※この作品はR-18です。

ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで―   作:暁深夜

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淫獄飯は媚薬です

 衝撃、それ以外に表現が見つからない。美味しいなんて言葉じゃ足りない。

 口に入れた瞬間にハチミツの甘味が広がって、奥から次に奥深く気品のある香りが脳を揺らす。それをねっとりとしていながらも、ほのかに酸味がある甘い果物が押し流す。安らぎ、そして興奮、最後に爽やかなる目覚め。たった一品のお菓子なのに、この一口は遥かなる旅路に匹敵する。

 人間の王様だってこんなに幸せな経験はしたことがないだろう。

 

「美味しですか?」

 

 アスモデウスが尋ねてくる。

 

「はい!」

 

 もう、本当に。僕のこれまでの世界観をぶち壊すのに十分な美味しさ。こんなものと出会えるのであれば、悪魔にそそのかされて地獄に落ちたって構わないのに……。

 

「ふふっ、良かった! 文化が違うから、心配してたんです!」

 

 肝心の悪魔は、人間よりよっぽど接しやすいんだよなぁ……。しかもその女王様なのに……。

 ただ、僕は今手の使い道がない。アスモデウスが食べさせてくれるし、飲ませてくれる。次は、お茶だった。

 ふわっと新緑の香りが広がって、奥に微かな苦味がある。甘いお菓子との組み合わせは、教会で聞く天国の話よりも幸せな世界を作り上げる。

 

「はぁ……とっても、美味しいです!」

 

 僕は一体どんな善行をしたというのだろう。僕はこのご褒美に値しないような気がして仕方がない。

 

「味覚は、私たちとあまり違わなそうですね!」

 

 二口目が口に運ばれる。

 今度はゆっくりと味わって見る。ゆっくり咀嚼(そしゃく)するのに、どの瞬間にも完璧な感動をもたらしてくれる。

 

「この国の食べ物は、たっぷり精気を吸っているので、体を丈夫にしてくれるんですよ! ほら、お庭で見たメイドがしてたみたいに……」

 

 ……つまり……。

 

「あれって必要なんですか!?」

 

 もう、世界観そのものが違った。

 

「はい! あれがないと、栄養価がダダ下がりですよ!」

 

 淫魔の人たちにとって当たり前の世界観。でも、そもそも人間界の植物は動かない。

 でも、栄養価が本当に高いのかもしれない。

 

「はふぅ……なんだか、体が暖まってきました」

 

 肉体が喜んでいるのを感じる。

 

「新陳代謝もあがりますからね! 今日は遅いですし、食べたらゆっくり眠って、明日は私の国を見て回りましょう!」

 

 でも、女王様なのにこんなに僕に時間を使ってくれて大丈夫なのだろうか……。忙しくないのだろうか。そんな疑問も浮かんできた。

 

「はーい!」

 

 なんだかちょっと気分が良くて、良く眠れそうな気もした。

 

「最後の一口ですよー!」

 

 衝撃的なことも多くて、でも僕は忘れていた。これを食べる人間が初めてであること。ここが淫獄であること。

 ゆっくり味わって、飲み込む。美味しくて、頭がどうにかなりそうだった……。

 

「よく食べましたー! でも、床歩けないんでしたよね?」

 

 そういえばそう。こんな高価な床を踏みしめるのは僕には無理。

 

「はい……」

 

 どうしようかと考えていると、アスモデウスの手が僕を抱き寄せた。

 瞬間、甘い稲妻が背筋を駆け巡り、未知の感覚に体は勝手にのけぞった。

 

「んっ!」

 

 そして意志とは無関係に、自分のものとは思えないほどの甘い声が口をついて出る。

 

「え?」

 

 アスモデウスは、本当に驚いた表情をした。

 ゾクゾクとした感覚なのに、ビリビリとした感覚なのに、悪寒や電撃とは違う。もっと根源的で、拒絶不可能な感覚が、アスモデウスが触れている部分から広がってくる。

 

「何……これ……」

 

 わけがわからない。ただ、呼吸が乱れている。実感してしまった、僕はこの感覚が嫌いじゃないって。

 ただ、初めての感覚。こんなの知らない、わからない。

 

「あなた! 媚薬入れた!?」

 

 アスモデウスはメイドの一人に緊迫した表情で問いかける。

 

「お客様のご意志を確認できない段階で、そのようなことは絶対にしません……」

 

 そのメイドは、あわあわと少し混乱した様子で応える。本当に、心の底から切実なように思える。

 

「どうして……?」

 

 また、別のメイドがアスモデウスに言う。

 

「私たちには効果がないだけで、淫獄の植物は全て人間に対して媚薬効果があるのかもしれません」

 

 その間にも僕の体には何度も何度も電流が流れる。甘くて、拒絶できなくて、切なくなる痺れが体を駆け巡る……。

 

「はぁん♡」

 

 それは嬌声(きょうせい)だった。宿で時折聞くものだった。でも、男性のそれなんて聞いたことがなかった。僕の体はおかしくなってしまったのだと思った。

 

「そっかぁ……どうしよう……。とりあえず、寝室に……」

 

 アスモデウスは呟いて、それで僕を抱き上げた。

 

「んんっ♡」

 

 わからない、わからないけど、この感覚がずっと続けばいいって思ってしまう。

 

「事故だから、仕方ないよね♡」

 

 アスモデウスは指を鳴らす。すると、周囲の景色が変わって、別に部屋に移動していた。

 その部屋の中央には、天蓋付きのベッドがあって、僕はそこに下ろされた。

 綺麗なベッドで、寝心地も良くて、体をふわりと受け止めてくれる。

 僕の目の前には、みだらに笑うアスモデウスが居た。

 

「ごめんね……。でも、そんな声聞いて、淫魔は我慢できないんだよ?」

 

 ここは淫獄、全ての淫魔の女王の居城。僕は、そこに迷い込んだ子羊だったのだ……。




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