今回は登場メンバー複数の指定だったので、折角ならとまとめ話として作りました。
いつもより文字数が多いですが、小分けになってます。
???「あーんなことや、こーんなことだらけな報告書、たまには大放出しますよー!」
その1『女の子達の秘密の会議録、その一部始終』
「それで?改まって相談って一体なにかな?いろはちゃん」
「そ、その、でござるな……」
待ち合わせた喫茶店にて、上品にアイスココアを飲むAZKiを前にしたいろははどこか緊張しすぎの様子だった。AZKiはそれが不思議らしく、先程からいろはを見ては首を傾げている。
「なんでそんなに緊張してるの……?初対面の時よりしてない?もう何度もご飯とか行ったはずだけど……」
「いや、あずきちと居るのが緊張してるってわけじゃなくて!その、聞きたい内容が、ちょっと……」
「内容?」
「う、うぅぅ……」
もじもじとしているいろは。
「あの、誰にも言わないで欲しいでござる」
「ん?もちろん、言わないけど……」
AZKiが頷くと、いろはは意を決して顔を上げた。
「あの、で、ござるな?」
「うん」
「さ、最近、その、パートナーさんと、し、して!良かったことってなんでござるか!?」
「あの人……?」
いろはが顔を真っ赤にしていることで、AZKiは質問の意図に気づいた。
「……もしかして、シたって、そういう事?」
「……(コクコク」
小声で確認すれば、そっと頷くいろは。
「えっと……、なんか珍しいね。いろはちゃんがそんな事聞いてくるなんて」
「ご、ごめんなさいでござる!その、こういうの人と話したことなんてないし、ござるが聞けそうな人でパッと浮かんだのがあずきちだったから……」
「相談相手で浮かんだのは嬉しいけど、私も別にそういう事に詳しいわけではないけど……」
「でも、うちの博士の体験談とかで色々言ってたでござるから、かざまよりは詳しいかなって」
「あー、なるほど……?」
ホロライブきっての清楚枠とも言われる2人が並んで話す内容かどうかはさておき、いろはの理由になんとなく納得したAZKi。
「私達、体格とかスタイルも近いもんねぇ。とはいえなぁ……、んー、参考になるかなあ?」
「な、何でもいいです。こう、どうしてるのかなって……」
語尾が取れてるのも構わず、どこか必死な様子のいろは。
「……何かあったの?」
「な、ななな、何も無いでござるよ!?」
「いや、流石に誤魔化せてないよ……」
「ぐぅ……」
苦笑するAZKiに指摘されて彼女は項垂れた。
「……ホントに、何も無いんでござる。最近もその、する機会があったのに、結局あの人ばっかり頑張ってくれてて、かざまはいつもされるがままで……。だから、逆に何かシてあげられないかなって……」
「なるほど……。んー、一応聞くけど、彼とスるのは嫌じゃないんだよね?」
AZKiの問いにいろはは顔を真っ赤にするが、
「今でも、は、恥ずかしいですけど……。でも、あの人だから、いいかなって最近は思えるようになってきたでござる、よ?」
「ふーん……、なーんか、いろはちゃんはホントに可愛いねぇ」
「なな、何を言ってるでござるか!?か、可愛くなんかないでござる!」
AZKiが少し意地悪い顔で笑うと、いろははワタワタと身体を動かして否定した。
「そういうことならまあ……。可愛い後輩の為に、一肌脱ぎますか。といっても、ホントにした事位しか分からないけど……」
「あずきち……!ぜひ、よ、よろしくお願いするでござる……!」
AZKiがそう言って了承すると、いろはは嬉しそうに頭を下げるのだった。
「ト〜ワ〜!!」
「どしたん?」
飼い猫の世話の手伝い兼、遊びに来たスバルは、家主の名を呼んだ。
「おめー、ここの部屋の換気、最後にしたのいつ?」
「んー?……あー、そういえば今日の朝少しバタついてたから、あんまりしてなかったカーモ?」
「だと思った……。ってか、スバルの真似すんじゃねえ」
「え、そんなに臭う?」
スバルが立ち止まったドアの向こうはトワの寝室である。何か変わったことしたか……?と彼女が首を傾げていると、
「臭うとかってより……。あのさ〜、なんかここからすんごいムラっとする気配がするんだが……。人呼ぶ前に部屋はちゃんと換気しとかないとヤベェって、前に自分で言ってたじゃん……」
「……あっ!?」
呆れ顔のスバルに言われて、ヤバッと言いたげな顔になったトワ。慌ててスバルをリビングへ押し返すと、そのまま寝室へ飛び込んでいく。
「もー、スバルだから気づくだけで止まったけど、これがフブちゃんとかミオしゃとかだったらやばかったぞ……?」
「いやー、メンゴメンゴ!」
「ふざけんなよオメー!」
あんまり悪びれていないトワに少し強めにツッコむスバルだが、本人もあまり気にはしていないようだった。
「しっかし、ほぼ1日経ってるのにこんなに残るって……」
そう言いかけて顔を赤らめるスバル。
「なーに想像してんのさ。まあ?このトワ様のセクシーボディなら掻き立てられるのも仕方ないところはあるけどぉ?」
「……スバルよりちんちくりんのくせに何いってんだオメー」
「あー!そういう事言っちゃうんだ!?」
なんとなくポージングを決めていたが、スバルの冷めた言葉に今度はトワが強めにツッコミを入れていた。
実際のところ、人の欲望を主食とし、それを確保しやすくするために、全体的に扇情的であることが多い悪魔にしては、トワはかなりスレンダーな体型である。スバルの同期かつ、トワと同種であるちょこと比べたらなあと思うスバルだったが、これは流石に言うのを止めた。
「いや、トワの気配が凄い残ってるってことは、つまりそういうことじゃん」
「まぁねぇ。昨日は久しぶりに2人揃って休みだったから、結構ガッツリ?しちゃったけど」
スバルの言うトワの気配とは、つまり行為の際に彼女が撒き散らしたフェロモンの残り香のことである。悪魔が撒き散らすそれには、範囲内にいる者に性的興奮を促す作用があることは、スバルもトワやちょこから聞いて知っていた。
「うへー、いや、そういう生き物ってのは知ってるけど、なんか生々しいなあ」
「しょうがないじゃん。普通のご飯じゃどうしても賄いきれないんだし。それに、気持ちいい事なんだから楽しまなきゃ損じゃん?」
「そんなものかなあ?」
「なーんか疑り深いなぁ……。あっ、もしかしてー?」
スバルが首を傾げていると、トワは何かに気づいたようにニンマリと笑った。
「……最近彼氏と満足に出来てないとか?」
「ば、バカ!何言ってんの!?」
思ったより大きな反応が返ってきて、逆に驚くトワ。
「え、もしかして図星?」
「そ、そんなんじゃないってば。最近あの人出張で遠出しちゃってるから会えてないってだけで……」
「なるほど~?それで、欲求不満が出ちゃったと」
「出てねえから!」
顔を真っ赤にして否定するスバルだが、人の欲に聡い悪魔にそんな誤魔化しが通用するはずもなかった。
「どぉれ、この悪魔たるトワ様がスバちゃんのお悩みを解決してしんぜよう。さあ、じゃんじゃん吐けー!」
「お前まじでふざけんなー!!」
「ぼたんちゃんってさー」
「ん?どしたんわためぇ」
個室居酒屋にて。お酒をチビチビ飲んでいたわために呼ばれたぼたん。
「彼氏さんを誘うときってどうしてるのー?」
「ん?誘うって?」
お酒が駄目と公言しているぼたんはソフトドリンク片手に専ら食べ専門と化していたが、わための質問に首を傾げた。
「決まってるじゃーん。イヤンウフフなことだよぉ」
「……なんだぁ?酔ってんのかー?」
クネクネと身体を動かして照れるわためを見て、微妙そうな顔をするぼたん。
「少し酔ってはいるけど、質問は真面目だよ?」
「んー……、別に答えてもいいけどさー。なんでまた急にこんな質問?」
ぼたんの逆質問に、わためは目をパチパチとしてからニヘラっと笑った。
「いやー、トワちとかフブちゃんとか見てたらさー、結構アピール凄いというか、こう、わかるでしょ?」
「あー、まあ確かにその辺はそうだね。ウチらん中でもねねちとか、最近だとポルカもそうかも」
わためが挙げた名を聞いて、ぼたんも確かにと頷いた。
「でもさ?例えばミオちゃんとかー、ころさんとかは、こうあんまり表には出してないじゃん」
「ころさんは分かるけど、ミオセンパイは……、まあ、確かに出さないようにはしてるね、うん」
「隠せてるかどうかは今は置いておくけどさ」
「それはもう言ってるも同然なんだよなw」
2人してこっそり笑ったことは秘密だ。
「わためもあんまり表では話したりとかしないし、時期っぽくても出さないからさぁ。そう考えると、ぼたんちゃんはどうなんかなって」
「あたしかぁ……、そうだなぁ……?」
う〜ん、と腕を組むぼたん。
「あたしも確かにあんまり表でそういう事話したりしないしなあ。配信ではっちゃけてアーカイブ消えたこともあるけど」
「あれは伝説だったねぇ」
「あれ以来?って程でもないけど、メンバー内でも、あたしから話題を振る事はないかな」
「そーなんだー」
ふむふむと頷きつつ、テーブルの唐揚げをつまむわため。
「あの人の前だと割と素直に言っちゃうかな〜。向こうもその辺ラフというか、気楽に考えてる節あるし」
「そうなの?」
「あたし、時期が来てもそこまでガッツリしたいって程じゃないんだよね。先に物凄い食欲増しちゃって、それが満たされた時に初めて性欲に結びつく感じだからさあ」
「へえー!それは、元々の種族の違いって感じだねぇ!」
少し驚いたように目を見開いている。
「向こうは人間だから、時期とかないじゃん?あたし、一応それなりに恵体だって自覚はあるから、あたしを見て急にムラっとすることもあるだろうし、相手のそういうのってあたしらは敏感じゃん?」
「そうだねぇ。ってか、ぼたんちゃんでそれなりって言ったら、色んな人怒りそうだけどw」
「まあそれはそうw」
にやっと笑う2人。
「そうなったらまあ誘われ待ちかなぁ。わざと煽ることもあるけどね」
「なるほどねー」
わためは大きく頷いた。
「ちなみに、わためはあの人には割と直球かな」
「へぇー、少し意外かも?」
「よく言われるよー。けど、どっちかっていうと、あの人が草食過ぎて、コッチがガンガンいかないとなかなかそういう雰囲気にならないっていうか」
「わためぇもいい身体してるけどなあ」
「それ、餌って意味じゃないよねぇ?こわいねぇ」
目を光らせるぼたんに微妙に怯えるわためだが、すぐに持ち直した。
「あ、でもヤる時は結構求めてくれるから最初の踏ん切りだけつかないって感じなのかも。わためも攻めるの苦手だから、それは助かってるんだけどねぇ」
「そうなんか。まあ確かに、そうがっついてるわためぇが想像できないって事はそういうのも納得かな」
ぼたんもなるほどなぁと頷いた。
「あの人、お仕事で色んな人の身体のケアしてるから、そもそも多少の露出とかだと動じたりしないんだよねぇ」
「あたしもよくお世話になっております」
「いえいえこちらこそ」
お互いに深々と頭を下げてから、フフッと笑う。
「まあ、それは職業柄ってやつだししゃあなしやね」
「そうだねぇ。あ、じゃあさ、少し気になってたんだけどさあ……」
2人の話はまだまだ続きそうだった。
「あやめちゃん最近、なんか綺麗になってない?」
「え゙、急にどしたの?」
定期的に振る舞われるルイの手料理を食べに、ルイの家まで来ていたあやめ。食後のまったり団欒タイムとはいえ、向こうからの突然の質問に変な声が出た。
「いや、ちょっと前からスタジオとか事務所で会ったときも思ってはいたんだけど、なかなか聞くタイミング無かったなって思い出して」
「前から思ってたんかーい」
あやめがピシッとツッコミポーズをしたが、ルイとしては別に何でもない質問のつもりだった。
「肌艶もそうだし、今見ると髪もなんかサラサラしてるし……」
「え?あ、ありがとう……?」
あまりに直球な褒め言葉に、若干頬を染めるあやめ。
「全部がこれだけ一気に変わるってなると、ただ石鹸変えた、とかじゃ無いだろうなって思って」
「そうかなあ?でも余も特に何か変えたりした覚え無いけどな……?」
ルイの言葉にあやめも何かを思い出そうとしてみたが、特にこれといっては浮かんでいない様子だった。
「んー、女は恋をすると変わるって言うけど、私たちからしたら今更だしねぇ」
「それはそう……、あっ」
「ん?心当たりあったのかしら?」
ルイの言葉にそりゃそうだと頷いていたあやめが、突然硬直した。
「……あー」
「なになに、1人で納得してないで教えてよー」
「いや、心当たりというか、ちょっと、ですねぇ……」
何故か先程より顔が赤くなり、モジモジとしているあやめ。
「あのー、何となくの理由答えますけど、聞いても引きません?」
「なんで敬語?いや、引きませんけど……」
思わず敬語に引っ張られるルイ。
「そのー、最近色々あってー。彼との、その、頻度が増えたと言いますか……」
「頻度……?あぁー!なるほど……?」
あやめがどもりながら答えた内容に、ルイは首を傾げたが、すぐに気づくのは流石有能女幹部といったところか。
「え、でも、それって何か関係あるの?」
「余はほら、鬼じゃないですか。鬼って精力を力に変えられる種族なもんでして……」
ルイの疑問はもっともだったが、あやめの答えは簡潔だった。
「筋力、素早さみたいな物理的な力に変えられるのはもちろんだけど、そもそも精気が満ちてる鬼って、見た目からして分かりやすく元気と言いますか」
「そうなの?」
「これは余達も詳しい理由分かってないんだけどね。大昔は縄張り争いとかしてたし、リーダーが元気=それだけ縄張りの支配が出来てるみたいな指針だったんじゃないかって言われてる余」
「へー、なるほど……」
自然界において、見た目というのは重要視される点であり、鬼のこの反応も無用な闘いを避けるために進化したのではないかという最近の研究結果だそうだ。
「あと、これはマジで大事なんだけど、誰から貰ったかっていうのが大きいらしくて、ですね……」
「誰からというのは?え、だってあやめちゃんはもちろん」
「あの人です余」
ルイの疑問に間髪入れずに答えるあやめ。
「相性みたいなものだ余。いわゆる絶倫だから良いってわけではないみたいでして。言ってて恥ずかしいな、これ……」
「聞いたの私なんですけど、こんな話題になるとは。まあ2人だけだから良いんじゃないかな」
「ルイちゃんがそう言うならいいけど……」
ルイも内容が内容だけに流石に顔を赤らめてはいたが、2人ともとりあえず気を取り直した。
「前にあの人には、『鬼にとっての精気は、人にとってのお酒みたいなもの』って言った余」
「高級酒がいいわけでは無いからか」
「そうそう。種類とか好みとかあるでしょ?」
ルイもお酒に例えられると分かりやすかったようだ。
「まあ、余は初めてのお相手で大当たりを引けたみたいでした」
「え、でもそれってもし、その相性が良くなかったら……」
「鬼的な視点だとハズレ、になっちゃうのかなあ。余は元々あの人の人柄が好きだったし、それは結果としては本当に幸運だって母百鬼に言われましたね」
「あ、御母様も彼の事はご存知なんだ?」
「一応紹介はしてある余。実際に対面したし、色々気に入ってくれたのは良いんだけど、そのままつまみ食いしようとした時は本気で怒った余」
「それは色んな意味で鬼すぎるw」
ルイも思わず笑ったが、あやめはその時を思い出したのか少しだけ憮然としていた。
「まあ、話を戻すけど。少し前を境に、あの人から良いモノを貰う機会が増えたんで、余の精気が満ちてるんじゃないかって思いました」
「……今の話を聞いてた感じ、向こうから貰う、というよりあやめちゃんが襲ってるんじゃ」
「それはまあ、見方次第じゃないかなー……?」
「なんで目の前に居て視線が合わないのよ……。あと、お相手様は大丈夫なの?それ」
「……こよりちゃんには、ホントに感謝してますって伝えてください」
えへへと笑うあやめがこっちを見ないままとんでもない事を言ったので、ルイは呆れるしかなかった。
「うーん、こっちの方がアキ先輩には似合いそうだけどなぁ」
「えー?いくらなんでもセクシー過ぎない……?あ、でもそれが目的だから良いといえばいいのか」
「ラミィ様にも似合いそうだけどなあ、色はこっちの方が良さそうね」
それぞれの配信が終わった後、アキロゼ、ちょこ、ラミィの3人が作業通話を繋げながら眺めていたのは、主に夜着るための、かなり布地の薄い衣服の販売ページだった。3人とも同性が羨む程の極めて恵まれた体型の持ち主なため、特に胸やお尻のサイズの関係で買える衣服が限られるという贅沢な悩みがあり、時折こうして眺めていたりするのだった。
「ラミィ様は最近、またサイズ大きくなりました?」
「そうなんだよぉ……、団長にお勧めしてもらったお店でようやく供給が安定してきたから、そこは一安心だけど」
「ノエちゃんはまあねえ、あれで純粋な人なんだからよくわからないわよねー」
ここの3人は悪魔1、ハーフエルフ2であり、悪魔はもちろんの事、ハーフエルフも大概本能に訴えかける体型の者が多いのだが、件の団長はここの3人を大きく上回るモノを持っているため、(ネタではあるが)たまに人なのかを疑われていたりする。
「ちなみにちなみにー、成長したのって、やっぱり揉まれてるからなのかしらぁ?」
「もー、すぐそういう話題になるんだもんちょこ先はー……。まあ、たぶんそうだけどぉ!」
「あー、前はあんなに色々悩んでたのに、随分吹っ切れちゃって……」
ニヤニヤと聞いてくるちょこに膨れ面するラミィだが、否定はしなかった。それを見たアキロゼもあらまぁといった表情である。
「いいことよねぇ。ちょこはいつも通りだから、特に変わらないかしら?」
「思ったんだけど、ちょこ先のお相手って毎日干からびてたりしないの?」
「もー、ちょこをなんだと思ってるの?毎日じゃなくて1日置きだし、ちゃんと加減してますー!」
「あ、1日置きではあるんだ」
ラミィのやり返しに憤慨するちょこだが、普段の様子からしたらそう思われてても致し方無いだろう。現に、アキロゼも少々意外そうな顔をしている。
「アキちゃんは前に一緒に質問答えたじゃん!」
「いや、そういえばそうだったなーって今思い出したわ?」
「だって、ちょこ先がきっかけでこよりが個人用のお薬とか作ったわけだし、あれなかったらヤバかったって事なんじゃないの?」
「あ、あの時は色々あってお腹空いてたんだもん!あと、あの人にちょっとトキメイてたタイミングだったから……」
「なるほど?」
「そこで指ツンツンされても、ラミィ達トキメイたりしませんからね?」
「ちぇー」
今では様々なホロメン、というよりそのお相手がお世話になっているずのー印の特製薬、個人用に調整する必要性を知るきっかけになったのがちょこの相手だった。
「アキちゃんはお仕事の休みにしっぽり?」
「そうねー。でも、あの人はお店のご飯の仕込みがない日じゃないとお休み出来ないから、その辺は運も絡むんだけど」
「あの居酒屋美味しいですもんねぇ。すっかりホロメンの行きつけの一つになってるじゃないですか」
「バイトの子達も気が利くから、色々助かってるしねえ。その分、私が行く時は少しだけあの人に頼んで、終わった時の賄い増やしてあげたりしてるんだけど」
「おー、ちょこも今度協力してあげようかしらー」
そんな事を言いつつ、ダラダラと服を眺める3人。
「でも、アキ先輩から彼を悩殺したい!なんて相談される日が来るとはねぇ」
「アキちゃんはそういうの、得意かと思ってたわ?」
「アキロゼの事をなんだと思ってるのよ。そりゃあ、ベッドの上でのダンスも得意だけど」
「腰グイングインなんだろうなあ」
ベリーダンスが得意というアキロゼ。腰を動かす事に定評があったからこそのラミィの言葉である。
「でもねえ、乗り上げる機会がなきゃ披露も出来ないでしょ?」
「それはまあ、そうだね」
「そろそろ繁忙期だからって、ここの所の彼ずーっと忙しそうにしてるから、なかなか声掛け辛いなって」
「だから、向こうから手を出させたいってことね?」
ちょこの言葉に頷くアキロゼ。
「見た目が1番分かりやすいかなって思って、アキロゼはオールウェイズカモンな訳だし」
「店主さんはそういうの奥手なのぉ?」
「昔はそうだったわ。でも、大分素直に求めてくれるようになってきたから、きっかけさえ作ってあげたら来てくれるんじゃないかなって」
「なーるほどねー。あ、ならこより様に頼んで作ってもらったコレ、後で分けてあげましょうか?」
「なにそれ?」
ちょこが手元に持ってきた小瓶を見て、首を傾げる2人。
「私とかトワ様のフェロモンから作った香水なんだって。悪魔のフェロモンだから、効果はお墨付き♥」
「……それって、媚薬「香水よ?」アッハイ」
ラミィが思わずツッコんだが、ちょこの割り込みに黙った。
「実際には、嗅いだ人の好きな匂いと、若干の興奮作用って感じかしらね。匂いに関してはホントに人によるみたいよ」
「悪魔ってすごいのねー」
「ご飯のためだから、仕方ないわー」
ちょこの説明に感心するアキロゼ。
「うーん、なら少し貰っちゃおうかな」
「え、アキ先輩使うの?」
「今すぐには使わないけど、彼がちゃんとお休みが取れそうな時にこっそり使ってあげようかなって」
「気を遣わないで済む日ならって事ね?わかったわー、こより様に連絡しておくわねー」
「さっきの服も買ってみたし、これなら彼も乗り気になるんじゃないかしら」
「うわー、いつになくアキ先輩が本気だ……」
「そりゃそうよ?アキロゼも期間空いてるんだし、ガッツリ求められたい時もあるじゃない。ラミィちゃんもそうでしょ?」
「まあ、それは分かりますけど……」
ラミィも顔は赤らめつつも同意した。
「やっぱり、たまには強引に求められたいものよねぇ」
「ちょこ先はいつもそう言ってるじゃん」
「仕方ないわよぉ。どうしたってちょこが優位になる事だもの。でも、それを踏まえてあの人が色々努力してるのも知ってるから、いつも楽しみなのよ?」
「色々と上級者すぎる」
「まあ、トワちゃんも似たような事言ってたし、悪魔は皆こうなのかもね?」
ニコニコと笑うちょこに2人は苦笑していた。
「こんな話題が続いたついでに、最近試したこと話してもいい?」
「悪魔のプレイって言葉にすると悪そうよね」
「たしかに。でも、色々参考になるのも分かるんだよなあ」
「うふふふ……」
まだまだ3人の夜は続きそうだった。