ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
明日からダンジョンアタックだというのに、軽い気持ちで見送ってしまったことを後悔する。
アルトリアは祭りのあと、倒れたままコルビナ商会の倉庫に搬送された。原因は、脚部の疲労である。
ものすごく意外だ。彼女は今日の今日まで人類主席を貫いてきた。彼女が弱いとか全くそういうものではない。彼女は強かった。Sランク冒険者という憧れを突き抜けた先にいた。僕はズルをしていたのだ。
魔王に力と知識を与えられ、彼女を打ち破っただけ。でもそれはよく考えれば、彼女も天使長から力をもらっている。人類からしたら、僕たちはどちらもズルをしたことになる。
コルビナ商会の倉庫には大量の綿花と、種がいくつか、そして樽に詰められたぶどうジュースが一樽ある。ジュースはこれからワインになるのだ。
「さて、アレン殿。そのアスモデウス様の所に商品を持って行っていただいても結構ですよ!」
この短時間で二千四百デナル分を用意してくれた。ルーカに足を向けて眠れないだろう。
「実は……これだけ大量に運んだことがないので、一旦魔界と天界に行ってきます!」
そう、彼には全部喋ってしまった。だから、アスモデウス様とメタトロンを呼んでみよう。メタトロンはもう、アルトリア救助のためだ。彼なら、明日までにアルトリアを回復できるかもしれない。
「ぶどう踏み……重労働です……。身体強化すればよかった……」
腑に落ちた。彼女が人類主席でいられたのは、身体強化魔法のせいだと。
「ふふっ、メタトロン様が何とかしてくれますよ!」
アルトリアが僕を止めようとするけど、もう遅い。止めようとしていることに気づいたときには、指を鳴らしてしまっていた。
僕は転移魔法の習熟度が少し低い。だから、指を鳴らすと止められないのだ。アルトリアに関しては、まだわからないけど……。
そんなわけで、僕は淫獄の魔王城の執務室に居た。
「あちゃー」
聞きそびれてしまったのである。
「どうしたの?」
ここに来た理由はアスモデウス様が居るかと思ったからである。二重にあちゃーだ。彼女に聞かれてちょっと恥ずかしい。
「あ、やっぱりお仕事中だったよね……。急にごめんなさい。取引が終わったんだけど、荷物が多くて僕じゃ運べなくて。それでね……」
僕はアスモデウス様に商談の顛末を話した。最初は心配そうだっただったアスモデウス様の顔がどんどん明るくなっていく。そして、僕が話を終えるとアスモデウス様は言ったのだ。
「よくそんな人見つけたね! アレンちゃん、大手柄です! 国益100点満点!!」
と、絶賛てくれたのだ。
事後承諾になってしまったけど、何一つ間違っていなかったみたいだ。ほっと胸をなでおろした。
その後、アスモデウス様は着替えながら僕と話していた。人間界行きの布の服に。
「よかったぁ……話してて緊張しちゃったよ……。どう? ルーカさんと秘密裏に交易するなんて!」
商品だけ、それも出来るだけ人間界で再現不可能かつ文化的背景をもたない商品の交易。それなら、人間界の文化は保たれるはずだ。
「大名案だよ! でもすごいなぁ……。そこまでやってくれると、あとはやりたい放題だよ! アレンちゃん最高!」
ここまで褒められると、ちょっと罪悪感が出てくる。自分ひとりで成し遂げたわけじゃないという、どうしようもない感情が。
「ほら、アルトリアさんが紹介してくれたから……」
なんて言ってみるけど、アスモデウス様はなんだってお見通しだ。
「うん、いい結果が出たね! でもね、それってアレンちゃんが淫獄を思って行動しようって考えたからなんだよ! だから、その心根が100点満点の国益になっただけだよ!」
聞いたばっかりだった。才能は心根に宿っているって言う言葉を。マックスが受けていたあの言葉、ひょっとしたら彼の人生を支える柱の一つになるかもしれない。あぁ、本当に、ずっと年上なんだなって思わされた。
「そっか! 褒めてくれてありがとう!」
だから僕は、子供のように喜ぶことを許された気持ちになった。
「ありがとうはこっちの台詞!」
なんて、アスモデウス様がいうものだから、二人して笑った。
そして数瞬後、またアスモデウス様が口を開く。
「メタくんも呼ぶんだよね? アルトリアちゃんのために!」
明日のリーダーのことを忘れるところだった。今も彼女は足の疲労に苦しんでいる。
「そうだった!」
とはいえそんな疲労なんて、深刻に考えられない。油断したら心から抜ける。
「じゃあ、一旦メタくんのところ行って、ルーカくんの倉庫に行こう! はい! 手をつないで!」
物事があれよあれよと片付く。軽快で痛快だった。
「うん!」
僕がアスモデウス様の手を握ると、アスモデウス様が指を鳴らして、天界へと移動する。
黄金天、メタトロンのいる天界の聖堂に直接転移した。前回は少し観光させてくれたのだ。とはいえ、天界はちょっと寂しいけど。
でも、聖堂の中には自由に飛びまわる天使が増えた気がする。まだ、体感でしかないけど。
「姉上サマ?」
メタトロンは本を読んでいた。それは、マーリンとアーサーを題材にした人間界のどこにでも置いてある小説だった。とはいえ本は高価であり、松明持ちの財力の一端を知った。
「アルトリアちゃんがちょっと大変だから、人間界に行こう!」
アスモデウス様はちゃんと“ちょっと”と言っている。でも、メタトロンは本を閉じて置くと、急いで立ち上がった。
「今スグ行キマショウ!」
恋の力は偉大だなと思ったのであった……。