ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
「ところでさ。メタくんはアルトリアちゃんのことどう思ってるの?」
アスモデウス様は、唐突にそんなことを言い出した。なんだか、少しにやけたような、からかいと嬉しさが入り混じった顔で。
「ドウ……トハ?」
メタトロンの半分の顔が困惑の表情を浮かべていた。
「そうだなぁ……。永遠に目の前から消えなければいいって思わない?」
あぁ、アスモデウス様が何をしたいのかわかった。きっと恋はメタトロンにはわからないのだ。
「ソレハ、オモイマス……。人ハ、アマリニ儚イ……」
永遠に近いような、ずっとずっと昔から生きているマキネルたちにとって人間の一生なんて一瞬だ。
「だよねー! 人間の一生は、本当に一瞬! って、私たちが長生きしすぎなのかもだけどね!」
アスモデウス様は僕を抱き寄せながら言った。僕を、愛おしいという目で見つめながら。
「わわっ!」
それは少し急で、僕は驚いて声をあげる。
「神様の許可を得て、私はアレンちゃんを淫魔にする決断をしたんだ。あ、メタくんも神様に伺いを立ててみたらいいよ!」
神様かぁ……。アスモデウス様の話を聞く限り、僕らの世界を作ったのは懐が広い神様のようだ。それにアスモデウス様の家族。会ってみたい。
「良イノデショウカ……?」
なのに、なぜ天使たちは恐れているように見えるのだろう。
「もう! いつまでラグナロクのこと引きずってるの!?」
と、アスモデウス様は少しむくれた。ラグナロクは、人間の神話ではいずれ来たる神と悪魔の最終戦争。世界すら巻き込んで、終わらせる戦争だ。
ところが、神話の世界に足を踏み入れてみたら、神と悪魔は既に仲直りをしている。もう、戦争とまで言われるような戦いは怒りそうにない。良くて喧嘩だろう。
だから、最終戦争は平和的な結末を迎えた後なのだ。世界を壊さずに、ラグナロクは終わっていたのだ。
「シカシ、良イノカドウカ……」
天使たちは不安なのだ。
「それは! ラグナロク前の神様!!! はぁ……一緒の行くから、伺い立ててみない?」
なんて、アスモデウス様はちょっと呆れていた。
「ワカリマシタ……」
きっと神様は、そのラグナロクの前はちょっと懐が狭かったのかもしれない。
「アレンちゃんごめんね。幸せ見せつけて、メタくんにも幸せになるために行動して欲しかったの!」
あぁ、だから僕を抱き寄せたのかと納得した。それに、アスモデウス様は申し訳なさそうな顔をするけど、気にするようなことじゃない。
「役に立てて嬉しいよ?」
むしろ僕はそう思っている。初対面だけど、家族になる予定のあいて。幸せである分には、いくらそうでも困りはしない。
「ありがとう! もう大好き!」
なんて、もみくちゃにされてしまう。喜ばせるとすぐこれだ。
「わわわ! もう!」
愛されてる実感が湧いていいんだけどね……。
「睦マジイデスね……」
と、メタトロンが言うと共に、カランと何かがこぼれ落ちた。
「こ、これ……」
焦った。天使が死んでしまうと思った。
「大丈夫だよ~! メタくん、最近こういうのよくある?」
アスモデウス様はそれを拾い上げる。まるで、時計に使われるような小さな歯車だった……。
「ハイ、何代カ前ノトーチャーカラ……」
悪魔と天使の最近は、人間だと数代になってしまう。時間のスケールがあまりに違うのだ。
「そっか! いいね! で、トーチャーってアルトリアちゃんのこと?」
状況から見てアスモデウス様はその答えを導き出した。
「ハイ」
それだけかと思ってしまうようなメタトロンの返答。だから、僕は焦って補足した。
「アルトリア・トーチャーっていうの! アーサーって人の家で、賢者マーリンの弟子の一族だよ!」
そう、天使はやっぱり聞いたとおりにちぐはぐなのだ。心が未発達で、人間らしさも未発達。長すぎるその一生の中の刹那の瞬間に大きく変化するから。
「そっかそっか! 教えてくれてありがとう!」
アスモデウス様はその小さな歯車を、大切そうにしまった。
そんな歯車で、人間一人の大きさのこの天使を作るのに一体どれほどの数が必要なのだろう。僕には想像つかない数だということだけよくわかる。
「良ケレバ、ソレヲアルトリアニ、届ケテクレマセンカ? イツモ拾ウノデ……」
トーチャーはメタトロンの歯車を集めていたのだろうか。すると、彼女たちのところにいくつのそれが集まっているのだろうか……。
「アレンちゃん、いい?」
アスモデウス様に聞かれるまでもない。
「うん!」
答えは決まっている。僕はいつだって、マキネルに、優しい天使や悪魔たちに協力したい。
「よし! じゃあ、神様のところに至高天に乗り込むよ!」
いよいよ神の秘中の秘。神本人の居る
本当に、とんでもない人生だと思う。人間界で最底辺で泥水をすすっていたと思いきや、今や教会の権力者たちが望んでも届かないような栄誉と、嫌悪される大罪の中を歩いている。大罪と美徳は対立しておらず、でもそれを言葉で言っても無駄だろう。対立の歴史はあまりに長いのだから。
だからこそ、松明持ちの悲願に期待している。聖典の原典が見つかれば、それは受け入れざるを得なくなるだろうから……。