ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
研究所はデートの道程ではあるんだけど、ついでだった部分があったとか。でも、色々と実利的な部分があって楽しかった。
「さて、デートはここからが本番だよ!」
と言われても、アスモデウス様と居られればそれでなんでもいい。
「うん!」
でも、楽しみなのは相変わらずで、きっとこれからも楽しいんだと思う。
石のタイルで舗装された道は、裸足で歩いても怪我をしなさそうなほど綺麗だ。
おしゃべりをしながら歩いている人ばかりで、露天も非常に多い。デートと言われると、あとは教会に行くくらいしか僕には思いつかない。それか、舞踏会の噂は聞くけど、あれは人間貴族のものだし、王城を出たからにはそうならない。
「ところでアレン君! 人間用媚薬の原液貰ってたけど、どうするの?」
この小さな瓶には原液。ここから一滴……一緒にもらった器具で0.05のメモリまで吸い上げて、それをまた一緒にもらったコップの200のメモリまで水を入れたところに入れる。そこからまた、0.05まで吸い上げたのが人間の一回分。小さな瓶なのに、これで何回分になるのだろう。
「今は内緒! いつ役に立つかわからないから……」
人間界に戻った時に使える。きっと、アスモデウス様に喜んでもらえると思う。
あとはどうやって信じてもらおうかなぁ……。他の人間界の生き物にも効くと話が早いけど……。
「ふふっ、そっか!」
アスモデウス様は内緒にしたのに、嬉しそうな顔をしていた。淫魔は善意にもきっと敏感なんだと思う。
だって、誰かの悪口が街を歩いていても聞こえない。正直、ずっと歩いていたって疲れない街だと思う。
ただ、一人で歩いている人同士は結構ナンパし合っているけど……。言ったって、しつこくない。
「それよりさ、首輪付けてる人って結構多いね!」
首輪をつけて街を歩くのはちょっとした変態性癖かと思ったけど、そうじゃないみたいだ。鍵付きの首輪だって珍しくもない。
ただ、鍵付きの首輪は素敵だと言われる。
「一対一で結婚してる子だと付けてること多いよー!」
結婚指輪のようなものなのかもしれない。
「あ、確かに素敵!」
だったら、幸せの象徴かも知れない。
「でしょー? あ、そうだアレン君馬にに乗ったことある?」
なんというか、歩くだけで楽しい。
「無い……」
ただ、こう答えるのはちょっと恥ずかしかった。冒険者なのに、馬に乗るほど遠方の依頼を受ける領域にたどり着けなかったということだから。
「そっかぁ! じゃあ、牧場デートにしよう! 絶対楽しいよー! 淫獄の馬は人間界と違うけどね!」
えげつない生物が出てきたらどうしようかと、ちょっとだけ心配になる。でも、楽しいのは絶対に信頼する。だってアスモデウス様だから。
「楽しみ!」
そんな時だった、とある露天に一人の淫魔が顔を出し、その場に座って声を出し始める。
何かがちょうど始まったという言う感じがして、否応にも目が惹きつけられた。
「本日お日柄よく、お集まりの皆さんに是非お耳に入れたきことございます。ここはひとつ足を止めて、私の話お聞き届けくださいませ!」
よく通る声で、彼女は朗らかに語りだした。
それがなんだかすごく楽しそうな話し方で、つい目がそっちに行ってしまう。
「おっ! 聞いていこう!」
アスモデウスがそう言ってくれて、僕は遠慮なく足を止める。
「皆様ご準備よろしいか? さて、私の雇い主、大枚はたいて私に見せたるは、まさにこの逸品! お目にかけたい、この色艶! 誰が言ったか、我らを守ってくださる騎士たちも、これにはたまらず負けたとか!」
彼女はそう言って、横に置いてある壺から果物を取り出した。
話すリズムが胡散臭くて心地いい。なんだか、そのまま聞いておこうと思わせてくるのだ。
「アスモデウス様、あれは?」
もう、それだけで聞いている価値が有る気がする。
「売り家ちゃんだよー! 新しい商品を売る店が雇って、説明してもらうの! 話し方が上手でしょ?」
本当にそう思う。無料で聞いていていい気がしなくて、ついつい商品を買ってしまいたくなる。こんなに商売の上手な人がいるだろうか。
「こちら、干したばかりの果物。されど、食べればたちどころ! 活力漲る夜の女帝! あいや私、叛意ございません。このように言えとせっつかれてございます! 真偽のほどは分かりません。ならば一粒食べまして、嘘か誠かご覧頂きましょう!」
まるで歌だ、独特のリズムがあって、軽やかで面白い。一つの芸として成り立っていて、それを披露して一つ買わせてしまう。
きっとあとは商品次第なんだと思う。
「皆様ご覧あれ、横に来ました私の弟子。本日、店子役にございます!」
それが職業として成立していて、更には弟子すらお披露目する仕組みまである。
本当に勉強になる……。
「弟子よ! こりゃいくらだ!?」
そして、演劇のようになる。彼女たちは劇団なのだろうか……。
「はい! 首輪をお付けさせていただきまして、あなた様一日借り受けたく!」
「そりゃ、お前の欲望じゃぁないか!」
「はい、そのとおり!」
よく見ると、その師匠淫魔の首にはしっかりと鍵付きの首輪がついている。
観衆の淫魔たちも思わず、笑い声をあげる。弟子淫魔の話し方も何故か心地いい。軽快な正直者を完璧に演じていた。
「こりゃ正直だ! それなら仕方ない、後でじっくり払おうじゃないか! ということで、一ついただきまして、食べたるは……」
いや、いやいや……。こんなところでも、えっちなことになるのかと僕はびっくりしてしまう。
師匠淫魔は、壺から取り出した果物を一口かじる。
「……うまい! 真偽のほどはわかりませんが、こりゃうまい! されどご安心ください、ホントの値段、こちらにございます!」
淫獄の通貨単位はまだ僕にはよくわからないけど、こんな楽しい話をしてもらったんだ、よっぽど高くなかったら買いたい。そこにはちゃんと数字が書いてある立札があった。
「アスモデウス様! すごいね! 僕、あれ買いたくなった!」
「うんうん! それに腕上げたなぁ……」
アスモデウス様はそれを微笑んでみていたのだ。
その後売り場に女王様が現れたせいか、売り家たちは大騒ぎ。夜の女帝なんて話をしていたからきっとなおさらだった。でも城にもいくつかアスモデウス様が買い付けて、本当の店主はホクホクとした顔をしていた。