方言女子って良いですよねって思いながら書きましたが、筆者は別に関西圏の人間ではないので、間違っていたらすみません。
『hololive DEV_IS』から新たにデビューした5人ユニット『FLOW GLOW』のメンバーは皆とても個性豊かであり、初配信から様々な注目をされた。そんなメンバーの中で、Vtuber全体を見てもかなり珍しい『メイク担当』として所属しているのが『綺々羅々ヴィヴィ』である。
「アンタはもう少しメイクとかせんの?」
「いや、今までも肌ケアとか君にだいぶ教えてもらったし、もう十分じゃないか?これでもかなり変わったと思うんだけど」
配信終わりに合わせて彼女の家を訪ね、ミルクティーを持ってきてくれた彼とそのまま少しじゃれついていた時のこと。ふと彼の腕をペタペタと触りながら聞いてきたヴィヴィに、気まぐれな猫みたいだなあと内心苦笑しながら彼はそう答えた。
「それはいいんよ。こうやって触ってても気持ちええしな」
「おかげさまでね、仕事先でも半袖着てると言われてるよ」
「そらそうやろ。女の子は人のそういうの結構見とるもんやし。まして男の肌が綺麗になる言うたら、大抵女絡みやしなあ」
今どき割と珍しいコテコテの関西人といえる強めの方言である。抑揚が若干弱いのか、棒読みにも聞こえるというのは配信でもネタにされていることもあるが、そんな事ないのは彼も重々承知している。
「確かに。ヴィヴィに教えてもらってるわけだから間違ってないな」
「せやろ?せやけど、最近は男性用の化粧品とかもあるんやで?ウチみたいな毳々しいものじゃなくても、下地を整えたりするだけでもちゃうかったりとかな」
「君の買い物に付き合ってれば見かけることもあるから知ってはいるけどね。現状そこまでしなきゃいけないとは感じてないけどなあ」
「元がいいから化粧映えそうやけどなあ」
「普通のサラリーマンにそこまでお洒落は要らないかな……」
彼の頬をつつきながらそう言うヴィヴィ。
「まあ、触り心地良くなったし。今はこれで満足しとこかな」
「くすぐったいよ」
「ええやんええやん。あ、お返しにウチの触る?アンタなら全然ええよ?」
「そこで胸を差し出すのはどうかと思うけど」
立って下を見ても自分のつま先が確認できない程度には大きい事を、リスナーの誘導に騙される形で配信にてバラしてしまった立派な胸を、彼の腕を抱き込むことで押し付ける彼女。彼が感触を感じて身動ぎすると、ヴィヴィはニヤリと笑ってさらに強く押し付けた。
「なんや、今更照れるんか?アンタに育てられて前よりもさらに大きくなったっちゅうのに。服のサイズ変わると、買い替えるの大変なんよ?」
「それなりに心構えがいるんだよ……。しかもこんな薄着だし。だけど、いざしようとするとヴィヴィもすぐに照れるだろ」
配信が終わってノースリーブのシャツ一枚のみの格好のヴィヴィ。当然直に肌が触れる面積が大きいわけだが、彼の反論に彼女は顔を赤らめた。
「そんなん当たり前やん!ウチかて別に恥じらいがないわけやないし」
「こんなにグイグイきといてギャップが凄すぎるだろ」
頭をグリグリと彼の肩に押し付けつつ唸るヴィヴィに彼は苦笑した。
「そういう気分なの?」
「……察してるなら乗ってや。……んもう」
そのまま伸び上がるように顔を寄せてきたヴィヴィに、彼は無言で応えた。
「……やっぱ恥ずいわ。勢いに任せるのも考えものやね」
「気分の乱高下が凄い」
しばらく2人の間がゼロ距離になった後の第一声に再び苦笑する彼。それでも彼女が離れようとはしないので抱える形でそのまま話をする。
「来る前に配信観てたけど、今日は別にそういうネタとか話してなかったよね?」
「うん。雑談枠だったけど、別に普通の内容やったはずよ」
今までも配信後ヴィヴィから強く求められることはあったが、そういう時は大抵、配信内で男女のネタに触れたことで興奮してた事がほとんどだった。
「なら今日は何でまた?」
「ただの気分!あ、でも少し前に、ぺこら先輩とご飯行ったんよ。その時にまあ、色々と話すことがあってな?」
「意外な名前。仲が良いのは知ってたけど」
人見知りが激しく、人とあまり会おうとしないことで有名な先輩の名前が出て彼は驚いた。
「ホントにたまたまだったんよ。それで勢いで誘ったら乗ってくださって」
「へー。それは良かったねぇ」
「それでな?途中でスバル先輩と合流してご飯食べた時に、色々と相談してたんや」
「なるほど。心強い方々だね」
「うん!めちゃくちゃ相談捗ってん。そしたらな?流れで何となくそういうエッチな話題になるやろ?」
「流れ変わったな。急に不穏になるじゃん」
「まあほら、皆さんお相手おるし。悩みとか色々あるわけよ」
「それは分かるけど。そういうネタからは程遠そうなメンバーに聞こえるし」
「それはそう」
2人して少しだけ笑う。
「それで?そんな珍しいメンバーで何を相談したのさ」
「詳しい話はまあ秘密やけど、どうやって誘うかみたいなね?」
「……そのお二人は、あんまりそういうのに乗り気ではない気もするけど」
「スバル先輩はまあ。でもぺこら先輩は結構色々してたで?ほら、兎の獣人やから」
「……ああ、発情期か」
「そゆことやね」
彼が気づいたことにヴィヴィも頷いた。
「本人しか分からん事情やし、察せってのもキツイやろ?せやから、そういう時は色々頑張ってるんやって」
「なるほどね、まあそういう事情ならそうなるか」
「スバル先輩はなんかポカーンしてた」
「……すまんけど、チョット想像出来ちゃうな。お会いしたことないんだけど」
「まあ言わんから安心しといて」
再び頭をグリグリしながらそう言うヴィヴィ。
「ちーなーみーに。おふたりともな?しっかり揉み込まれて少し大きくなったらしいよ?」
「……それを聞かされてどうしろと?」
「ちょっち気になるんちゃうかなって」
「気にしていいのか?」
「駄目に決まっとるやろがい!」
「なんなんだよ……」
「アンタにはウチがいるやろ?」
そう言って再度抱きつく力を強めるヴィヴィ。何を指しているかは言わずもがなである。
「結局はただの口実じゃないか……」
「嫌なんか?」
「……そんなわけないけど」
「んふふふ〜、知っとるに決まってるやろ」
そのまま頬に口付けると、ヴィヴィは立ち上がった。
「今日は泊まってくやろ?」
「そのつもりだよ」
「なら、この後いっぱい可愛がってな?ウチ、お風呂入ってくるから」
「分かった。タオルとか出しておくからいっておいで」
「おおきに!いってくるなー!」
ニコニコと笑いながら部屋を出ていくヴィヴィを見送り、彼もお風呂上がりの彼女を迎えるための準備に動くのだった。