待っていてくださった方々には申し訳ないです。
ちょっとコレジャナイ感があるかもですが、おおらかに読んでくれると嬉しいです。
「またぷにぷにって言われた!」
「相変わらずなんだねえ……」
「どうせ惚気だで、真面目に聞くだけ無駄や」
ReGLOSSのメンバー5人のうち、3人で集まってオフコラボを行った後ののんびり雑談タイムの最中、音楽家の卵を自称する『音乃瀬奏』が叫ぶと、残りの2人である『儒烏風亭らでん』と、今日の会場の家主である『轟はじめ』はやれやれといった風に首を振った。
「おい!こっちは真面目に言ってんだ!」
「きゃなでぃがそれ言って、そのあといつの間にか惚気になるの、もう何度目だっちゃ?」
「らでんの言う通りだで。いい加減こっちも覚えるに決まってる」
「そ、そんなことないし!それに、言われてるのは事実だもん!」
奏は力説するが、2人の苦笑いは変わらず。
「そもそも、前にどしあおも言ってたけど、肌触りがぷにぷにって意味であって、お肉が付いてるって訳じゃないって」
「どう考えても、ReGLOSSの中でも一番小柄で、もっと食べるべきなのは奏だで」
「……むぅ」
奏の表情も憮然としたままで変わらない。いつもならそうかなぁ?っとにやけるのが変化無しと来たので、2人も少しだけ姿勢を正した。
「なーに、きゃなでぃ喧嘩でもしたの?」
「珍しいこともあったもんだ。あんなにイチャイチャしてお似合いなのに」
「別に、そういう訳じゃないけど……。何かというとそれしか言われないから、私って魅力無いんかなあって」
「あー、なるほどねー……」
「女心のわからんやつってのは大変だで」
「別に、いつもわかってくれない訳じゃないもん!ただ、たまには他にも言うことないのかなって……」
「さらっと惚気てんねぇ」
「こーいうことするから真面目に聞くの嫌っていってんだかんな?」
奏の照れながら言う言葉に呆れる2人だが、とりあえず相談に対して真面目に考えることに。
「んー、ぷにぷにって言うのは分かったけど、それで彼からは何かされたりするの?」
「あの人の膝に座ったときに、ほっぺたムニムニされたり、とりあえずスキンシップは多いんじゃないかなぁ?」
「なんで男って前に座ると色々触るんだ?うちもお腹ポンポンされること多いからよく分かるで」
「なるほど、ばんちょーもイチャイチャしてると」
「なっ、今ははじめのことじゃないだろ!」
「きゃなでぃは彼に何か言ったりしてるの?」
「んー?特には。言ったりする前に彼の方がやってくれること多いから、感謝はたくさんしてるよ」
「……甘えたりとかしりゃんの?」
「あ、甘えたり……?」
「うわ、スーパー彼氏さんのせいでそれが当たり前になってる……」
時折自爆もありつつ、色々と協議をした結果、
「ただ単に、彼氏さんがきゃなでぃの肌触りが好きなだけでは?」
「はじめもそう思うで」
「そうなのかなあ?」
という結論になった。
「とりあえず、恥ずかしがってなにも言わないよりは、ああして欲しいこうして欲しいって言うのは言うべきやね」
「聞けば聞くほど、どっちかっていうと彼氏さんの方が素直になってるで。むしろ、きゃなでぃの方がなにもいわないから、彼の方から甘えやすいようにしてるとしか」
「ぐぐぐ」
唸り声をあげるだけで何も言い返せない奏。
「まー、古今東西、こういう時は自分の魅力をぶつけていくのが基本ですな?」
「ほほう、らでんさん、それはどうすりぇばええんですかのう?」
「先程の言葉をそのまま受けとるなら、きゃなでぃの彼氏さんはきゃなでぃの肌触りを気に入っている御様子。ならば!」
「……ならば?」
「それを全開にして押していくのがよろしいかと!」
「……裸族にでもするんか?」
「いやいや、そんな痴女じゃあるまいし」
そういうと、らでんは奏(となんとなく興味を持っていたはじめ)に何事かを語りはじめた。
「うぇー……、そんなことするのぉ?」
「らでんの言うことだし、間違っちぇるとは言わんけど、流石に……」
「まあまあ、お相手だけにしてあげるって思えばね?」
顔を赤くする奏だったが、思うところはあったのだろう。やがて小さく頷くと、準備のために動くのだった。
準備といっても以前の配信でも言っていたように、奏の部屋ははじめと同じマンションにある。都合のいいことに、彼も今日来てくれると言っていたので、二人と別れて自室に戻るとすぐに取りかかる奏。
「こんなん、漫画でしか見たことねえよぉ……」
すでに顔を真っ赤にしている。とはいえ、まずは自分から変えるという決意の元なので、なんとか勇気を振り絞った。
「……!!」
すると、タイミングよくチャイムがなった。
「はーい、鍵開けてあるから、入ってー!」
エントランスでインターホンを受けとると、鍵を開けてあげる奏。そのまま彼が来るのをドキドキしながら待った。
「お邪魔しまーす」
「う、うん!いらっしゃーい!」
彼が部屋に入ると同時に緊張MAXの奏。声が少しひきつっているのが分かる。
「ん?どうした?何かあった、か……」
彼も気づいていたのか、玄関から声をかけながら部屋に入ってくると、そのまま声を失った。
「お、おい!なんか言えよ!」
立ち尽くす彼にもはや自棄になって叫ぶ奏。
「……いや、その。可愛いとは思うけど……」
「!!」
「何かあったのか?」
彼の言葉に再度顔を赤らめる奏。
「た、たまにはおまえに、奏の魅力をぶつけてやろうと思って、らでんちゃんとばんちょーに相談したら、これ着たら一発だって言われたからしてやったんだ!」
「……主にらでんさん、じゃないかな」
「なんでわかるんだ!?」
バタバタとリアクションする奏だが、すぐに来ている服を思い出して、ピタッと動きを止めた。
「そ、それで!?これはどうだ!」
「いや、だから可愛いとは思うよ?突拍子すぎてびっくりしてるけど」
彼が言うのも無理はない。なんと、奏はふりふりのエプロンのみを身に付けた、所謂『裸エプロン』と呼ばれる姿だった。それが自室のベッドに座ってるのだから、色気は凄いのだが、違和感も凄い。
「お、おまえが奏の事ぷにぷにとしか言わないから、そんなに言うならいっそのこと見せつけてやれって」
「な、なるほど……」
奏がちょいちょいと手招きするので、彼は大人しく従った。
「だけど、奏もあんまりおまえにあーしてほしいこーしてほしいって言ってないって2人に言われて気づいたから、もう少ししっかりしようって」
「……奏はどうしてほしかったの?」
近づいた彼の膝の上に座って、彼を見上げる奏。
「……もう少し、ぷにぷにって言葉以外でも誉められたい、可愛いだけでもいいから」
「……わかった。ごめん、もう少し考えるべきだった」
「奏ももっとちゃんと言うべきだったからごめんなさい。でも!これからもっと甘えるから、甘やかしてくれ!」
「わ、わかった」
真面目な顔でお互いに謝罪し、仲直りをする2人。それはそれとして、裸エプロンの下にはホントに何も着ていないため、彼女の柔らかさがダイレクトに伝わり、いきなりの展開にドキドキしっぱなしの彼。
「……?なんで、そんなに固まってるん?」
「会っていきなりほぼ裸同然の彼女がいたら、緊張するよ……?」
「そうなんか……?」
奏は不思議そうに首を傾げたが、すぐに気づいた。
「……だーかーらー、なーんかおしりに硬いのが当たってるんだー?」
「ちょ、あんまり動かないで……」
ニヤーッと笑いながら、腰をグリグリと動かす奏。
「全く、仲直りしたとおもったらすーぐこれだもんなー。男ってホントに単純なんだからー」
「ご、ごめん……?」
自分でわかっててこういう格好をしていたことは秘密である。
「もー、しょーがないなー。奏が責任とるしかないよなあ」
「い、いきなり?まだ会って10分も経ってないけど!?」
「こんなん放置したら、奏が後ろから襲われちゃうでしょー?」
心なしか棒読みの奏。
「ほら、仲直りした後にするのって気持ちいいらしいよ?何かで読んだけど」
「受け売り!?」
「まあまあ、折角なら試してみるのもありかなって」
器用に彼の上で姿勢を変え、彼に抱き付く奏。
「ほら、今ならまさぐり放題だよ?奏のどこを触ってもいいんだよー?」
「なんか、凄い乗り気……」
勢いに圧されている彼だが、それでも見えている誘惑に負け、そっと奏を抱き締め返した。
「ふふっ、やっと触ってくれたー。こんな格好、おまえにしか見せないんだから、堪能するんだぞ?」
顔を彼の胸に埋めながら、嬉しそうに笑う奏だった。