※この作品はR-18です。

ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで―   作:暁深夜

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伝説に挑む

 そんなコルビナ商会での一件を終え、僕たちは冒険者ギルドを訪れた。

 僕を侮辱できる人はいない。松明持ちの威光がここでも活躍していた。逃げ切ったのだ、奴隷堕ちからも、慰安用のポーターからも。さんざん利用しておいて申し訳ないとも思うけど、僕は僕だ。

 

「兄ちゃんと姉ちゃん! 訓練場抑えたよ! いつでもSランク試験出来るって!」

 

 マックスが善意でこれをやってくれた。底抜けに明るくて、本当にいい子だ。願わくば彼も幸せになって欲しい。

 

「おう! トーチャー! このガキ見所あるぞ!」

 

 彼の横には魔剣のスパーダがいた。松明持ちのメンバーだ。

 そんな彼の言葉に僕は胸をなでおろした。

 

「次代の松明持ちを担ってくれるのかもしれませんね」

 

 なんて、アルトリアは静謐な声で、だけど満面の笑顔で。

 

「俺が松明持ち!? なりてぇけど……」

 

 商談をしている間に、圧倒的な実力差を感じたりしたのだろうか。

 

「あぁ、今は弱ぇな! 今はだ! いいか? 一番大切なものをてめぇは持ってる。その底抜けに気持ちいい心根だ! そいつは根性になる! お前が、くじけそうなとき誰かが支えてくれるからな! そしてそいつは仕事を呼び込む! 気持ちいい奴が居るって噂が、お前に頼みてぇって奴とお前を引き合わせる! 実際、俺たちと出会っただろ?」

 

 スパーダはマックスの頭を撫でた。他人だけどまるで父親のようだった。

 伝説が言うのだ、間違いあるまい。実際マックスは今、松明持ちたちに導かれている。

 

「私たちはこうして、ずっとパーティーを存続させ続けました」

 

 だからアルトリアはきっとこの光景が嬉しくてたまらないのだ。まるで松明を渡すかのように、その伝説を受け継いでいく。きっと出会った時の本人の資質なんて関係ないのだ。否、彼女らにとって資質とは心に宿るものなのだろう。

 伝説も、間近で見てしまえばそれはただの友人の物語。詩歌で聞くのとは随分違う、情に溢れた人間味の物語だ。

 

「んで? 今回は、お前さんが俺らと一緒に冒険に行ってくれる。そういうことだな!?」

 

 スパーダは僕をみて、マックスに接する荒くれた父のような笑顔から一変、少年のような笑顔になった。

 

「はい! よろしくお願いします!」

 

 彼らとの冒険が楽しみだ。礼儀作法なんて彼らにはないけど、そんなものはどうでもいい。

 

「滾るぜぇ! 強い奴と冒険してこその冒険者だ!!」

 

 この人たちも多分異端。というより、きっと上下なんて考えているのが面倒で、冒険をしたい。そんな人たちなのだろう。だって、こんなワクワクしているような顔で笑うのだ。

 

「さぁ! 行きましょう! 彼の実力を示しましょう! そして、Sランクにふさわしく松明持ちと共に戦うに相応しい事を示しましょう!」

 

 他の冒険者たちは、アルトリアの言葉に耳をそばだてていた。頂点だからだ。女性でありながらも、一定の憧憬を……。そして、残るものたちからは嫉妬を受ける英雄だ。この人間界でそれがどれほど破格か、徹底的に女性が生きづらいこの文化を突き破った人だ。

 だから彼女が言うと、その場にいる全てが闘技場へと向かった。

 

――――――――

 

 闘技場は松明持ちたちに囲まれる。それをさらに冒険者やギルド職員たちが取り囲む。冒険者として生きるからには、その一戦何があっても見過ごせないとばかりの視線が送られていた。

 アルトリアは杖を構えて僕に言った。

 

「さて、先程も言ったように魔法だけで勘弁してください。それと、手加減してください」

 

 アルトリアは明らかに僕を恐れていた。勝てるなんて微塵も考えていない僕を……。

 

「えっと……僕が手加減するんですか?」

 

 僕が言うと、構えを解いてしまったのだ。

 

「当たり前です! あなたが本気を出したら、私は死にます!」

 

 過大評価されてる気もするけど、そこまで言われるとかなり怖い。手加減して、アルトリアの対応を見ながら、戦うことにしよう。

 

「そんな、化物みたいに言わなくても……」

 

 ただ、ちょっと寂しかったのである。だって、アルトリアは人間の枠組みを突き抜けた化物。すなわちSランク冒険者だ。彼女に化物扱いされたら、もう同格の相手など存在しない。

 

「実際、化物なんですよ……その魔力」

 

 アスモデウス様の魔力も膨大なら、僕だって膨大だ。それはわかってるけど、アルトリアだって聖痕を持っている化物のはずなのに。

 彼女が、聖痕を完成させて転生する種族は半天使(ネフィリム)。いつになるかはわからないけど。人のことを言えないと思う。

 

「わかりましたよぉ……手加減します……」

 

 不満タラタラである。それと、ドレインも自重しようと思う。公衆の面前だ、淫獄騎士団やアスモデウス様、ルシフから学んだ魔法も使っていいだろう。ただ、威力は制限して、殺さない程度に……。

 

「早くしろー!」

 

 野次が飛んできた。言っても、アルトリアと僕。目の敵にする人物はどうしてもいる。アルトリアが、やっかみを受けるのも日常茶飯事だろう。

 

「そろそろ、抑えが効かないみたいですね……。始めましょう」

 

 少し水が刺さったけど、今の僕はこの伝説にどこまで通用するのだろう。

 ポーターは魔王と天使長。そんな松明持ちの異例の一団に紛れ込む、元Fランク冒険者。願わくば、僕の無能の歴史よ、今日で終われ。

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