ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
そしてダンジョン探索再会の日、僕たちは油断の愚かさを知ることになった。そもそもここには松明持ちで解除できない罠が多数あるのだ。
「今回もご協力いただけるのですね! メタトロン様!」
メタトロンが協力してくれる、それが嬉しい限りのアルトリアは彼に積極的に話しかけていた。
ジプシエルともそこで合流したのだ。
「モチロン! 疫病モ落チ着キツツアリマスカラ!」
メタトロンはほかの天使たちと一緒に、疫病の収束に手を貸してくれていたのだ。天使たちのおかげでどれほどの人類が救われたのかわからない。広範囲に万延していた場合、死者数は人類の数割ということになっていたことも考えられる。
「それも、本当にありがとうございます!」
そんなアルトリアを僕たちは微笑ましく見ていたのだ。
「ラブラブだよね……」
ただし小声で……。
「うん、本当にね……」
声を抑えてアスモデウス様と初々しいカップルを微笑んで見守って居た。
その時、カチッと音がした。足元からなのだが、明らかに地面よりもっと深い位置。僕らは足を鉄製のブーツで拘束され、背中に木製の板が添えられる。
次の瞬間床ごととんでもない速度で前進したのだ。それはまるで淫獄にある遊園地のアトラクションのようだった。絶対にソロモンはそれを参考に作ったのである。
僕たちは悲鳴をあげながら一気にその階層の中腹を乗り越えて、そのままかなりの距離を進まされた。その速度は余りにも早く、一定以下のロストでは反応はできないだろう。
しかし、それが泊まった時、僕たちの地獄が始まった。
拘束はすぐ外れる。
「い、一旦状況確認を!」
これがソロモンの言っていた非殺傷性のトラップであろう。アルトリアは立て直しのために叫んだ。
しかし、後ろを振り返ると、そこには半透明の魔法の膜が張っていたのだ。なにもなければスリルだけの罠だったのに。それは、悪用されていたのだ。
ふと、声が聞こえた……。
『ようこそ、ここが君たちの墓場だよぉ……』
大人なのか子供なのかわからない、ねっとりとした悪意が肌に絡みついてくるような気持ち悪い声だった。
「アッさん! 転移は!?」
スパーダは叫ぶ。時に本当に頼りになる男だ。
「ごめん、できない!」
アスモデウス様は既にそれを試していた。
「……とりあえず、目の前の脅威である」
ローランスの声が響く、眼前にはギルドに存在する情報の中で最悪のロストが居た。
「推定、アビサル・グレイブとドレットソウル!」
見て推定できる限りの情報を上げる。少なくともトーチャーの一族が遭遇したから、その情報がギルドに存在している。ただそれでも、言うと言わないととじゃ違う。
立ち位置によっては、その敵の全てを見ることができない。
アビサル・グレイブは黒いモヤを守った剣士のようで大きく視界を遮る。対して、ドレットソウルはそれに比べると体は小さく大鎌を振り回す、冥府の暗殺者と呼ばれるロストだ。ドレットソウルは瞬間移動能力を持つと書いてあった。間違いなく、これは編成されたロストの集団だ。
ドレットソウルが機能するように。アビサル・グレイブが覆い隠す。
「ホーリー・スマイト!」
そこに、天使長直々の対悪魔、対ロストの特攻魔法が炸裂した。
「あ、ありえません……ッ!」
だが、僕たちは驚くことになったのだ。瞬間の極光のあと、それらはまだたっていた。
そもそも、本来であればこれはまだ松明持ちが対処できるはずの領域だった。それなのにメタトロンは動いた。
「詠唱時間を稼いでください……人間はこちらで守ります……」
ジプシエルが言う。幽界への道先案内人。彼女にならと思う。
「うん!
躊躇なく展開される、アスモデウス様が全力の戦闘を行うための魔法。
「今ノ声ハ恐ラク……」
メタトロンの声は焦燥に満ちていた。
魔王を凌駕する悪性存在。それは一つしかありえない。
「うん! ベリアル!」
そう、ただその一柱だけ。アスモデウス様は無数の戦闘用の触手を操り、ロストたちの注意を全力で引く。だが、瞬間アビサル・グレイブが消えたのだ。
「ッ……!」
僕には見えた、それがラルクのそばに現れるところを。後衛の、戦闘を俯瞰する役割から殺すつもりだ。情報の提供者から。
カーテナを抜き放ち、その鎌を切り払う。しかし、その斬撃は確かに僕に対処可能だったのだ。
「ごめんなさい!」
ジプシエルは申し訳なさそうにしていた。でも……。
「何をぼさっとしているのですか!? 私たちは松明持ち! そうでしょ!?」
アルトリアは杖を構える、それはまるで半分は自分に向けられた言葉だった。
「そうだ! そうじゃないか! やるぞ! ルチア!」
そう言って、スパーダは魔剣化した剣を構える。ローランスも続き、剣を抜き、縦を構えた。
「目が覚めた!」
その驚異度の上昇率。思考をすれば、絶望しか出てこない。
それまで最弱に近いロストばかりが出てきたのに、今は観測史上最悪が出てくる。その落差は最新部にいるロストがもう、人類では想像ができない領域にあることの証拠だ。
しかもよりによって、退路は絶たれた。アスモデウス様ですら帰れない。
「迷えるものに灯火を、あなたに祈りの歌を。あなたの道灯火を掲げましょう、あなたが決して迷わぬように。旅立ちましょう、あなたの痛みを全て吐き出せる場所へ。死者に愛と安らぎを、あなたに愛と安らぎを。もう二度と迷わぬように……」
ジプシエルが、祈り詠唱する。空気そのものを巻き込んだ、導きの魔法が周囲を埋め尽くしていく。