いつも通りのご都合設定があります。
「ふふふふふ~……」
「まーた怪しい笑い方してるでござるなあ……」
秘密結社のアジト内、ラボのPCの前で妙な笑い方をしているピンク髪の白衣を着た女性。それを眺めてひきつった顔をする風真いろは。
「いやあ、皆さんがこよりのお薬を使った体験談を送ってくださるお陰で、研究がはかどるはかどるウフフフフ~」
「それは良いでござるが、明らかにテンションおかしいでござる。いくらこよちゃんでも徹夜テンションは危ないでござるよ?」
「そんなこと言っちゃって~、いろはちゃんもなかなか濃い事してる癖に~」
「なあ!?そ、それは……」
呆れたように言ういろはだが、怪しげな笑いそのままに言い返されると、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「もちろん社外秘だから、外部には漏れてないけど~?」
「あ、当たり前でござる!」
ニヤニヤと笑う女性。秘密結社holoxの研究者であるコヨーテの獣人『博衣こより』であった。
「あのお堅いいろはちゃんも、恋する乙女ですなあ」
「べ、別にお堅いって事はないでござるよ。世間知らずだったのは、そうでござるが……」
「あ、こよだけ知ってるのも狡いなら、こよの体験談でも聞く?」
「い、いいでござる!!ぜーったい、かざまなんかよりこう、恥ずかしいことしてるでござる!!」
「えー?何にも言ってないのに、何が恥ずかしいの~?もしかして、ナニか想像しちゃったの~?」
「そそそそ、そんなことないでござる!!」
こういった話題には疎い自覚のあるいろはだが、こよりの追及に目を反らして必死に逃げようとする。
「あれあれ~?顔がさっきより真っ赤だよ~?」
「そ、そんなことより!そろそろ事務所を閉める時間だから片付けるでござるよ!Aちゃんさんが困ってたでござる!」
「あ、ほんと?なら今日はここまでかな~」
いろはの言葉に煽るのを止めてあっさり引き下がると、PCの電源を落として立ち上がるこより。
「全く……。人をからかうのも大概にするでござる」
「いろはちゃんが簡単に顔に出すぎなんです~」
「……あの人に仕込むと勝てなくてやり込められてる癖に(ボソッ」
「あっ!そう言うこというのか~!」
「自分で言ってたでござる!たまには仕返しでござるよー!」
なんだかんだ仲の良い二人であった。
「そんなことがあったんだよ」
「なるほど……?」
夜。こよりが向かったのは自宅ではなく愛しの彼の部屋(アポなし)。彼も彼女が来たことに驚きながらも迎え入れ、作り置きの夕食やらお風呂やらを済ませた後、寝台上の格闘技を2ラウンド終えた後の会話である。
「むふふ~、ますますホロメンのあんなことやこんなことが浮き彫りに……」
「ま、まあやり過ぎないようにね?」
彼に抱きつき、胸に顔を埋めながら怪しい笑いをするこより。
「それにしても、最近は僕で試作品を試すの止めたのかい?完成品は時折貰ってるけども」
「あ、それ聞いちゃいます?」
彼の不思議そうな顔に、少し顔を赤らめるこより。
「ほら、最近って夜のお薬が中心じゃないですか」
「そうだね。利用者が増えてるとは聞いてるよ」
「だから、貴方で試して色々と改良しようとしてたんですけど……」
彼の胸を指先でなぞりながら、何かを思い出すように言う彼女。目の奥にハートマークが浮かんでいるようにも見える。
「貴方、元々あまりにこよと相性良すぎて、強めちゃうとこよが壊れちゃうくらい責め立てるもんだから、薬の記録が取れないんだよ……」
「え!?」
「しかも、見事に記憶飛ばしちゃうから、体験談も聞けないし……」
「うわ、それは駄目だ……」
彼も納得するしかなかった。
「こよのお薬は、相手にも作用するようにしてるので、こよも発情させられちゃうから、相乗効果でとんでもないことになるんだよー」
「それは、元々だよね?こよりの発情期は僕毎日大変なんだから」
彼女の獣部分であるコヨーテの発情期は、冬の間と結構広い期間。実際に行為を行うのに適しているのはその中の2~5日とされているが、元々彼女自身が脳内ピンクと称される程度の色欲持ちなので、冬場は家に籠りがちな点と噛み合って、彼が暇さえあれば搾り取られていることも少なくないのである。
「それはそうだけど~、そんな発情こよを圧倒しちゃうんだから、どれだけヤバいかわかるでしょ?」
「……そうだね」
「だーかーらーね?貴方で試しちゃうとデータを取る前に満足しちゃうから、止めたんです~」
むふふ~と笑いながら彼の胸元をチロリと舐めるこより。どうやら思い出話をしていたら、再度火が点いたようだ。
「ラボで皆さんの体験談読んでたから、少しムラムラしてたんだ~」
「あれ、さっき満足したって」
「そのつもりだったけど、貴方のこと弄ってたらねぇ?」
「止めれば良かったのでは……?」
彼の言うことは尤もだったが、こよりは無視した。
「でもでも、始まっちゃったら、貴方もこよの事いじくり回すでしょ?」
「そうしてって僕の手を誘導する人がいるからね?」
「え~?でも、こよのぺぇとか貴方に散々揉まれたから、サイズ少し上がったんだよ?」
白いハリのあるふくよかな胸を大きく揺らしながら訴えるこより。彼はそれを見て、少し目を逸らした。
「見ても良いのに~。貴方が育てたこよりだよ?」
その反応を見て笑うこより。しかし、そのまま彼の手をそっと自身の胸に被せるように当てさせると、そのまま彼の胸元に吸い付いた。
「ね?まだ出来るよね?」
「……そりゃ、こんなに魅力的な女性が誘ってきたなら、頑張って答えないと、ね」
「えへへ、やったぁ」
彼の答えに嬉しそうに笑みを深めると、こよりは身体を伸ばして優しく彼に口づけた。
「それじゃあ、この後もこよの事、よろしくね?」
「……満足してくれるように頑張るよ」
2人の夜はまだまだ続きそうであった。