うまく表現出来てるかは分かりませんが、独自設定多いので、ご注意下さい。
「ごきげんよう」
「あ、今日はそっちなんだね」
待ち合わせに来た最初の一言で察した彼。
「あら、そっちって?」
「ううん、なんでもないよ」
「……『はあちゃま』の方が来ると思ってたのね」
「……まあ、誘われた文面があれだけはっちゃけてたらね」
彼の言葉にホロライブ1期生の『赤井はあと』は顔を赤らめた。
「たまには私がふざけてみても良いかと思ったの。それで、真似してみただけよ」
「なるほど、流石に見分けはつかなかったなあ」
「当たり前でしょ。どっちも『私』なんだから」
「恥ずかしさで顔赤くしてるのに、なんでドヤ顔できるんだか」
ふふんと胸を張るはあと。
「貴方はどっちの私も平等に扱うわね」
「大元は一緒でしょ。詳しいことは知らないけど、君たち?は記憶も共有してるみたいだし」
「そうね。幸い、私もあっちも貴方のことは変わらず愛しているから問題ないわね」
過去に何があったか詳しいことは語らないが、赤井はあとには『はあちゃま』と呼ばれるもう1つの人格がある。はあとが比較的穏やかかつ、おしとやかなお嬢様な性格なのに対して、はあちゃまの方はカオスの権化とも言うべき破天荒さが目立つ。配信でも地獄企画と呼ばれる内容的に大変なものを好み、個性的な面子の集まりであるホロメン達を振り回せるだけのバイタリティを持つ。本人曰く記憶は共有しているので、はあとに戻ると大抵謝罪巡りからスタートしているとのことだが。
「二重人格なんてめんどくさいのに、貴方も酔狂な方よね」
「まあ、そうでもなきゃ配信追いかけたりしないよ。本物の酔狂な人に言われるのもどうかも思うけど」
「それはそうね。……まあ、貴方も知ってることだし今更よね。ありがとう、付き合ってくれて」
実際には、デビューからしばらく経ち、割と窮屈に思っていた本人の配信スタイルに嫌気がさした時に、『なら二重人格にしたら、好き勝手しても問題ない!』という閃きによって生まれた、いわゆる後付け設定である。本人は至って普通の女の子で非常に可愛らしい。もちろんはあとん(ファン達の名称)も理解しているし、ホロメン達も笑って受け入れている。
「いつもの事といえばそうだけど、なんで僕とのデートには毎回どちらが来るか分からないっていう緊張が走るんだい?いつも普通に来れば良いのに」
「はあちゃまの方も楽しいからよ?分かってても貴方が割と振り回されてるのは見てても飽きないし」
「あぁ、そう……」
ニコニコと言われてしまってはなにも言い返せない彼だった。
「それで?『はあと』で『はあちゃま』を演じた感想は?」
「うーん、どうしても演技な感じが抜けなかった。配信の時はもっと入り込んでる気がするわ」
「文面だけなら分かりにくかったけど」
「色々知られてる相手だとやりにくいのかしらね」
手を繋いで歩いているのに、続く会話の内容はなんとも華がない。ただ、2人にとってはこれが普通だった。
「今日はおとなしめの服なんだね」
「ゴスロリしてるのははあちゃまの気分の時よ?あと、あれは割と目立つからどこへ行くにも人目を引きやすいし」
「まあ、なかなか見ないよね」
「おうちデートならあれでも良いけど、今日みたいに街を歩くならこの方が楽ね」
特に目的もなくブラブラと歩く。時折お店を覗いてはあーだこーだ言いつつ、小物等を買うはあと。彼とお揃いのコップを買おうか、真剣に迷っている彼女をみて苦笑する彼。ごく普通のカップルの光景がそこにはあった。
「ふぅ……。色々買っちゃったわ」
「思ったより買ってたね。思い付きにしては多くなかったかい?」
「いいのよ。その時の縁って大事なのよ?」
夕方になり、当たり前のように彼の家に来た2人。
「今日は泊まるのかい?」
「ええ。明日のお昼に収録があるから、このまま行くつもりよ。替えの服も置いてあるし」
はあとがスッと視線を向けた先には大きなクローゼット。彼女の言うとおり、いくつかの私服が入っていた。
「どっちで行くんだい?」
「明日は『はあちゃま』ね。だからスタジオに持っていかないと」
「なら後で出しておくよ。たぶん奥の方にあるから」
「ありがと」
買ってきた小物を片付けながら相談を進める2人だった。
「だんだん物が増えてきたわね」
「最早、君の第2の家になってないかい?」
「あら、いいじゃないの。私が来る頻度がそれだけ増えた証拠よ。嬉しいでしょ?」
「そりゃあ嬉しいけどね」
「ふふっ、そういう素直に言ってくれるところは好きよ」
彼の頬に軽い口づけをして笑うはあと。
「そろそろ本格的にここに住もうかしら」
「配信環境どうするつもりだい?」
「あら、住むのはいいの?」
「まあ、1人だと持て余してるし。君と住むのも悪くなさそうだ」
「ふーん……。なら、真剣に検討しないとね。マネちゃんにも相談しないとだし」
このやりとりはすでに何度もしており、話もかなり進んでいたりするが、まあお約束みたいなものである。
「さっきの話、ふーたんとか最近彼との同棲を始めたらしいけど、それ以来会う度に凄く幸せそうなのよね」
「後輩さんかい?それは良いことじゃないか」
片付けを終えて2人でのんびりしている時に、 はあとが思い出したように言い出した。
「ええ。何人か当てられて彼に相談に行った子もいるし」
「そんなにかい」
「私は元々考えてはいたけどね。あんなに幸せになれるかなーって」
彼に寄りかかりながらそう言うはあと。
「少なくとも、僕は幸せだと思うよ。今よりもはあとと一緒に居られるなら」
「……はあちゃまでも?」
「まあ、突拍子もない暴れ方をしなければ」
「それは保障しかねるわね」
「うーん、困ったなあ……」
笑いながらさほど困った様子もなくいう彼。
「そうねえ……。毎日に満足できていれば、はあちゃまもそんなに暴れたりはしないんじゃないかしら」
「満足か。具体的に、何が欲しいんだい?」
彼がそう聞くと、はあとは彼の手に自分の手を絡めるように重ねた。
「ふーたん曰く、『大事なのは彼に愛されてる実感』らしいけど」
「また難しいね。物じゃないものを欲するのは人の性だけど」
「そうね。でも、貴方なら簡単じゃないかしら」
そのまま彼の腕を自身の胸に挟むように抱き締めた。彼の腕に伝わる彼女の鼓動はいつもより早いものだった。
「ほら、今だって貴方に触れているだけなのに、こんなに嬉しいんだもの」
「……そっか。それなら、その実感のためにも、もっと触れ合わないとね」
「あら、それは今からする事へのお誘い?」
「……そういうことにしようかな」
彼が頷くと、はあとは嬉しそうに笑って彼を受け入れる体勢をとるのだった。
JP(リグロス含む)は残り2人ですが、どちらも非常にキャラが強くて、今からどうしようか頭を抱えております……。
揃ったら、またリクエスト企画でもやりたいなと考えております。