ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
色々とちょうどいいことは、ここでは結構起こるらしい。
「アレン君!」
その声に後ろを振り返ると、そこに僕の最愛のご主人様がいたのだ。
そういえば、今はご主人様じゃないのだけど……。
「アスモデウス様! お仕事は終わったの?」
疲れはすっかりなりを潜めた。気が付くと僕の足は勝手に走り出していた。
「おわったよー♡ でも、今はご主人様じゃないんだよ?」
アスモデウス様の笑顔、契約を誠実に果たし更には身に余る気遣いを頂いている。時間は関係なかった。
疲れた心に、その偶然は余りにも刺さった。
「でも、これ!」
次は二日外れない。わかっているのに、僕は彼女に身分証のブレスレットを差し出した。
「いいの?」
嘘をつかれたことはない。それにどうせ貞操帯も付いたまま。
そう、淫紋を成長させ更なる力を得るために必要なこと。
もういいや、僕は彼女を逃がしてはならないと思ってる。理由なんてもう分からない。ありすぎて、あえて羅列するには時間がかかりすぎる。だから僕は、僕の持ちうるすべての権利を彼女に売って彼女の寵愛を買う。
「うん!」
今日からまた二日間、僕は彼女の命令に一切逆らえない。
「わかった……。じゃあ、その前にひとつだけ言わせてくれる?」
唐突に、アスモデウス様が言った。
「うん……」
僕はちょっと怖くなった。捨てられるのか、あの人間の世界に戻されるのか。この世界でなら、身分階級の最底辺ですら幸せなのに……。
「あのね、アレン君。あなたが私に供給してくれる魔力は正直予想の何倍も強かったの。淫紋を消してしまう方法は今はわからないけど、もう魔力的に元は取れてる。だから、一応人間界に帰してあげることはできる。もちろん、魔力は淫紋を消してしまえば元通りに戻ってしまう。だから、今アレン君には三つの選択肢があるよ。一つは、このままこの人間界に帰ること。一つは、淫紋の消し方が分かるまで淫獄に身を置くこと。最後は、このまま私の国婿になること」
あぁ、なんでそんなことをそんなに悲しそうな顔で言うのか。なら期待を裏切られないことを期待して、彼女に質問を返そう。
質問を返すのは、正直今までに感じたどの恐怖よりもなお深かった。それは、死んでしまうという恐怖よりもだった……。
「どうしたいの?」
でもきっと、きっと、言ってくれる。アスモデウス様ならこの恐怖を裏切ってくれる。
「最後がいい……」
それが、僕の差し出した身分証の端が震えていた。
「僕もそれがいい!」
彼女は裏切ってくれた。僕の恐怖を吹き飛ばしてくれた。大体、これだけ好きにさせる努力をしておいて今更放り出すなんて、無責任すぎるのだ。
だいたい体もそうだ。力を得るために仕方なかったとは言え、これだけ調教しておいて捨てるなんて最低だ。でも、彼女はそうじゃない。
「じゃあ、次は二日間、よろしくお願いしてもいい?」
ちょっとヘタレだと思う。でもなんだろうな、そんなところも優しいなと感じるし、可愛いと思ってしまう。
「ん!」
僕は、顔を上げて首輪をつけやすいように構える。顔は、これまでの中で一番熱かった。
だって、あんなにえっちなことをする人に僕は人権を移譲しようとしているのだ。彼女の命令を拒めない状態に、自ら足を進めているのだ。こんなに恥ずかしいことがあるだろうか。
「そっかぁ~♡ じゃあ、付けるね!」
聞こえたのは彼女の嬉しそうな声と、首輪の施錠音。最初は心配性の彼女のため。次は、僕の意思表示のため。
だいたい、彼女は話してくれた。僕を恩着せて一生飼い殺しにすればいいものを、全部教えてくれた。
少なくとも、まだ嫌だ。離れたくない。でも、離れないともっとそう思う気がする。だって、そうなりたいから……。
だって、こんなに優しい人に出会えない。僕が出会った中で最も優しい人はたまたま淫魔で、性的な常識の差があったから慣れるだけ。
まぁ、淫魔の快楽調教にどハマリしてるだけかもしれない。でも、それでも幸せならそれでいいと思う。
「あのね! 僕、淫獄の国民性が好き! どこかアスモデウス様の面影が誰からもちらつく!」
昔こんな言葉を聞いた。“国は王の心を映す、なればこそ民と話せば王を知れる”。流れの吟遊詩人の言葉だった。
こんな美しい顔をした国なんて他のどこにあるのだろう。地獄だ悪魔だと言う割に、ここは楽園だった。
「そりゃそうだよ! だって、建国以来の長い付き合いの子も多いからねー!」
この国の初代国王が彼女だったらしい。そりゃそうなるはずだ。
「ちなみに建国して何年?」
興味本位で尋ねたみた。
「んー? 覚えてない! でも、人間が初めて国を作った記念式典を開催したから……」
彼女は計算しようとしていたけど、僕は質問したことを後悔して止めた……。
「やっぱいい。年数聞いてもわからなそう……」
万年とか出てきそうで恐ろしくなる。しかも、人間の慶事を勝手に淫魔たちも祝っていたのだ。
なんだか、僕は淫魔たちに勝手に仲間意識を感じてしまう。
全くこの国は、いつになったら退屈できるか分からない。