※誤字報告ありがとうございます。修正いたしました。
アイドルグループ『ホロライブ』。個人勢が後に集合した形の0期生を除けば大体のデビュー時期が揃えられており、それぞれ○期生としてまとめられているが、明確に塊として揃い始めたのは3期生からである。グループに名前がついているのも3期生からであり、Vtuberが軌道に乗り始め、世間に広まりだしたのを感じたホロライブが、本格的に自グループを意識して方針を固めた時期がここじゃないかと言われている。
さて、アイドルなはずの彼女達だが、その中でなぜかいるセンシティブ枠といえば、1期生は清楚担当、2期生は保険医など各々浮かぶだろう。デビュー直後は分からなかったが後に判明したりなど、まあ色々あるのだろうが、では3期生はどうだろうか。結論からいうと、実は全員それぞれに突き抜けてて、全員センシティブ説もあるが、オリ曲、雑談ネタ、凸待ちの会話、コラボ中の反応、そしてそれらの切り抜き動画で扱われやすい内容等々から、対外的に見ても1人抜けている人がいる。人生経験豊富な自称17歳の海賊船(購入が夢である)船長、『宝鍾マリン』である。
「マリンをもっと辱しめたいとかないんですか!?」
「薮から棒になんですか……?」
休みだからと昼過ぎに起きてきた彼女の開口一番の内容に、彼は首を傾げた。
「この、世界的に有名なアイドルであるマリンを好きに出来る権利が、貴方にはあるのです!ならばこそ、『俺のものだグヘヘ……』みたいな欲望はあってしかるべきだと思うのですよ!」
「はぁ……」
「なのに、貴方と来たらいつもいつもマリンの事を優しく労るように抱くだけで、もっとこう、リピドー迸るものとかないんですか!?」
ちなみに、彼女の現在の格好は下着のみを身につけたものであり、身体中に小さな痣がついているが、つまり昨夜はお楽しみでしたね?ということである。声量はともかく、少し表情が気だるげなのもそれが原因だったりする。
「そうはいっても、マリンさんいつも後半支離滅裂になってて……」
「ゲフンゴフン!……そ、そんなことはいいんだワ!!」
彼の呟きをわざとらしい咳払いで遮るマリン。
「と、とにかく!君の欲望をもっとぶつけてほしい!マリンのM心を満たしてほしいんじゃい!」
「どう考えてもそれが本音ですよね?」
「……それに、毎回毎回マリンばかりが気持ちよくなってたら、貴方に悪いじゃないですか……」
完全に目が据わっているマリンだが、つまりは彼を満足させられているのかが不安だったのだろう。そばに寄ってきてもたれ掛かるマリンを、彼は受け止めた。
「若くてピチピチな女達が大勢いる中で、マリンを選んでくれたのは大変、大変嬉しいわけだが?」
「は、はあ」
「マリンは君に何もしてあげられてないじゃないですか。満たされてばかりは逆に不安になるといいますか……」
口調が定まってないのも、不安の裏返しなのだろう。
「やかまし娘やら3期生やらで集まって話せば、どいつもこいつも惚気てばかり!だけど、皆色々としてたりするわけですよ」
「な、なるほど」
「そうなったときにマリンは、そりゃあ技には自信ありますけど?……でも、そんなん別に練習すれば誰でも出来る内容だし……」
小柄だが、非常に豊満な身体をぎゅっと密着させながら、彼を見上げる。
「貴方から愛されてる自信はあるけど、それを証明してほしいと言いますか……」
言ってて恥ずかしくなってきたのか、顔を少し赤くするマリン。
「……定期的にこの会話してる気がします」
「うっ……」
彼の言葉に顔をしかめるマリン。自覚があったのだろう。
「昨日はあれだけ蕩けてましたのに、なんでまた」
「昨日は気合い入れてたのに、マリンったら、あっさり堕ちちゃったんだもん……」
「えぇ……」
思い出したのか、目元が若干蕩けている。
「いやぁね、前にぺこらをけしかけた話したじゃないですか」
「……そういえば、同期の皆さんで煽ったとかなんとか言っていましたね」
「思ったより効いたみたいで、前より顔が明るくなってたんだよ」
「それはよかったですね」
「だけどさあ!マリン達の想定を飛び越えて惚気だすのは聞いてないんだワ……」
「なるほど……」
「ノエフレはいいよ?前々から何だかんだうまくイチャコラしてるのは聞いてたし、でもぺこらまでそっちに行くとは思ってなかったというか」
「……置いていかれたって感じたんですか」
「……正直なところ、はい」
彼の静かな指摘に頷いた。
「うーん、でも僕もマリンさんに対してベタベタしたりはしてないですからね」
「どっちかっていうと、マリンからネットリしてますからね!」
「……ネットリかはともかく、僕も真似した方がいいんですか?」
「うーん……」
マリンは彼の言葉に少し考え込んだが、
「……違和感が凄い」
「僕もそう思いますね」
二人揃って苦笑して、この案は無しになった。
「痛め付けたりとかは苦手ですし……」
「……君からならマリンには受け入れる準備が」
「僕が嫌です」
「アッハイ」
「プレイ内容を変えたいとかはないんですか?マリンにしたいこととか、されたいこととか!」
「僕がですか?……もう十分してるしされてる気がしますが」
「足りないとかないわけ?」
「僕は性欲の魔人かなにかですか……」
「こんなナイスバデーな女を捕まえたら、男は狼で性欲の捌け口にするんじゃないんですか!?」
「いやまあマリンさんは魅力的ですが、だからって全部それな訳ないでしょうに」
「魅力的だなんてそんな……///」
「都合のいいところだけ聞きましたね……」
「結局甘やかして、蕩けてるマリンさんが一番可愛いと思うんですが」
「そ、それじゃあ何にも変わってない……」
色々と話してみたが、彼の意見は変わらなかった。
「そもそも、マリンさんと一緒にあれこれしてるので十分幸せなんで、こういうのも含めて、毎日楽しいですよ?」
「サラッとイケメンな台詞吐くのやめて?」
「本心なのに……」
マリンは自身の身体を見下ろしてため息をついた。
「胸も少し垂れてるし、気にしてないとすぐお肉弛んじゃうし……」
「気にすること無いと思いますけど」
「そうはいっても、3D配信とかで他の面子に会って眺めちゃうとこう、若さっていいなって思うんだワ」
「17……」
「それは今は忘れて」
「アッハイ」
視線で黙らされた彼がマリンの事を抱き締め返すと、マリンの身体はすっぽり収まった。
「僕は、マリンさんしか知りません。色んな意味で」
「あれ、マリンが初めて?」
「そうですよ。お付き合いも経験も全部そうです」
「そうだったんか……」
「なので、男女の機敏とかには疎いですし、マリンさんとお付き合いしてる事が夢なんじゃないかって今でもたまに思うくらいです」
「……」
「僕にとって、マリンさんは一生大事にしたいって思わせてくれる人なんです。だから、他の人がどうであろうと、マリンさんが一番ですよ」
彼の言葉にうつむくマリン。でも、耳や下着に覆われただけの体が髪の色のように赤くなっていることに気づいても、彼は何も言わなかった。
「あと、一つだけ嘘つきました」
「なんですか……、ヒャッ!?」
彼の手が自身の胸を優しく揉んできたのに驚くマリン。
「確かに僕はマリンさんが大切ですけど。目の前でこんなに見せつけられて、おとなしくしてられる程、枯れてもないです。興奮だってします」
「やん……、もう、そんなに……ン」
そのまま顔を上げさせられて、口づけ。同時にブラ越しに先端を弄られて、与えられる気持ちよさと直接ではないもどかしさに身体を震わせた。呼吸の合間に垂れる唾液であえぐ羽目になってなお、マリンは自分から離れようとしなかった。
「……そ、そんなになったのは、マリンのせいですか?」
「ええ。責任とって鎮めてもらわないと、この後動けませんね」
ようやく離れた2人の距離。そのままチラリと視線を下げて、熱く滾る彼を見た。
「……もう!しょうがないですね!なら、このマリンが一肌脱いであげますか!」
「ほとんど脱げてるというか、着てませんでしたけどね」
調子を取り戻したマリンが彼に跨がると、そのまま目を合わせた。
「全く、マリンを乗せるのがうまいんですから」
そうは言うが、マリンの目には少し光るものがあった。
「こんなエロエロ彼氏、マリンが捕まえてないと大変ですからね!」
「……ええ、末永くよろしくお願いします」
彼の言葉に深く腰を下ろすことで答えるマリン。そのまま口づけを再開すると、そのまま朝から濃厚な時間を過ごすことになるのだった。
余談だが、マリンのいわゆるヘラっていると言われるこの会話は、今までも幾度と無く起きており、理由は様々だが一番はマリンがあまりにも彼に惚れ込みすぎていることから、直球で誘いづらくなってしまったことによる欲求不満である。要するに、遠回しの御誘いだったりするし、彼も知っていて乗っているので、事情を知る他メンバーからは割と生暖かく見られていたりもするが、それはそれである。