ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
その後、松明持ちの男性陣を人間界に戻してからコルビナ商会へと転移した。男性陣はマックスの訓練相手だ。アルトリア、僕、アスモデウス様の三人が商会行きである。
「これは……もしや、そちらのお方はアスモデウス様ではございませんでしょうか? 私、この商会で会計士の任を頂いております。エティエンヌ・ルヴァランと申します。どうぞお気軽にエトとお呼びください」
正統派のイケメンであった。燕尾服を優雅に着こなし、貴族とも遜色のない礼をする。そしてなにより、会計士はお金を扱う立場だ。決して地位が高いわけではない、だが信用を得る必要のある地位であることは間違いないのだ。彼がここにいる理由が分かる。僕らがいつ来てもいいようにだ。
「エトくんね! よろしくー! アスモデウスですー! ちょっと、ルーカ君に会えたりしないかな?」
アスモデウス様が言うと、エトは荷物の山からカーペットを取り出して地面に転がしたのである。
「先導させていただきます。会頭には皆様のことを最優先とする旨、伺っております!」
もはやVIPである。いや、さもありなんだ。地獄のという但し書きがつくが、女王が居るのである。
「ありがとう!」
エトはカーペットの横を歩いた。よって僕らは真新しいカーペットを踏みしめることになった。
アスモデウス様はなれているかもしれないが、僕とアルトリアはおっかなびっくりである。
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カーペットは他の場所にも敷いてあって、ルーカの居る部屋まで途切れなかった。
「会頭、ハニードロップの取引相手様がお見えです」
すると部屋の中から小さな物音が聞こえ、そして扉が開いた。
「これはこれは。お待ち申し上げておりました。ささ、どうぞ中へ」
そう、招き入れられたのである。アスモデウス、人間界でも広く知られる七人の魔王の名前だ。悪魔の中の悪魔、邪悪な色欲と称されている。その名前は扉を閉めるまで、口に出すわけにいかない。
ただ、彼女を見て誰が邪悪と思うだろう。……思わない、と思いたい。ドSだけど……。
「アスモデウス様、アレン様、そしてトーチャー様。おかげさまで、儲けさせてもらっております。最近では、蜂蜜酒にお売り頂いた媚薬を混ぜハニードロップという名前で売っております。これが、今や、もともとの粗悪な媚薬を駆逐しつつあります。して、国王陛下も動かれました。これまでの媚薬を魔薬と改め、媚薬として売れる薬は依存性がないことを条件にふくむことになるのです! 来月から!」
最初は小声で、しかしルーカの声には徐々に熱が入った。
「あの国王陛下が!?」
僕は驚かずにいられなかった。だって、人間界の女性蔑視的宗教にどっぷりと浸かった人である。
「魔薬は男も犯しています。貧民で、未来に希望のないものは、虚ろな目で笑う性奴隷すら羨ましく見えたのでしょうな……。体を黒く変色させ、死に至らしめる病の罹患者がある地方で増えたのです」
それは僕の母を殺した病だった。でも確かに、そんな病に犯されて死ぬくらいなら、薬で何もわからなくなってしまったほうがいいかも知れない。
ただ、魔薬が必要だなんてことは言えない、悲しいことだ。
「ごめんね、アレンちゃん。これから嫌なこというかも……」
アスモデウス様は悲痛な顔をする。考えられる範囲で、僕にとっては逆だ。
「言って……」
信頼する。アスモデウス様が僕を裏切ったことはない。
「うん。淫獄には、大体の病気に効く薬があるの。元々は人間界の小さながつくるんだけどね、それは淫獄で今も元気に繁殖してる。その薬を大量に無料で譲るから、その病気の人を助けてあげてくれる?」
アスモデウス様は、切実に懇願するように言った。淫魔は苦しみは嫌いである。
「悪魔とは、名ばかりですね……。まさに、神の慈悲。どうか、こちらからも、いくら金を積み上げてでもお願いしたい……」
ルーカは頭を下げた。
僕の思ったとおりだ。母さんにそれが間に合わなかったのは残念でならない。きっとその頃アスモデウス様は僕を知らなかったのだろう。
でも、僕のように生きることが辛い人がいっぱい生まれるのは嫌だ。そのくせ死んではいけないという宗教と板挟みにされる辛さはよく知っている。そんなもの、減らせるのなら減らせるだけいい。
「もちろん! 今すぐ持ってくるね! お金はいらないよ!」
慈悲の商人に、天使のような悪魔が囁く。不幸を退ける盾の存在を。
「はい! って……あ……行ってしまわれましたね」
ちょっと笑ってしまった。あんなに、人のために急ぐ姿が嬉しくて。
「アスモデウス様ですから……」
だから、僕はあの人が好きなのだろう。きっとこうすると思った。
「天使と悪魔とはなんなのですか?」
その疑問、人間なら誰でも直接触れたなら考えることになるだろう。
「規律から寛容へ、そして楽園を目指す天使。そして、欲望から両立へ、楽園を目指す悪魔。僕はそう解釈しています」
善だの悪だのは人間が考えた概念なんだと思う。何か物事一つとって善悪とはそうそうはいかない。状況があって、理由があって、行動がある。行動の前に、性格があって、継承されていく部分もある。すべて良くも悪くもなんじゃないかなと思う。
継承なしの考え続ける初代たちこそ、マキネル。そこに善悪の概念を当てはめるなんて、おこがましいのだ。
「なるほど。しかし、ほんの少し失礼……。エト! 輸送の準備だ!」
ただ、少なくとも自分に何の利益もないのに、こうやって全力になれるルーカも好きだ。
「はい! 伝達してきます!」
そして、エトは走った。アスモデウス様の薬がどれほどの人を助けられるのかはわからない。でも、一人や二人でも救えたなら、それでも十分に聖女だ。