ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
まさかノクターンに離れてもらえないとは思わなかった。おかげで、帰り道は僕ばっかり彼の背で楽をしていてちょっとだけ心苦しかった。デート相手、女王陛下なのに……。
しかし、そのアスモデウス様はとても嬉しそうな顔で歩いてくれる。気分はだいぶ和らいだものだった。
そんなわけで城に戻って、アスモデウス様と話をしながら歩いていた。
「これで、一緒に遠くまで行けるねー!」
「もしかして、そのため?」
あぁ、なんてことだろう。今回でも充分楽しかったのに、次のデートの話をしてもらえる。
次は轡を並べて遠乗りになるのだろうか……。淫獄の王城周辺の風景は美しく、まるで大都市の摩天楼だった。自然は制圧され、文明の美しさが街を覆っていた。だからといって、自然が全くないわけではなく、よく手入れされた木が道の脇を固めている。
まさに整然とした、秩序の風景だった。文明の力が、完全に自然を制圧する姿を僕は初めて見たのだ。
そんな時、廊下の向こう、曲がり角からレジーナがぬっと姿を現した。すぐに僕に気づき、駆け寄ってきてしまったのだ。
「姫殿下ではございませんか! 是非、お礼を申し上げたく!」
僕は、アスモデウス様を思わず見てしまう。だいぶニマニマとした感じで僕を見ている……。
あーあ……。
「レジーナさん、事故とはいえあのような陵辱を受けてお心は大丈夫ですか?」
仕方ない、彼女の前では僕は淫獄の姫なのだ。
「……正直、思うところはあります。ですが、この城の方々に随分慰めのお言葉をいただきました。私は騎士ゆえ、叶わぬことはきっぱりすっぱりと切り捨てることとしました。何より、他国のとはいえ王族の方にまで慰めていただいたのです。見に余る光栄、いかなる屈辱も塗りつぶさねば騎士の誇りが泣きます」
この人は、僕のいた国とは違う国の騎士かもしれない。誇り高く、忠実で、実直。まるで物語の中から出てきた理想の騎士様だ。
「それはなによりです。少し心配していたんですよ?」
この人なら、人間だという先入観を除外して会話してよさそうだ。さすがに万年Eランクは笑われてしまうかもしれないけど……。
「そんな、気にかけていただき身に余る光栄。騎士として、これほどの誉はございません。して、横にいらっしゃるお方もこの国の王族の方でございましょうか?」
ただ、礼儀作法というのは儀式的な部分が大きくて基本的に面倒くさい。取り決めが数多く存在するのだ。だって、領主が言えば領民にとっては白も黒なのだ。
「はい、こちらにいらっしゃるのは、この国を統治なさっている女王。アスモデウス陛下でございます」
だから、立場を先に明確にしておいてもらわないと困る。それだって気に食わなければ、命が危ない。
「こんにちは! あのね、気を使いすぎだと思うよ! もっと気楽にね!」
ただし、ここは淫獄。人間界の礼節なんて全く関係ない。お互いに心地よく話せればそれでいいのだ。
この国の礼儀作法は、おそらく人間界のどの国よりも単純で明快。善意さえあればなんでもいいんだと思う。だって、女王と牧場主が並んでのほほんとする国だから。
「格別のご配慮痛み入ります。これなるは、レジーナ。ツェーゲ王国にて、騎士団を率いておりました」
そう言いながら、レジーナは貴族の女性のような礼をしようとするのだが摘むスカートが無い。それに、相当不慣れに見える。色々と気を使った結果なのだろう。
そんな彼女に、アスモデウス様は近寄って、後ろに回って肩を揉む。
「硬いなぁ……。疲れちゃうでしょ? 楽にしていいんだよ?」
まさにそれは異文化同士の衝突。彼女は、それに戸惑っていた。
だってアスモデウス様は、礼儀作法がなってないくらいで怒らない。なんならメイドが甘えてきても、甘やかすほど。
「へ、陛下!?」
そんな王は、人間界にも居るには居る。ただそんな王は大体好色だ。
いや、アスモデウス様も好色ではある。ただ、優しく接する対価を求めることなんて無い。
「なぁに? あ、そうだ! 私は淫獄の女王、アスモデウス・マキネル。自慢の王城は楽しんでもらえた?」
想像だけど、ものすごいカオスを感じるだろう。女王に肩を揉まれながら、自己紹介されているのだ。それも、親しげに……。
「はい、素晴らしい城です。四方どこを見ても美しく、優雅でありながら、お、落ち着きもございます!」
もう、どうしていいのかわからないという表情をしていた。理解できるけど、ひどい扱いを受けるわけじゃないから彼女には耐えてもらうしかない。混乱と淫乱を乗り越えると、楽園だから……。
「たくさん褒めてくれてありがとうね! それから、アレンちゃんもありがとう! 後で、たっぷりご褒美だね?」
アスモデウス様の言葉に、レジーナの表情は凍った。
「恐れながら、姫殿下にはとても良くしてもらっています! なので、手酷いことは……」
正直その理由はわからない。でも、あの人間界だ、何か貴族社会では悪いことがあるのかもしれない。
「大丈夫ですよ、レジーナさん。陛下のこれは、本当にご褒美ですから!」
大体、相手が本気で嫌がることは淫魔にはできない。
「安心いたしました。少し、認識を改めねば……」
彼女もきっといつか気づいてくれると信じている。この淫獄は、人間界で語られる地獄と全く違うことを……。
常識なんてものはそんなに重要じゃない。重要なのはそれを取り巻く心だと、僕は今なら思っている。