ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
食事が終わり、食卓が片付くと僕たちは地図を広げた。これがまた、恐ろしい代物だったのだ。
広げた瞬間羊皮紙は裏返り、球の形を成し、宙へと浮いた。
「こ、これは……」
アルトリアはその光景に、驚いた。
いや、誰もが驚いた。ただひとりを除いて……。
「そっか! そっか! これがあなたの見た世界なんだね!」
その声はペネムから発せられた。まるで、人間が一生かかって得るような感慨を含んだような声だった。
「なんなんですか?」
僕はそれが何を表してるかわからない。
「クネシュ・ヤル! ソロモンが見た世界を全部ここに示されるんです! ほら! こうやって!」
ペネムがそれに触れ、手を動かすとその場所が拡大され広がっていく。どんどんと平面に近づいて、ある一定を超えると立体になった。町並みがまるで目の前に広がるような、それは地図というにはあまりに写実的で、スケールの大きなものだった。そう、まるでソロモンが居た世界をそのままここに持ってきたかのようだ。
「なんという……」
「これが……地図……」
言葉を失うとはこのこと。感嘆の先、その感情は命名不可能だった。何もかもが未経験の領域。両賢者の偉大さの片鱗しか、僕たちは知らなかったのだ。
「ねぇこれ! これが遺跡のマークポイントじゃない?」
僕もまだ、淫獄の片鱗しか見てなかった。そりゃそうだろう、千年を、万年を、長大な歴史を持つ国だ。それを学ぶのに、一体どれだけの時間をかければいいのだろう。あぁ、アスモデウス様。この淫獄は、僕に無限の冒険をくれる。
「あ、きっとそうです!」
アスモデウス様は口は出すも触れようとしない。よって、それはペネムによって操作された。
地図は一度球に戻り、そして映し出す。僕らも知っている山の位置を。それは、山ではなかったのだ。その時は、石の巨大なレンガを積み上げた四角錐だったのだ。
「待ってください! この位置は……あれが人の手で作られたものだってことになります!」
その山は誰もが知っている。人類にとって最も有名な山だ。霊峰ヴェルトゥムヌス、人間の信仰における最大の聖地である。
「はい! ソロモンとマーリンくんの二人に、その時二人が納めた国のみんなと、こっそり私で作りました! あそこに、置いてあるんだぁ……」
懐かしいものを見る、ペネムの瞳。どこか光が揺らいでいるように見えた。
「嘘だろ……」
本当に、感嘆の先の感情が命名できない。あまりに大きな出来事があって、呆然としてしまうのは僕もスパーダと同じだ。
「あのね! これ、複製するから、これ自体はペネちゃんにあげていい?」
そんな、アスモデウス様の問への答えは、松明持ちにとって当たり前のものだった。
「え!? もちろんです……。あの、複製もできるんですか?」
むしろ、アルトリアの言葉を聞けば、これが一個しかなかったとしてもペネムに渡すつもりだっただろう。
「思い出かぁ……いいなぁそれ!」
少なくとも、反対する人などいるわけがない。スパーダがこんなに嬉しそうな顔をするのだから。
そして、ローランスとラルクが深くうなづくのだから。あぁ、同じ気持ちだ。うなづかずにはいられない。
「うん! じゃあ……」
そう言って、アスモデウス様が手を叩くと、淫獄の革を漂白したものをメイドが持ってくる。
よく考えれば最新のデモンズ・アーティファクトだ。
冒険者が持ち帰る戦利品のうち、人の手によって作られたものをアーティファクトと言う。時代や作成者によって区分けされ、元の賢者の工芸品のみ特別にヒストリカル・オリジンと呼ぶ。そして悪魔が作ると、デモンズ・アーティファクトととなる。
「……よいしょ!」
そんな軽いノリで、伝説が出来上がるのは、ここに魔王がいるせいだ。
「え!? もう出来たの!?」
思わず聞いてしまう。
「うん! ほら!」
アスモデウス様はその複製された地図に、魔力を流し込んだ。すると起動して、球体になったのだ。完全に同じもの。寸分の狂いのない複製が一瞬で作られてしまった。
「うわ! 本当だ!」
さっきペネムがやっていたのを真似してみると、それは僕にも使えた。
文字は全部が遺跡で見た、その文字を知らなくても大まかに意味を理解できてしまう象形天地字である。そして、そこにはアスモデウス様が神曲と訳した文字と本を表す文字の両方が示されている。
「んふふ! じゃあ、これはペネちゃんにあげちゃうね!」
元の地図の方は、丸めた羊皮紙に戻されてアスモデウス様のてから、ペネムへと渡った。
「ありがとうございます! 大事にしますね!」
その瞬間を松明持ちたちは、うなづきながら見守っていた。
「思い出の品が、持ち主に戻るってぇのは……醍醐味だなぁ……」
スパーダはしみじみとつぶやくのである。
「はい! 冥利に尽きます」
と、アルトリアもそう思うらしい。冒険者の頂点は、最も危険な遺跡からそれを持ち帰る。遥かなる時を超えて、今ソロモンの描いた世界がペネムのものになったのだ。
「アァ、人ノ子ハ神ノ子ダ……」
メタトロンは喜ぶ松明持ちの姿を感動の眼差しで見守っていた。そして、またメタトロンから一つ歯車が落ちたのであった……。