直接問い質した所、返ってきた言葉には目を丸くしたかなた。
「親が来るらしく、見せられないからってうちに放り込んできたもんだから、とりあえず置き場所なくて机に置いておいたやつだろ。別に僕のじゃないよ」
「……はー?」
やり場のない気持ちにため息を付くしかない。
「てっきり、僕への当て付けかと」
「そんなわけないだろ……。まあ、一言言っておけば良かったか」
項垂れるかなたの頭を撫でる彼。
「実際どうなのさ。あんたもぺぇデカい方が良いんじゃないの?」
「んー、そんなに気にしたことないけどな。まあ、デカいの見たら視線が引っ張られるのは否定せんが」
「おい」
「そりゃしょうがないだろ。男なんだし。かなたも、びっくりするほどのイケメンとかいたら、思わず見たりしない?」
「あー、そりゃそうか」
納得してうなずく。
「だからって、別に大きいのが好きとかそういうんじゃない。実際、僕はかなたが一番好きだし」
「い、いきなりサラッと言うな!恥ずいわ!」
そっと抱き抱えてかなたに告げると、慌てたように暴れるかなた。
「はいはい、暴れるな暴れるな」
「くっ……、なんで落ち着くんだ……」
彼の温かさに落ち着いてしまうかなたは、何故か悔しそうに言ったが、やがて楽な体勢に座り直すとむしろ寄りかかるようになった。
「でもさ、今日同期のやつらも言ってたけど、皆多少なりとも成長してるって」
「天使ってそもそも成長するの?」
「んー、どうなんだろ。でも、ぺぇだけでなくとも色々な大小はあるよ?」
「それは元々なんじゃない?」
悪魔は欲を集めるために、元々身体を変化させる機能があるが、天使はある意味完成された生物の一種と言われている。それ故に成長が必要なのかと言われたら、微妙である。未だに解明されていない。
「でも、諦めきれん……!」
「まあ、美に対する追求って皆してるし、アイドルならなおさらか」
燃えているかなたを見て納得する彼。
「でも、どいつもこいつも揉まれたしか言わねえ!揉むほどあったら苦労しないっての!」
「あー……」
「納得するなぁ!」
叫ぶかなた。
「……なら、今日はそういうつもりでする?」
「どういうこと?」
彼の言葉に首を傾げる。
「あんまり弄るのもあれかなって思って、普段するときは胸そこまで触ってないでしょ?」
「……たしかに」
少し思い返してみて、心当たりがあった。
「でも、実際ホルモンやらなんやらで揉むことには一定の効果があるのは本当だからね。かなたが嫌じゃないなら、頑張ってみる?」
「……あんたがしてくれるなら、僕は別に嫌なんて言わないけど」
振り替えってキスをねだると、顔を赤くして否定しないかなた。元々彼の家に来て、しないことなんてあり得ない。
「ん、ならやってみるか」
「……うん」
彼がそっと服の上から手を置いて、胸元を触る。
「……どう?」
「くすぐったい」
「まあ、服あるしね。とりあえずマッサージを兼ねてみるよ」
しばらくそのまま擦ったり、胸回りを少し揉んだり、色々試していると、かなたの様子が変わった。
「なんか、少しムズムズする」
「どんな感じ?」
「じれったい感じがする。直がいい、かも」
「分かった」
かなたが両腕をあげたので、来ていたシャツを脱がせると、白い肌と薄手の下着が見えた。
「これも取る?」
「ん」
そのまま頷くので、下着をそっと外す。
「……うぅ」
「そんな恥ずかしがらなくても。綺麗だよ?」
「ありがと」
顔を俯けるかなた。
「なら、続きだね」
「……ぁ」
彼の手が直接触れると、かなたの口から声が少し漏れた。
「……声、出して?我慢しない方がいいよ」
「……(コクコク」
頷くかなたを見て、手を少し大きく動かすと、かなたの身体に震えが走った。
「……ヒゥ」
「……」
時折、白い首筋にキスをしつつ胸を愛撫する。
「……」
腰をもじつかせるかなたを見て、彼が器用にズボンを下ろすと、かなたの目が見開かれた。
「それ……」
「そりゃあ、こんなにかなたが喘いでたら、こうもなるよ」
彼の手が自身の下に伸びても、かなたは止めなかった。そのまま両手で上下を弄られると、今度は我慢するまでもなく、甲高い声が出た。
「……する?」
「……うん。でも、その……」
彼の求めに応じて下を脱ぎつつも、少し言い澱む彼女。
「ん?」
「胸、もっとして。たくさん……」
「……わかった」
彼の返事に頬を緩ませると、かなたはそっと彼の上に座り直して彼を受け入れ、走る甘い快感に身を委ねるのだった。
この世界でも彼女が成長するかは未定です。