ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
淫獄の生活は僕の感覚ではたまったもじゃない部分がある。一般人として市井に暮らしていても、女王が突然家を訪ねてきたりすることである。
ただ、淫獄の一般淫魔たちは慣れっこのような感じだ。親しい人が来た時のように女王を迎えるのだ。
そう、ベンジャミンをペネムの家に連れてきていた。
「いらっしゃい陛下! て、あの……その子は?」
玄関先で、ベンジャミンは僕の横で身を震わせていた。
「ほら、あなたのご主人様だよ……」
ベンジャミンを挟んで逆隣、アスモデウス様は彼の背を押した。
「んー?」
ペネムは首をかしげた。まだ、彼女にはわからないようである。
「ベンジャミン、彼女をどうどう呼んでたか思い出せますか?」
僕は訊ねる。彼女と、ソロモンの間にだけあったものを呼び起こそうと。
「鬼畜ご主人様……」
しかし、そこはソロモンだったのである。ベンジャミンにはそれを恐る恐るつぶやくことしかできない。
「え? え? ソロモンちゃ……ん?」
困惑し、慌てるペネム。そりゃそうだ。千年の感傷を終え、新しい恋に踏み出してしまったのだ。
「そうです! 一目お会いできてよかった。再開が遅くなってごめんなさい。しかし、約束したとおり魂は覚えていたみたいです」
僕の考えなし、この先をどうしていいのかわからない。ベンジャミンはそれでも約束なのだからと果たしに来たようにしか見えない。
「陛下、アレン様。これで満足いたしました。約束を果たせたのです。後は、お二人の思うままに」
しかし、ベンジャミンは諦めたのである。何かを感じたのだろう。きっとそれは、ペネムの戸惑いからだ。
「待って! えっと、その……」
ペネムは混乱していた。今更現れてと、心がぐちゃぐちゃになっているのかもしれない。
だって、恋愛をした時間の十倍以上も悲嘆に暮れたのだ。その思いを断ち切るのは難しいだろう。
「とにかくさ、ペネちゃんはリリンちゃんと話した方がいいかなって思うの。淫魔の結婚観って、天使と違うだから」
天使は一夫一妻の結婚が美徳。だが、淫魔はそうではない、多夫多妻も許される。きっとアスモデウス様は最初からそれも折り込み好きだったのだろう……。
「え、えぇっと……」
しかし、状況は混沌を極めるのである。休日の淫魔なんて、基本はえっちなことをしてしていて当然だ。
「あの、ペネム様は……その……動物愛好家の方でして……」
ベンジャミンも相当苦労するだろう。今の主人である僕のため、ペネムをなんと呼んでいいかわからない。それに、元のご主人様の性癖を暴露せざるを得なくなったのである。
「ん……あぁ! じゃあリリンちゃんは今ペネちゃんのペットなんだ!」
淫獄の労働時間は少ない、よって可処分時間は長い。そのほとんどがえっちな事に当てられているのが淫魔なのである。
「あ、はぃ……」
みるみる赤くなる、ペネムの顔。
ベンジャミンの肩から力が抜けていくような気がした。
――――――――
家の中に招かれると、ペネムの師匠であるリリンは猫の格好をして体をくねらせていた。生体衣服を変形させ、猫の姿に拘束するようにされていたのだ。衣服自体が淫具である。
それをペネムがひと撫ですると、拘束は解かれリリンは猫から淫魔へと戻った。ただ、顔を洗う必要があった。度重なる絶頂に、顔が涙でぐしゃぐしゃだったのである。
帰ってきて、一通り話を終えると、リリンは腕を組み頷いた。
「うーん、ペネムがいいなら私はこの子いいと思うけどねぇ。まぁ、とりあえずさ、淫魔の慣例に則ってお付き合いするのがいいと思う」
淫魔は全ての人が同性であり異性だ。だからこそ、多夫多妻にしかならない。それに、望ましいのは全員が愛し合う関係だ。性的にも、それ以外でも。
一夫多妻のハーレムで例えるなら、妻同士も恋愛関係にある状態に近いかも知れない。
「リリンちゃんはそうだよねぇ……。自由結婚派だもんね!」
ただし、結婚自由派と呼ばれるリリンのような派閥はむしろ結婚に慎重だとアスモデウス様から聞いた。その自由な結婚で、人を傷つけないためには調整の時間が余計に必要なのだ。家庭の不和を招くことだけは決してならない。
性病によって死者が出た歴史がないからこそ、こんな奔放な関係を望めるのかもしれない。僕には少し忌避感があるから……。
「はい……外見や聞いた話からは、私は彼を好きになる要素を多く見受けられます。だから彼も家族になって欲しいと今のところは思います」
そう、概念が違うのだ。ちょっと理解できない部分は仕方ない。
リリンはペネムを愛していないように思えてしまったりもする。それはきっと、僕の常識のせいでしかない。
「でも、リリン……。あなたを独り占めできなくなる……」
僕はどちらかというとペネムの考えに近い。アスモデウス様もきっと基本的にはそうだ。ただ、アスモデウス様の場合、意識すればリリンの概念に寄り添えるのだろう。
「いいかいペネム。それをこれから確認しようって話だよ。君は、この子を愛しているじゃないか……。私は泥棒猫なのさ……」
と、すましたように言うリリン。しかし、先程まで猫の姿で快楽に悶えていた姿を見たせいで集中ができない。本当に、台無しである……。