※この作品はR-18です。

ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで―   作:暁深夜

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淫獄の女王が美人で割と普通

 最初の感想は、“この世にこんなにも美しい女性がいたのか”だった……。

 夜空に溶け込む、暗い翼を彼女は広げていた。背は高く、瞳は紅く妖しく光る。そんな、女性だったせいで、その女性が居るという情報以外が遮断されていた。

 

「こんばんは。突然ですが、恋人になってくれませんか?」

 

 僕は生まれてこの方女性に言い寄られたことなんてなかった。だって、同性扱いされる上、見下されてしまっていたのだ。

 だから、次に不信感を覚えた。

 

「な、なんでですか!?」

 

 だって、その人は、生涯で見る最も美しい女性だと確信できるほどの人だったからだ。

 それに、僕は女みたいだと言われてきた。確かに背丈も低く、筋力もない。

 

「一目惚れしちゃいました……。あの、中に入ってもいいですか?」

 

 ふと、一気に周囲の情報が脳に流れ込んだ。彼女が窓の外に立っていることも、異種族であることも。

 そして、届くはずのない声で会話をしていることも。気づけば、彼女の声は僕の頭の中で響いているかのようだった。

 

 精神干渉の魔法。それも、洗脳効果を除外している。精神干渉魔法を普通に使ったのであれば、多かれ少なかれ精神に影響してしまう。でも、そうなっていないのは、彼女が高度な魔法使いであり、少なくとも僕では抗えない相手である証拠だった。

 

「なんで尋ねるんですか? あなたほどの魔法使いなら、許可なんて無しに入れるでしょ?」

 

 窓を開けるのなんて簡単なはずだ。離れている僕を拘束することも簡単なはず。でも、そうしない。

 

「恋しちゃったんです! 好きになってもらえるよう努力します!」

 

 窓越しに見えるその目は、真摯であるように見えた。

 こんなにもきれいな女性に、こんなにも真剣に告白してもらえるなんて、きっと二度とない経験だ。だから、悪魔の欺瞞(ぎまん)でも構わないと思ってしまったのだ。

 

「そこまで言ってくれるなら、わかりました。いいですよ……」

 

 衣服は……露出は多めだけど、周辺で多少は見かける程度だった。

 ついで、夜空が尾をひいたのかと思うような紫色の髪がはためき、地面に足を付けるとそれがストンと腰まで落ちる。側頭には、艶やかな臙脂(えんじ)の角が光り、目尻にちいなさほくろがあるのを見た。

 改めて、それは天下無双の美女だった……。

 

「ありがとうございます。私、淫獄女王、アスモデウス・マキネルって言います!」

 

 そして、それが部屋に入ると腰を折って頭を下げたのだ。僕なんかが借りられる、安宿の一室で……。

 

「あ、悪魔じゃないですか!?」

 

 大変なものを呼び入れてしまったと思った。美しいはずだ、彼女は色欲の女王なのだ。この世で最も淫らな地獄の王として神話に名を残している。

 

「はい……悪魔です……」

 

 それが何故か礼儀正しくしている。脳が混乱して、情報の咀嚼(そしゃく)を拒んでいる。

 

「えっと? え?」

 

 だから、言葉に意味を持たせられなかった。

 

「あ、もっとえっちな格好のほうがいいですよね!? 悪魔ですもんね!? あの、そういうことをしたいなら私の支配領域の方がいろいろ出来て楽しいですよ?」

 

 えっちなことをするのに、彼女の支配領域より向いている場所なんて存在しない。だって、世界一えっちな場所だから……。

 

「えっと……あの、結構普通の服装で……」

 

 僕が言うと、彼女の顔がパッと明るくなった。

 

「人間さんたちに迷惑かけないように露出を抑える特注品です! 普通ですか!?」

 

 淫獄の女王が僕に告白しに来るために努力をしていたのだ。妖艶でみだらな雰囲気は一転、健気で慎ましやかな女性像へと転じた。

 

「で、でもなんで僕なんですか!?」

 

 問題はそれだ。僕は全くモテないのだ。

 

「だって、世界一可愛いですもん! 鏡見たことあります!? ぷっくりとした唇! まんまるおめめ! 真っ白な髪も綺麗ですし、瞳の色はおそろいですね! もう、運命ですよ!」

 

 いや、大体なんで淫獄の女王様が僕なんかに敬語を使っているのか。本当に謎だらけだ。

 

「いや……あの……」

 

 外見なんて褒められたことはなかった。せいぜい好事家(こうずか)に売れるという話を聞いたくらいだ。

 

「恋人になってくれたら、淫獄で私の次に強い存在になれますよ?」

 

 そこに劇薬が投げ込まれた。

 

「あの……よろしくお願いします……」

 

 力のないこと、これは僕の一番のコンプレックスだった。それが解消される方法を目の前にぶら下げられて断れるはずがない……。

 

「じゃあ、拐(さら)っちゃいますね!」

 

 彼女は指を鳴らした。でも何も変わっていないかのように思えた。

 

「はい、淫獄(いんごく)到着です!」

 

 しかし、彼女は言うのだ。

 

「ええっと?」

 

 もう、流されっぱなしだった。

 

「淫獄(いんごく)であなたのお部屋と同じものを作らせたんです。それと、あなたの部屋ごと入れ替えて、拉致完了です! ほら、窓の外を見てみてください!」

 

 言われてみてみると、景色が違った。二階にいたはずが、今は一階。窓の外に美しい庭園が広がっていた。

 拉致という表現はびっくりしたけど、ここから僕の賭けが始まる。彼女の言葉が悪魔の欺瞞(ぎまん)か、それとも契約か。契約なら僕の勝ち、だって指をひとつ鳴らすだけでこんなに大きな魔法を使えてしまう彼女の次に数えられる実力を得られるのだから……。




現在連載が最も進んでいるのはノクターンノベルスになります。
https://novel18.syosetu.com/n4294ik/

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