※この作品はR-18です。

ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで―   作:暁深夜

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聖痕の刻印

 それが終わると、松明持ちの拠点へと戻ってきた。しかし、何故だろう……。

 

「オ帰リナサイ。オ食事、用意シマシタ!」

 

 ノリノリでメタトロンがメイド服を着ているのは。しかもご丁寧に、人間界風のメイド服である。

 

「ふふっ……あははは! ノリノリすぎだよメタくん!」

 

 松明持ちと僕は呆気に取られていた。

 

「どうしているの!?」

 

 思わず訊ねた。そもそもどうやってきたのか、なぜメイド服なのか。

 

「チョットシタオ茶目デゴザイマス」

 

 メタトロンはノリノリであった。しかし、重要なことを忘れていたのである……。

 

「え!? え!?」

 

 僕たちは、マックス少年を連れて帰ってきていたのだ。

 

「どどど、どうしましょう……」

 

 珍しく完全に取り乱したアルトリア。天使と悪魔を、マックスが目撃してしまったのだ。

 

「アワッ! アワワテテテテハイケマセン! コウナッタカラニハ、彼ヲ次代ノマキネルノ契約者ニ!」

 

 将来的には松明持ちと関わる以上神話との関わりが生まれる。遅かれ早かれではあると思うけど、予想外だったのだろう。

 

「お! そりゃいいな! 聖痕刻んでもらえ!」

 

 意外にも一番慌てていないのがスパーダ。基本的に彼は楽観的である。

 

「わわっ!」

 

 彼に押し出される形で、マックスはメタトロンの前に出た。

 

「……えっと……。マックス、初心者冒険者です!」

 

 気まずい、誰よりもマックスが一番気まずいだろう。なにせ、神話とのファーストコンタクトがこんな形である。メイド服の天使長と対面したのである。

 

「エット……黄金天天使長……メタトロンデス……」

 

 この空気どうしてくれようか……。

 

「なぁ、こいつをマキネルの契約者にしてくれるんだろ!? だったらよ、どっちにしろアルトリアはあんたと一緒に地上を去っちまうんだろうし、こいつに地上で聖痕をになってもらわねぇか?」

 

 スパーダは馬鹿ではない。時に誰よりも思慮深いことを直感から口にする。聖痕を持つということは、人類主席を担うということ。その重圧はあるだろう。

 

「君ハソレデ良イダロウカ? 必要トハ思ウ。ダガ、君ハ誰ヨリモ力ヲ持ツ人トナリ、彼女ノ代ワリニ、冒険者ギルドヲ、背負ワナクテハナラナイ……」

 

 そのことはしっかりとメタトロンから伝えられた。

 

「はい!」

 

 それをマックスが受け入れて、次のトーチャーの次を担う一族になることに同意したのである。

 

「ぷふっ……メイド服で……」

 

 なんて、アスモデウス様が笑うせいで緊張感が台無しだ。

 

「もう!」

 

 今回ばかりは、例え相手がご主人様でも小突かずにはいられなかった。

 

―――――――

 

 確かに食事が用意されていた。なんと、黄金天産だったのである。メタトロンの手料理だったのだ。何か加護がありそうな気がした。

 そんな、食事を終え、拠点の庭へと移る。そもそもマックスを連れてきたのは、彼を鍛えるためだ。

 

「心ヲ落チ着ケ、受ケ入レナサイ。ソシテ、聖痕ヲ恨ムコトガアレバ言イナサイ」

 

 メタトロンは着替え、しっかりと天使としての風格を取り戻していた。僕らは見守る、彼が聖痕をその身に宿す事を。

 

「はい……」

 

 マックスは深く息を吸い、目を閉じて膝を折って祈った。

 

「刻ムゾ……」

 

 急に心配になった。聖痕を刻まれる感覚とはどのようなものなのか……。

 

「あの、マックスは大丈夫でしょうか?」

 

 だからその聖痕を全身に受けたアルトリアに思わず訊ねた。

 

「問題ありません。聖痕を受けるのは心地よく、世界との一体を感じるだけです」

 

 よく考えてみればそうだ。あの神様の子供が人間に痛みを与えたがるわけがない。それが痛いのであれば、誰も聖痕を持っていなかっただろう。

 

「あ……ふぅぁ……」

 

 マックスの口からは安らかに、まるで眠りに落ちたような声が漏れる。そして、ほろりと涙がこぼれ落ちた。

 

「サァ刻印ハ終ワッタ。コレマデヨク、生キテキタ。コレカラハ、神ト私タチ天使ガ共ニアル。安心ナサイ」

 

 それは、一片の混じりけなしの祝福なのだ。メタトロンはマックスを抱きしめ、その頭を撫でていた。

 

「はい……えっぐ……」

 

 マックスの涙は止まらない。

 

「全てが許されるようで、心の中のモヤを全て吐き出してしまうのです」

 

 アルトリアは言う、きっと彼女もその祝福を受けた時にそうなったのだろう。

 

「アァ、思イ出ス。アーサーモ、代々ノトーチャーニモ、胸ヲ貸シタノダ。懐カシイ……」

 

 メタトロンは満足げに微笑んでいた。あの大英雄が、初代のトーチャーが彼の胸で泣いた。マックスもさぞ誇らしいのだろう。今、英雄の通過儀礼を受けているのだ。

 

「俺……俺……立派に果たします!」

 

 トーチャーが決して折れないのは、天使たちとのつながりがあるからなのだろうか。

 そして、また一つ、メタトロンからは歯車がこぼれ落ちる。それが、締まらない。

 

「え!? あ……」

 

 マックスは慌てたのだ。天使を壊してしまったのだと思ったのだろう。

 

「心配いりません。メタトロン様はよく歯車を落とします。落としたところが、人のような肉の体に置き換わるのです」

 

 きっと、胸を貸すうちに一つ一つ歯車を落としていったのだろう。そして、その感慨がメタトロンを人に近づけていくのだろう。

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