ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
その遺跡は、マーリンとソロモンが作ったとあって、魔法的な仕掛けが盛りだくさんだった。少し進む間に、珍しい魔法を何度も目にした。
「あ、マーくんだ!」
そんなマーリンも、アスモデウス様にかかればこのように呼ばれてしまう。人類最古の英雄が、文明と魔法の歴史の原点が。
像を納めるようなくぼみに、半透明のそれが映し出される。マーリンは間違いなく、ルシフの魔法体系を理解している。でなければそんな魔法は存在しない。
『言葉は通じているだろうか? ここにいる私は、単なる記録に過ぎない。よって双方向のコミニュケーションは諦めてもらいたい。さて、ここに来たのは君らが神曲の原典を求めているからだろうか。それとも、我が友は迷ってしまったのだろうか。前者なら私の足元にある、壁を押すといい。原典への地図を納めた。後者なら、我が友に冥府の道をどうか教えてやって欲しい。ここまで来たとあれば、もはや君らを阻むものはないのであろう』
マーリンは賢者の名にふさわしい、穏やかさを持って語りかけてくる。優しい微笑みに、柔和な瞳。その姿は、少しガブリエルに似ていた。男性だったと聞いていたのに……。
『おい! まだ盗掘者って可能性があるだろ!?』
映像は乱れ、バタバタと物音が聞こえる。他の声が聞こえた。
両賢者……男性だと書いてあるのに、女性みたいな声だ。どっちも……。
『えー!? ソロモン! 君は、ちょっと心配性すぎるんじゃないかな? 大丈夫だよ! あの罠で生き残れるのは、天使とか悪魔とかだよ?』
なぜだろう、マーリンが可愛い……。そして何故か母性を感じる……。
『念を入れんのさ! 盗掘者であの罠を食らったなら、ひと押しで心が折れるだろ!』
しかし、恐ろしい話だ。僕たちが通ってきた道には、劣化が見られなかった。しかも、彼らの言葉を鵜呑みにするなら罠もあったらしい。それが解除されたあとを通り抜けたのだ。
『わかった、君が言うなら念を入れておくれ』
次にくぼみには、ショートカットの少女が現れた。
「あ、ソロモンくん! 相変わらずリリィっぽくて可愛いなぁ……」
そう、ソロモンはまるで少女なのだ。となると、僕らの知っている彫像は最大限男性的な外見として解釈されたものである筈だ。
『もしも! お前らが盗掘者なら、こっから先はやめておけ! さっき食らった罠をいくつも仕掛けた! お前らみたいなザコに突破できるもんじゃねぇよ! あ、わかんねぇやつは悪い! 楽しい方の仕掛けを楽しんでくれ! ちびんなよ! ざぁこ♡』
ソロモン……絶対淫獄に行ったことがあると思う。
そもそも二人は天使と悪魔から魔法と文明を教わった存在だ。ソロモンはその悪魔に教わった側。人生に淫魔が関わっていても不思議じゃない。
「お……おい! 両賢者って、男……だったよな!?」
そのくぼみが空になると、スパーダは言った。ひどく驚いた顔で。
僕も驚いていて、その気持ちはよくわかる。
「うん! 二人共男の子だよ! そうだ! 淫獄にソロモンくんの知り合いが居るから、後で王宮に呼んでもらえるように言っておくよ!」
と、アスモデウス様は言う。神話が身近すぎる。だって、家系図に神と魔王と天使長が書かれてしまうようになるのだから。
「驚きました、二人共女性に見えます……髭を生やしたりしないのでしょうか」
時折あることなのだが、女性的な顔立ちに生まれた人は髭でごまかしたりするのだ。アルトリアはそれに言及したのである。
「二人共生エナカッタノダ……」
メタトロンが衝撃の事実を明かした。
だったら、僕はもう少しまともな扱いを受けても良かったのではないだろうか。だってリリィっぽいと淫獄で言われる仲間だ、ソロモンも……。
ちょっと損な時代に生まれてしまったかもしれない。
「ともかくこれだ! 原典への地図があるそうではないか!」
くぼみの下の壁は、一つだけ材質の違うレンガがある。マーリンが言ったそれを指差して、ローランスは言った。
「念のため……」
ラルクは、そのレンガの隙間から中を覗く。物理系の罠であれば、それで仕掛けを見破れる可能性がある。
そして、扉を開くための仕組みなどは基本隠す必要がない。開けられたくなければ、鍵でも付ければいい。
「どんな構造がありますか?」
僕は訊ねる。仕掛けを探すのが彼の役目、それが当時の日用の仕掛けかどうかを判断するのが僕の役目。そして、魔法的な仕掛けを見破るのがアルトリアの役目だ。
「魔法文字……これ」
そう言って、地面にその魔法文字を描く。
「これは、切断ですね。周囲に線が書かれていませんか? その線を描かれたものを、線にそって切断する魔法です。主に、加工に使われます」
それは誰でも知るポピュラーな魔法だった。アルトリアが役目にそって、教えてくれるがよほど疎い人でなければわかるだろう。
「うん……物理的仕掛けは見えない。親切に覗き穴がある。罠はないと、主張しているみたい……」
そこまで言うと、ラルクは離れローランスに交代した。
「なら、私が開ける!」
そう言ってローランスはその一つだけ違うレンガに触れる。
すると、壁は崩れてゴーレムが現れた。
『現在時刻……5000年以上のちの時代を確認……。再プログラミングを待ちます……』
そして、そう言って道を開けてゴーレムはがっくりとうなだれた。幾重にも防衛機構が組まれている。きっと、早く目覚めすぎてしまった場合ゴーレムを相手しなくてはいけなかったのだろう。しかも、淫獄で見る素材だった。
その奥には、マーリンが言ったとおり地図が置かれていたのであった。