ホロライブには多種多様なメンバーが所属している。個人活動はもちろんだが、時には期生や国の枠を超えて、グループを組んでの活動をする事もある。その中でも人気の高いグループの1つが『HOROTORI(ホロ鳥)』と言われるグループである。それぞれ、
JPからは『大空スバル』『鷹嶺ルイ』
ENからは『小鳥遊キアラ』『七詩ムメイ』
IDからは『パヴォリア・レイネ』
以上5人からなるグループである。元々はこの中でデビューの早いスバルとキアラが、とあるアヒルのゲームをコラボで行った時に冗談半分で名乗り始めたのがきっかけで、その後徐々に鳥類のアイドルが増えたことから本格的にグループとなった。結果としてアヒル(?)、鷹、不死鳥、梟、孔雀と集まり、JP2人が英語、海外勢が日本語に非常に明るいため、互いに意思疎通が図りやすく、国際色豊かなグループとしてはかなりの仲の良さを誇る。
『彼氏とうまくいってない?』
『ちが!?そんなことないよ!?』
ある日の事。グループでの収録が終わり、そのまま流れでご飯へ行こうとなったために、とある飲食店で過ごしていた5人。ルイの検索で個室を確保できたために、話題がややデリケートな方向へ向かった矢先のことである。
『あれ?欲求不満ってそういうことじゃないの?』
「こわぁ……、こういう所海外って感じがするけど」
『スバルセンパイ!私そんなに変態じゃないよ!』
キアラの発言にビビるスバルを見て慌てているムメイ。ここまで慌てている姿は配信上ではなかなか見られないものだ。
「あー、外でそういう話はあんまりね?」
「海外でもなかなかですけど」
『2人も!眺めてないで、分かってるなら止めてよ!』
残りの2人が苦笑いしているのでますますヒートアップするムメイ。
『まぁまぁ。からかってごめんね?でも、冗談は置いておくとしても、何か悩んでるんじゃないの?』
『もう……、まあ、そうなんだけど』
言い出しっぺのキアラが謝ることで一応落ち着いた彼女。当初の話に戻ることになった。
「……大丈夫ですよ、ムメイ先輩。スバ様が上手くやっていけるんですから。大抵のことは何とかなりますって」
「おい!ルイ!おめー何いってんだ!?」
『……あー、確かに。そうかも?』
「「「wwwwww」」」
「ムメイ!?」
ルイの一言にキレるスバルと、そんな彼女を眺めてから納得しているムメイに爆笑する他3人。
「はぁー……。んで?結局悩みってなんなの?」
『えーっと、最近、彼と一緒の時間が過ごせてなくて、色々と持て余してるっていうか……』
「あー、なるほどね」
指先をつつきながら恥ずかしそうにするムメイ。
『あ、別に浮気とかを疑ってるんじゃないの。単純にお仕事で忙しくしてるのはわかってるから』
「あ、そうなのね。じゃあ寂しいって話?」
『うん、まあ……。帰ってきても凄く疲れた顔してるから。それでも一生懸命話したりしてくれてるのも分かるけど、逆にあんまり迷惑かけるのもなあって遠慮してるんだ』
『日本滞在中は彼の家なんだっけ?』
『そう。ホテル代が浮くって理由でマネちゃん説得したの。意味バレバレだったからあんまり意味なかったけど』
「あー、そりゃそうだよなあ」
全員納得。
「それなのに一緒じゃないんだ?」
『ほら、彼ってうちの会社の技術部門でしょ?そもそも私達が日本に来るのって、大抵が3D関係だから、忙しくなることは確定してるんだよね』
「あー、そういえばそうか。スバル達もよくお世話になってるしなあ」
『それで、最近スタジオが混雑するくらい皆3D使ってるから、彼もバタバタしてるみたい』
ホロライブ、ひいてはCOVER社が所有する3Dスタジオは非常に高性能であり、使用予約は年単位で埋まるほどだ。ムメイのパートナーは本人が言う通り技術者であり、日々忙しくしている。
『というか、今日も現場で会ったもんね。凄くにこやかに応対してもらったよね』
「うん。話聞いてると倒れちゃいそうみたいなのに、私たちに一切その様子見せてないの凄いわね」
『おうちだとご飯とシャワー浴びたらすぐ寝てるよ。私も休んでってお願いしてるし』
「そりゃ確かに寂しさもあるなあ。といってもスバル達もお仕事だから止めてとか言えないけど」
うーむと頭を悩ませる。
「最終的には彼に抱かれたいってことでいいの?」
『あー、まあ……。そうだね』
「とはいっても、お仕事に関しては私達どうしようもないわよね……」
『なら、お休みの日に寝て終わらないように、ムメイが回復を助けてあげれば良いんじゃないの?』
『マッサージとか?ご飯とかもかなあ』
「それならわためとかトワに聞けば良いんじゃね?彼氏さんが整体の専門でしょ」
『貴女確かチャーハンは作れたわよね?毎日ってなるとバリエーション欲しくなるけど』
『チャーハンは作り置きできるから好きってだけで、別にそれ以外も作れるよ!』
『ならそれで様子を見ましょ?あとは彼氏さんに素直に伝えるのも手よ。しばらくこっちに居るんでしょ?』
『そうね。頑張ってみるわ』
一旦はそういうことになり、ムメイも改めて頑張ろうと気合を入れた。
『……なるほど、だからこんなに夕飯が準備されてたんだね』
『ええ。貴方が随分疲れてるのは分かってたし、それが私達のためなのも理解してるから』
『僕は楽しいから良いんだけどね。分かった。お休みの日なんとか作るから、それまで待っててね』
『もちろん。あ、絶対無理はしないでね。私も出来る範囲でしか頑張れないのだから』
『わかったよ。それにしても、おいしいなこのチャーハン。ってことは作り置きしたの?』
『貴方もそれ言うのね……、そんなに私のチャーハンの事は流行ってたかしら?まあともかく、これは明日のお弁当用に分けてあるけど。毎日チャーハンは流石に飽きるでしょう?』
『君が作ってくれる物なら飽きたりしないよ?』
『嬉しいけど、それだと貴方の癒しにならないわ。まあ、あんまり期待はしないで』
その日の夜、ムメイは早速実践のためにまずは夕食を振る舞った。
『まだマッサージは聞いてないから、もう少し待ってね。下手に素人がやると、却って身体に悪いみたいだし』
『分かった。楽しみにしてるね』
『今日はこの後一緒にお風呂入るわよ。私が全部洗ってあげるから、貴方はのんびりして。あと、折角だから少しだけ抱きつかせてね』
『そうなの?ならおまかせするよ。というか、さらっと甘えてようとしてくるの可愛いね』
『身体洗うのは女の私の方が丁寧だもの。それにいいじゃない?本番はしばらく先なんだし』
『本番って言い方なんか変だよね?意味は分かるけど』
ムメイの言葉に苦笑する彼。
『さ、まずはご飯食べちゃいましょ?』
『そうだね。そういえばスタジオ出てからはどうだったんだい?』
『あ、今日はね……』
2人はそのままご飯に戻りながら、また別の話に花を咲かせるのだった。