ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
コルビナ商会の倉庫に戻ってきた。大量の綿花が収められているそこに、ルーカも居て扉の外を見張っていた。
「アルトリア! ドコデスカ!?」
アスモデウス様はちゃんと“ちょっと”と伝えているのに、メタトロンは必死だった。転移するや否や、声を張り上げて、アルトリアを探していた。
「メタトロン様!? あの……心配しないでください。ただの、疲労です……」
と、アルトリアは結構近くに居るものですぐに声が帰ってくる。それに悲壮感なんて有りはしない。
確かに彼女にとっては少し大変だろう。足が棒のようになっているのだ。
「アルトリア……。ヨカッタ……、無事……ソウ……」
メタトロンは、アスモデウス様を見る。少し、恨めしそうな目だった。
「私、ちゃんと“ちょっと”って言ったもん!」
そう、一応ではあるけど深刻ではないことをちゃんと伝えている。
放っておいても、回復して当たり前。軽い疲労蓄積状態だ。
「アァ……ソウデシタ……私トシタコトガ」
本当に人間味に一気に溢れるようになった。アルトリアの為にこんなに慌ててしまうだなんて。人間の恋人だってもう少し冷静だけど、それはつまり愛情が深いことでもある。
見ていて、嬉しかった。
「メタトロン様、すみません……」
アルトリアは謝罪するけど、彼女自身何も悪いことをしていない。アスモデウス様の遊び心が絡んでいたかもしれなくて、悪いとしたらそれだ。
「何ヲ謝ル事ガアリマスカ? アナタノタメナラ、スグ駆ケツケマスヨ!」
そう言って、メタトロンが微笑んだのである。
扉を監視しながら聞いていたルーカがつぶやいた。
「一樽では足りませんでしたね……」
恋愛なのか、それとも天使の無償の愛なのかわからないところだったけど、流石にこれならわかる。これは恋愛だろう。聞き逃してしまうほどの情動を含んでいるのだから。
「ルーカくん! 遠慮しなくていいよ! これからは、商売のパートナーでしょ?」
アスモデウス様はルーカに声をかける。
「よろしいので?」
ルーカは念のためといった感じで、質問を返してきた
「もちろん!」
それに答えるアスモデウス様は満面の笑みだった。
「お初にお目にかかります、私、ルーカ・コルビナ。しがない商人でございます」
彼ほどしがないという言葉が似合わない男もそうそういない。赤字で当たり前の孤児院を経営しているのだ。そして、僕でも名前を知っているのだ。
「またまたぁ! 大商会の会頭さんが何言ってるの? あ、アスモデウス・マキネルです! 一儲けしようね!」
アスモデウス様にも商売の心得がある。国とは商会だ、命に対する保証を売る。
国民は税でそれを買い、今の淫獄のお金の価値は、命に対する保証を買えるからこそ有る。こうして、金本位制を脱したのが今の淫獄だ。この通貨の形態の発見者が他であれ、国内で施行することのできる人の才を商才と言わずなんという。
「これは、大船ですな! このルーカが経験したこともない巨船、まさに千載一遇です! これは、アレン殿に足を向けられません!」
と、ルーカは喜びに笑ったのだ。
「ふふふ、いい船長が乗ってこそだよ! それで、そこにあるのを貰っていいの?」
ちょっと寂しい気もする。だって、ルーカとアスモデウス様が直接取引したら、僕の出る幕はないかもしれない。
「はい! アレン殿に売っていただいた媚薬の対価です! 詳細は……あぁ、アレン殿。あなたが、ご報告なさる方がきっと良いでしょう……」
理由はわからないけど、とりあえずルーカが商売のことで悪いようにするはずなどない。言ったとおりにしてみることにした。
「はい。綿花とその種少々。合わせて2400デナル分! それから、好意で一樽分のぶどうジュースをもらったよ! しばらくするとワインになる!」
報告すると、近くにいたものでアスモデウス様に抱きしめられてしまう。人前だ、ちょっと照れる。
「うーん! 完璧! 最高! 大好き! でも、種はいらなかったよ?」
アスモデウス様は褒めに褒めてくれる。僕は少し、考えなしの行動もしてしまっていたのに……。
「え?」
なぜ種がいらないのか、それがわからなかったのだ。
「綿花の種、淫獄で育ててみたことがあるの。そうするとね、どうしてだか伸びる繊維ができちゃうの……。今も栽培してるけどね!」
アスモデウス様が試さないわけがないじゃないか。淫獄に既に綿花の種があっても当たり前だ。僕の考えが及ばない部分だった。
「では、種の分も綿花をご用意しましょうか? それと、その伸びる繊維! 何か作れそうではなりませんか? わたくし共の繊維と合わせて!」
しかし、僕の考えなしは、全部を考えられる以上の成果を産むことになるのだ。
「あっ! ルーカくん! 名案だよ! 淫獄の綿花をあげるから、一緒に開発しよう! 種のことはいいよ! これからいっぱい儲かるから、新しい農園用に保管させて?」
なんてこんな話になったのだ。
商人はすごい。仕入れ間違いを、どうにかこうにか儲けにしてしまうのだ。
「ごめんね……」
間違えた部分を謝るのではあるけど……。
「全然! 淫獄のことを思ってくれた気持ちがすごく嬉しい! それに今回はその気持ちが、新しい商機に出会わせてくれたよ!」
なんて、アスモデウス様には全肯定されてしまうのだ。
「全くです! 想う気持ちがアレン殿に有り、活かす気持ちがアスモデウス様にあればこそ! このとおり、素敵な商談が生まれます!」
結局心持ちである。心持ち一つで、僕のミスが、完璧を超えた結果にされてしまった。もう、心からビックリなのだ。