ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
しかし、考えていられるのもそこまでだった。その女性の目が覚めてしまったのだ……。
「ここ……は?」
彼女はまだ朦朧としているのだろう。周囲を見渡して、次に自分の体を見た。
「目が覚めましたか?」
急いで僕は彼女に尋ねた。
「私は……? そうだ! 私は死んだはず! なのに目が覚めると、あのおぞましい生き物たちに……」
その時、彼女は自分の腹を撫でていた。きっと、あの状態が妊娠だと思っていると思う。だって、人間界であんなにお腹が大きくなるなんて妊娠をした時だけだ。
「安心してください。ここに、その生き物はいませんよ……」
ローパーに犯されると、あんなことになってしまう。そう考えると、少し恐怖に身が震えた。
「何のつもりだ!? そうまでして私の誇りを踏みにじりたいか!? この、悪魔どもめ!!」
確かに、悪魔だ。この国の僕以外、そして彼女もまた悪魔として転生したのだ。
でも、彼女は悪魔を勘違いしている。人間なんかよりずっと優しくて、ずっと誠実。確かに、なんでもかんでも色欲まみれなところはある。でも、僕はこの淫獄の悪魔たちが好きだ。
「ごめんなさい。辱める意図はなかったんです。あれは、事故でした。私たちが見つけた時には、あなたは既にあそこにいました……」
多分、この人は騎士だったのだろう……。口調が人間界の騎士そのものだ。だったら、アルプがいるのはちょうどいい。
「姫殿下、私からも……」
そのアルプに目配せをすると、彼女はすぐに口を開いてくれた。それも、約束を守ったまま。
「お願いします」
とにかく今は姫のフリをしないといけない。なんとか、それらしく振舞うのだ。
「あなたがあのような場所に生まれ落ちたこと、私たち淫獄騎士団一同心苦しく思っています。また、あなたがその生き物、ローパーを孕んでしまうことを防ぐため処置いたしました。なのでどうかご安心ください」
刑罰として使われる生き物だ。きっと、淫魔にとってもローパーを孕むことは辱めなのだ。
「黙れ! 分からぬのだろうな! 女を捨てたこの身が、あのように陵辱される恥辱など! 騎士とて分からぬだろうな! 同じ国の同胞をあのように犯させる悪魔どもには!」
まったくもって誤解している。そもそも人間の女性の騎士と、この国の常識はおそらく最も相性が悪い。本来女性が就かない仕事だ。だから、女性の騎士は女性であるという自覚を否定しながら生きていく。
だが、この国の騎士はそうではないと思う。
「お待ちください……女を、捨てる?」
思ったとおりなのだろう。アルプにはその概念がわからないように見える。
「あれは、我が国の最高刑なのですが、刑罰になっているかどうか……。受刑者たちの表情はご覧いただけましたか?」
僕はこの場では淫獄の姫として、可能なこと全てをしよう。幸い、僕には人間界の常識がある。
やっと役に立てるのだ。できることをしないのは、人間界で語られる悪魔よりも質が悪い。
「あぁ、かわいそうにな! いっそ殺してやれば良いのだ! 洗脳までしてあのような場に閉じ込めるとは……。貴様らに慈悲はないのだろうな! 見るからに悪魔だ!」
怒りに駆られそうだ。彼女は、自身の常識を信じて疑わない。アルプの姿を、角を見てだろう。すき放題言うものだ。
如何にも人間らしい身勝手な言いようだ。
「確かに悪魔でございます。しかし、ここは淫獄なので、それは認めましょう……」
そこまで言うと、騎士は更に身勝手な言葉を続ける。自分の常識が普遍的と信じて疑わないまま。
世界が違うことを教えたのに……。
「忌々しい! 貴様らが……」
止まらなそうだ。だから一旦止めた言葉を僕は強く再開させる。
「しかし! あなたを陵辱するためにここへ連れてきたのであれば、何故ここに姫がいるのです!?」
不本意。だけど、姫と思わせておくことはこの場できっと最も有利だ。考えればわかる。女性という肉体の弱さと、王族という重要性を持ち合わせている。
また、国婿候として扱われた淫獄でのこれまでが、王族という立場を僕に少し理解させた。
「ぐっ……。貴様がそうだという確証は……ないではないか……」
語気が弱まった。少しだけ、激情をなだめることができた気がする。
「そうですね……我が淫獄と、異界のあなた様の国には交流がございません。なので、言葉にて信じていただく他ありません。しかし、ここが王城であることは証明致します。床をご覧下さい……」
この部屋の床はオニキス、紛れもなく宝石だ。
「これは……」
きっとそれが何であるかは理解してもらったはずだ。
「お分かりいただけましたか……?」
こんなに大きなオニキスのタイルを敷き詰めるなど、王城でしかできない。少なくとも、人間の貴族邸では無理だと思う。
「わかった、あなたが姫であることは信じよう。これまでのことを謝罪する。だが、ならば何故私は服を着ていない!? それに、あなたの服は奇妙だ! 捕虜として、当然の待遇を要求する!」
確か、人間の国同士では、騎士は捕虜として換金するのが一般的だった。手ひどい扱いをすれば、それだけ国交が悪化するのだったと思う。
僕は考えたが、ヒントが既に転がっていた。僕の服が奇妙。
「淫獄では、人間界で主に布に使われる原料が生産できません。ですので、皮革などを用いるのが一般的です。この服は淫獄の動物の皮革、ゆえ着せて良いかどうか判断しかねたのです……」
人間で目が覚めた時に淫獄の服を着ていれば絶対に混乱する。多分、そんな理由でアルプは服を着せなかったのだと思う。
「そういうことだったとは……。すべて失礼した……。態度を改めましょう。しかしながら、私にも騎士であり、早急に返還交渉を行っていただきたいのです……」
あぁ、やっと王族として彼女は認めてくれた。でも、ここからどうするかはかなり問題だ。
人間界とは国交がない。さらに彼女は淫魔だ。
しかし、そこにもヒントがあった。
「まずは国交を開かねばなりません。あなたの国の名前と、お時間を頂き国交が開かれたならばすぐに交渉致します。辱めの記憶、お辛いかと存じます。しかしながら、それまで死を禁じることをお許し下さい……。あなたの国へ、友好を示さねばならないのです」
嘘は言っていない。嘘なのは、僕が姫ではなく国婿候であるということだけ。どう転んでもいいように、ここで嘘をついてアスモデウス様に面倒をかけたくなかった。
だから、いつになるかわからない返還交渉に言及しなかった。国交を開かないと交渉ができないこと、国交が開けるまでは生きていてほしいことを伝える。
また、国交が開かれればアスモデウス様は友好を示すだろう。その時にきっと、彼女の国籍はなく、彼女の墓が彼女の祖国にあるとしても……。