※この作品はR-18です。

アイドル達の羽休め   作:rideru

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少し間が空きましてすみません。



愛と圧の強い宣伝担当の場合

 「うぅ~!!」

 「……どしたん、話聞こか?」

 「チャラ男みたいな話し方!?なんで会話のスタートにそれを選んだの!?」

 

 訪問先の家に駆け込んで、早々と荷物を投げ捨てて唸る女に、部屋の主たる男は首を傾げた。

 

 「いや、いきなり呻いてるから、笑いでも取ったろうかと」

 「チョイスが酷すぎるよ……。すぅは別に笑いとか求めてないからね?」

 「そっか、ごめん」

 

 布団から見上げるようにしながら男につっこんでいるのは『水宮枢』。『hololive DEV_IS』から新たにデビューした5人ユニット『FLOW GLOW』の『宣伝担当』である。

 

 

 

 

 「それで、今日はどうしたの?メンバーとお出かけって聞いてたから、ここに来るとは思ってなかったけど」

 

 男は聞いていた予定と違う事に首を傾げたが、枢は頷いた。

 

 「合ってるよ。さっきまでお出かけしてから来たんだもん。ちなみに言うと、来る予定がなかったのも合ってるよ」

 「ん?ならなおさらなんで?」

 

 合っていたと言われ、ますます困惑する彼に、枢は再び彼の枕に顔を埋めてジタバタしだした。

 

 「今日はさ、フログロの皆でランチって言ってたでしょ?」

 「そうだね。Xでも楽しみってポストしてたから見たよ」

 「そう。で、行ったお店も良かったし、ご飯も美味しかったの」

 「うん。良かったじゃん」

 「それで、その後皆で買い物行くじゃん。適当に服でも見ようって」

 「よくある流れだ」

 「そしたらさ?」

 

 ここで枢は動きをピタリと止めた。

 

 「よりにもよって皆して、子供服売り場にすぅを連れていきやがったの!」

 「……あー、なるほど」

 

 彼は枢の怒りの原因を理解して苦笑した。

 

 「小柄なのは自覚してるけど、小さいサイズじゃなくて子供服ってなんなんだよ!枢は大人のお姉さんなんですけど!?あと、地味に行った店がそれなりなところだったから、値段見てびっくりした!」

 「そもそも言うほど枢は小さくないと思うけどね。あと、そういうお店は子供服の方が手間かかるから高いことあるよね」

 

 配信で見せる姿や他のメンバーとの比較により、かなり幼い印象を持たれやすい彼女だが、身長は151cmと女性としてはやや小柄程度である。本人もネタにしていたが、先輩の船長や天使などの方が小さかったりするのである。

 

 「でしょ!?なのに揃いも揃って前掛けみたいなの持ってきやがってよぉ!」

 「すぅの反応がいいから楽しんでるんじゃないかな」

 

 身長いじりに対しては、例え先輩相手でもゴリゴリに圧をかける彼女である。同期からしたら楽しい相手なんだろうなという彼の予想は間違っていない。

 

 「くそぅ、皆して枢より背が高いから言い返せねぇ……」

 「まあまあ、諦めて付き合うしかないよ。僕だってこの通りかなり小さいしね。たぶん背の高さを憧れたのは君より多いかもしれないし、気持ちは分かるけどさ」

 

 彼も159cmと成人男性の平均と比べてもかなり背が低いため、どこか遠い目をしていた。

 

 「ぐらさんのパートナーさんと色々試したりはしてるんだけどなあ」

 「たまに会ってるって言ってたもんね」

 「まあ、もう年齢的に成長は望めないよねってお互い気づいてはいるんだけど」

 

 気休めにしかならないことは分かっているのだろう、彼の表情はなんともいえないものだった。

 

 「でも、色々努力してたから、すごーく筋肉ムキムキになったじゃん。腕だけですぅのこと軽々持ち上げた時はびっくりしたんだよ?」

 「……知ってるかい?筋肉つけ過ぎると、身長って止まっちゃうって」

 「あっ……」

 「まあ、もう伸びないだろうしなあって筋トレに励んだ結果だから、それは良いんだけど」

 「なんでこっちをドキッとさせるの!悪いこと言ったかなって不安になったじゃん!」

 「予想通りのいい反応だなって」

 「むぅぅぅうん!」

 

 彼に揶揄われたと気づいた枢は、寝転んだまま器用にポコポコと彼の剥き出しの腕を叩いた。

 

 「痛い、痛い。ごめんってば」

 「もう!」

 

 最後に一発ペシッと叩いてから、彼女は身体を起こした。

 

 「あーあ!なんか傷ついちゃったなー!これは、なかなか収まらない気がするなー!」

 「アピールが凄い」

 「傷ついちゃったなあ!そういえば今日は歩き回ったから足が疲れてる気がするなあー!」

 

 プクッと膨れ面をしつつ、じっと彼を見ながら繰り返し言う枢に、彼は苦笑した。

 

 「あー、なんか急に誰かの事をマッサージしてあげたくなる病気になった気がするなぁ」

 「ふーん?」

 「誰か、僕に触られてもいいっていう疲れてる人とか居ないかなあ?」

 「……しょーがないなあ!そこまで言うなら仕方ない!すぅは貴方の彼女ですから!たーくさん触ってもいいよ?いーっぱい癒してもらわないと!」

 「わー、嬉しいなあ。それなら少し準備しないとだから、とりあえずシャワー浴びておいで?」

 「はーい!」

 

 先ほどまでの演技は何処へやら、ウキウキとした様子で部屋を出ていく彼女を見送った彼。

 

 「このやりとり、たまにしてるけど必要なのかな……?」

 

 少しだけ首を傾げつつも、そのままなんだかんだ慣れた手付きで迎える準備を始めるのだった。

 

 




FLOW GLOWも残すはあと1人です。
書き終えたらまたリクエスト企画でもやろうかと思います。
夏は色々と掻き立てられるので楽しみです。
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