ご都合設定マシマシです。
その5『学生の恋愛には独特な夢があるよって話』
とある日のこと。
「学生の頃の恋愛?」
「そう!」
ホロメンの間でも割と有名な星街家での食事会での会話にて、主催であるすいせいが熱弁していた。
「ほら、アタシはあの人捕まえるのにとんでもない時間が掛かったのは有名になってるけどさ。もしだよ?もし仮に、学生の頃から付き合う事が出来てたら、どんな事してたかなーって妄想することもあるわけよ」
「あー、ちょっとわかるかも。まつりは工業高校だったから、同級生ほぼ男子だらけだったけど、あの頃は誰かと付き合うとか考えたこともなかったしなあ。ちょっと飢えてたこともあるし、普通の共学だったらなあ?とか憧れたこともあるわー」
「か、かざまは女の子ばかりと遊んでいたので、そんな事考えたこともなかったです……」
この日来ていたのはまつりといろは。なかなか珍しいメンバーだった。
「それでさ、これは大きな声では言えないけどさ?どうせなら恋愛というか、色々とヤッてみたかったこととかもあるじゃん?」
「おー、すいちゃんもわかる口だねぇ?薄い本なら定番だし、まつりもあの人と同じ高校ならそりゃもうズッコンバッコンしたかったし」
「な、ななな……!?」
ニヤッと笑う2人と真っ赤になる1人。
「いろはも想像してみ?彼氏さんと同じ学校で登下校したり、放課後デートとか、屋上でお昼とかさ?」
「そうそう。人目のつかないところでそっとイチャイチャ出来たらなーとか、ない?」
「あっ、あっ、そ、そんなっ……///」
推しとその手の話に強い先輩2人に迫られて完全にショートしてしまういろは。でもぷるぷるしながらも目が泳いでいるあたり、何かしら考えてしまっている様子だった。
「ふふふ……、それでさ?この話を前にこよりに会ったときにしたわけよ。そしたら、『こよにおまかせ!』って言ってたから、どうにかなるんかなーって」
「我らがずのーだから、なんとでもなりそうじゃない?」
「うちのずのーはどの方向に進んでるんですか……?」
「まあまあ、それよりこんなのはどうかな?」
既に何やら動いている者もいるようで、このあとも妄想について話し込む3人だった。
そして後日のこと。
「じゃじゃ~ん!」
「……いつものVRセットじゃん」
こよりに呼ばれて研究室へと向かったすいせい、まつり、いろは。ドヤ顔で迎えた彼女の傍らには、メンバー達もお馴染みの装置が鎮座していた。
「ノンノン!実はですね、これかなーり改良しまして!実際の学校をモデルにした場所へ転送する装置です!」
「「「転送?」」」
馴染みのない言葉に首をかしげる3人。
「はい!どうせなら、実際の雰囲気に近づけたいなと思いまして、使いたい人をこの間聞いてみたところ、みーんな興味津々でしたので!だったら同時に送り込んで、ほんとうに学校生活っぽい雰囲気を出してみたいなと!」
ニコニコと説明するこより。
「それぞれの立場、制服などは予め設定しますが、その先にいるのはメンバーとパートナーのみんなだけ!ですので、それっぽく動いてもらいつつ、合間にイチャイチャしてもいいよということです!」
「な、なるほど……」
なにやら不思議パワーで都合よく出来るんだなと無理矢理納得する3人。
「微調整したら本当に使えます!なので、皆様のやりたい設定などを予め考えておいてくださいね!モブ学生とか先生も出せるようにしておきます!」
「「「はーい!」」」
そんな訳で本当に妄想を実行に移すべく、それぞれが動き出すのだった。
1.歌姫の原石の場合
「おーい、お昼いこ?」
「ああ、うん。ありがとう」
教室の扉からすいせいが顔を出してきた。もちろん校内でも有名なアイドルである彼女の登場に、教室内の学生たちも沸き立つが、呼ばれた男は特に驚くこともなく彼女と共に歩き出した。
「おー、屋上ってこんな感じなんだねー」
「おーって、こうしてほしいってこよりさんに頼んだんじゃないの?」
そのまま向かったのは校舎の屋上。2人して柵の側に腰を下ろした。
「頼んだけど、実際見たのは初めてだし。アタシらの学校そもそも屋上入れなかったじゃん」
「今どき入れる所のほうが少ないんじゃないかな」
「そういう意味では入れた時代って羨ましいね」
雰囲気台無しなやりとりだが、すいせいには関係ないようだった。
「それで、結局こよりさんには何を頼んだの?」
「『屋上でお弁当食べて、そのまま授業をサボってイチャイチャする流れみたいな』って感じ。言ったらなんだけど定番じゃん?」
「たしかに、僕もわかるくらいの流れだね。それがしてみたかったのかい?」
「いや、学生デートとかの想像力がなかっただけw」
苦笑する2人。
「でも、実際やれてたらもう少し早く捕まえられてたかな?」
「どうだろうね。そもそも学生時代って学校での絡みなんて少なかったような?」
「アンタが距離取ってたからでしょ。アタシは全然気にしなかったのに」
「すいちゃんはともかく、後で背中を白い目で見られるのは僕なんだけど?」
「そのくらいドンと受けなさいよ。すいちゃんの彼女できるんだぞ?ほら、もっとくっついてよ。あーんできないじゃん」
「無責任すぎる……、これでいい?」
その間も詰め寄ったり、お弁当からあーんしたりとやりたい放題しているすいせい。
「ところで、すいちゃんの制服はどうよ」
「これ何時ぞやのホラー企画の時のやつ?」
「そうそう。着る機会なんてそうないから、こよりに頼んでデータとして取り込んでもらったの」
「似合ってるよ。かわいい」
「そりゃそうよ。あたしだもん」
紺色のセーラー服に身を包んでいる彼女を褒めると、ドヤりつつも少しだけ頬を赤らめる。
「制服といえばブレザーとセーラーがあるけど、あんたはどっちが好きなの?」
「いや、そもそも制服趣味ないけど……。強いていえばすいちゃんはどっちも似合うんじゃない?」
「ふーん、じゃあ今度はブレザーのコスプレでもしてあげるからね。次は一緒に下校デートとかしよう!」
「……うん、楽しみにしてる」
次の計画を楽しそうに話すすいせいをみて、彼は何も言うことなくそう答えるだけだった。
要求シチュ『お昼に彼を連れ出して屋上であーんとか色々』
2.清楚担当で皆のアイドルの場合
「どうどう?チア服可愛くない!?」
「うん、可愛いよ。似合ってると思う」
「だよねー!いやー、着てみたかったんよ!」
2人きりの部屋で、チアリーダーの服を着て喜ぶまつりとそれを見て感想をいうまつりのパートナー。
「ここは?」
「漫画とかでよくある構図で部室を作ってもらった!ほら、ここに長椅子とかロッカーとかありがちじゃない?」
「……たしかに」
どうやら部室を再現した部屋のようだ。
「ちなみにさっきまで他の生徒さん達とホントにダンスしてきたんだよ?」
「だから汗かいてるんだね」
「ただ着るだけじゃ勿体ないじゃん。ちゃんと楽しまないとね!」
椅子においてあったポンポンを持ってシャカシャカと振るまつり。
「ここすごいんだよ?隣にシャワー室まであるんだって」
「私立でもなかなか無さそうだけどね」
「ね、一緒に行こ?シャワー浴びながらイチャイチャってありがちだし」
「見たことあるからわかっちゃうのがなんだかなあ……」
彼の手を引いて2人で隣へと移動すると、衝立で仕切られてカーテンまで閉められるシャワールームがあった。
「うわー、いかにもヤッて下さいって感じじゃん!w」
「博衣さんってこういうの理解出来る人なんだ?」
「まあずのー担当と言いつつ、ピンクコヨーテとか割と言われてるしね」
「そういう清楚担当はどうなのさ」
「えー?こんな据膳乗らなきゃ損じゃない?」
ニコニコと笑いつつ彼を壁際に押し込んでカーテンを閉めるまつり。
「うわ、ちゃんとシャワーも温めだ。支障なくできるの凄いなあ」
「服ごと行くのはいいの?」
「だんだん脱いでいくのも醍醐味じゃない?あと、さっきも言ったけど折角着たんだし、このままイチャつかないところで勿体ないって。君の反応もいいみたいだし、今度買っておこうかなー?」
シャワーによって濡れたことで張り付いたチア服が、薄いとは言われるものの確かにあるまつりの膨らみに張り付いた事によって、先端が既にぷくりと膨らんでいるのがわかる。どうやら下着の類いは付けていなかったらしい。彼女の露出したお腹や腕に跳ねる水も、2人の興奮を煽っていた。
「ね、時間はいっぱいあるらしいし、たっくさん楽しもうね?」
上目遣いと少し上気した顔で彼の胸元から誘ってくるまつりに、彼は頷きを返して抱きしめていくのだった。
要求シチュ『チア部の活動後に彼を部室に連れ込んで〇〇したい!シャワールームとかあれば尚良し!』
3.秘密結社の用心棒な侍の場合
「こよりさんから一昨日くらいにここに至るまでの説明の連絡貰ったから、いろはがむっつりスケベなのは理解したけど」
「なんでわざわざ連絡してんだよあいつー!あと、かざまはむっつりスケベじゃない!」
配信でも使っている衣装のセーラー服を纏ったいろはが、学生服姿の彼の言葉に憤慨した。
「いやいや、試運転に呼ばれてちゃんと参加したってことは、なんだかんだ想像したりヤッてみたいことがあったってことでしょ?十分むっつりじゃん」
「なぁ!?」
彼の冷静な指摘に顔を真っ赤にするいろは。
「そ、想像しちゃ、わ、悪いか!!」
「誰も悪いなんて言ってないって。いろはが潔癖ってわけじゃないけど、予想外だなあって思っただけだよ」
「だ、だって学生の頃はこんなの無縁だったのに、漫画とかアニメだと色々してるからつい……」
うぅ……と呻いている。
「でも、か、かざまの想像だと貴方しか出てこなかったでござるよ。だから……」
「それは嬉しいよ。折角だし楽しまなきゃね」
「う、うん!」
手を差し出す彼に、ニコニコで繋ぐいろは。
「それで、今回は何をどうすればいいわけ?服装は学生だけど、ここ道路だよね?」
少し不思議そうに辺りを見回す彼。
「色々考えてみたんでござるが、学校で色々よりも、一緒に下校するのが一番しっくり来たでござる」
「……あー、なるほど!だから、ぼやーっと見覚えあったのか!違和感凄いけど、よく出来てるねぇ」
「最寄り駅からかざまの家までのおおよその衛星写真を元に作ったらしいでござる。通り過ぎたりしてる人はAIらしいでござるよ」
「挨拶とかまでしてるもんね。思わず返しちゃったけど、なにそれこわいってなってたよ」
「それには同意するでござる」
恐れるべきは、ずのーの本気であった。
「そ、それで、でござるな?」
「うん?なに?」
なにやら取り出した紙をちらっと見てから、真っ赤になるいろはを見て、不思議そうに返す彼。
「ふぅ……、い、いくでござるよ?」
「お、おぉ、気合入れてる……。いいよ?」
「あ、あの!『こ、こここ、この後、ウチには誰もいないけど、こ、来ない!?』」
「……え、それって」
噛み噛みながらもブンブンと手を振り回しながらそう言ったいろは。繋がった手を振り回されながら思わず呆けた彼。
「……あー、わかった。そういう事?随分大胆なお誘いだ」
「だ、だって!制服デートっていったら、最後はそうやって誘うのがお約束だって、相談したまつり先輩から言われたでござる!!」
「あぁ、ちゃんと誘ってる自覚はあったのね、良かった。あと、まつり先輩ありがとう」
「どっち向いて拝んでるでござるか!?」
「いや、まだ学校に居るんだろうからあっちかなって」
急に拝み始めた彼に慌てるいろはだったが、彼からしたら当然のことだった。
「一応確認で聞いておくけど、その格好っていろはの持ってる本物じゃないよね?」
「え?うん。来た時は私服だったでしょ?これはあくまでデータでござるよ。どうして?」
「この後、たぶんその服はぐちゃぐちゃになるだろうから、配信で使えなくならないか心配になっちゃって」
「な!?」
「そのつもりで誘ったんじゃないの?違うって言われてももう無理だけど」
「無理ってなに!?いやその、誘いはした、ケド……」
真っ赤になって俯くいろはだが、グイグイと彼に引っ張られて歩き出すあたり、特に抵抗はしていないようだ。
「この辺りならだいぶ道もわかるね。ほら、早く行こう」
「な、なんでそんなに乗り気でござるか……?」
「いろはに誘われて乗らない男は居ない。学生気分ならなおさら」
「だからって張り切り過ぎでござるよ!!」
彼から並々ならぬやる気を感じたいろはは、少しだけ頑張ってしまった自分の勇気を悔やみ、このあとの展開に少しだけ期待してしまうのだった
要求シチュ『放課後に一緒に帰るのと、その、おうちにお誘いしてみたいです……』