ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
次の日目が覚めると、眠りに落ちた時のままの格好だった。裸で、アスモデウス様に抱きついて、アスモデウス様も僕を抱きしめていた。
わずかな寝息が聞こえて、なんだか幸せな気分になる。暖かくて柔らかい皮膚のすぐ下で、アスモデウス様の血が脈打っている。
気持ちいい。えっちとかそういうのじゃなくて、起き抜けの気持ちよさと誰かに抱きしめられる気持ちよさが混じっている。純粋に近い幸福感をくっきりと感じる。ほっぺたがおかしくなるみたいな……。
笑ってしまうのとも違って、もうおかしいとしか言い様がない。こすりつけたくなるような、暖かくなるような……。
だから、思わず甘えてこすりつけた。起こしてしまうって、普段ならわかるはずなのに……。
「ん……んぅ……」
アスモデウス様はちょっと唸って、目を開けないまま僕の頭を撫でた。
「んー♡」
そして、全身で僕を包み込む。少しだけ強く、心地いいくらいで。
すぐに彼女の目は開いて、僕を見ていた。
「……ごめんね?」
起こしてしまった。
「んーん、こんな可愛い目覚ましほかにないよ」
そう言って、アスモデウス様は頬を僕の頬に摺り寄せてくる。……これ、気持ちいい。
「ふふっ、くすぐったいよ」
心を直接愛撫されるような、そんな快感だ。まるで、幸せの具現化だ。
「ずっとこうしてちゃダメ?」
そんな誘惑に、僕はすぐにでも負けてしまいたくなる。
「ダメ! アスモデウス様、仕事あるでしょ?」
だって、僕だってそうしていたい気分だ。ずっと浸ってたい。でも、僕も人間界に行く準備を始めなきゃいけない。予備の服を洗濯して、魔法を練習して……。
「仕事と私、どっちが大事なの?」
なんて、軽い口調で彼女が言う。
「それ、僕のセリフじゃない?」
だって、僕はずっと王妃な国婿の扱いなんだから。
「ふふっ、そうだね!」
そう言って、アスモデウス様は僕から手を離した。
数秒、経過した。
「あの、離してくれないと起きれない……」
アスモデウス様が言った。
僕が自分で言ったのに、離したくないと思っている。だって、なんだかおかしくなるほど幸せだから。
「……や!」
ずっと浸ってたい。時間は、残酷だ。
「あぁー! もう! 可愛すぎ!」
また、アスモデウス様に抱きしめられてあっちこっちにキスをされた。
「わわわ!」
わしゃわしゃと撫でられたりもした。なんて、幸せな時間なんだろうって思ってしまう。
「明日もこんな朝になるよ?」
なんて言われて、それならまた明日楽しめばいいって思った。
「……起きよっか!」
そんな気分になれた。
「うん!」
二人一緒にベッドを出る。アスモデウス様がパチンと指を鳴らすとブラシに櫛が、現れる。
「いつもありがと!」
行動に甘えて、僕はベッドの縁に腰掛けた。
「だって、アレン君もやってくれるじゃん!」
今、すごく夫婦らしい気がした。
「それでも嬉しいの!」
なんて、ちょっとむくれてみたり。
なんにせよ、こんな幸せな朝があるのは愛されている実感のおかげだと思う。
「ふふっ、そっか!」
僕の髪を梳かしてもらったあとは、僕がアスモデウス様の髪を梳かす。今日は編み込みを教わった、だからアスモデウス様の今日の髪型はシニョンだ。
なにしても似合うから、美人ってずるい……。なんて口走ったら、その言葉がそっくりそのまま帰ってきたりもした。
――――――――――――
それから、朝食へ。毎日美味しいからすごい。
「ねぇ、アスモデウス様。このパンはどうしてこんなにフカフカなの?」
淫獄のパンはどこで買ってもフカフカ。人間界の黒いパンと全然違う。なんというか黒くて、ボロっと崩れる感じだった。まずいってわけでもない。でも、別の食べ物だと思う。
だから淫獄のパンをパンと言われても僕はピンと来ない。もっと高級な何かに思える。
「それはねぇ、アレン君においしく食べてもらうためだよ!」
なんて、ちょっとふざけた答えが帰ってきた。
「もー!」
うれしはずかしで、むくれてみる。
「ごめん、冗談! 本当はね、果物の皮に住んでる生き物たちがパンをフカフカにしてくれるの!」
その果物は、最後にはパンに入れてしまってある。淫獄の食べ物が食べられると食生活は一気に豊かになった。
「んー……人間もそうしてるんだけどなぁ……」
そういうパンも有る。でもこんなにフカフカじゃない。もっとガチガチか、ボロボロと崩れる感じか……。
「じゃあ、酵母の理解が足りないのかもね! それか、保存の理由か……」
と、アスモデウス様は考え込んでいた。
「殿下、おそらくバターと卵が含まれてないんです! 淫獄のパンにはそれらが含まれていますよ!」
そこはメイドの方が詳しかった。当たり前だ、だって王様がパンの作り方を詳しく知っているわけではない。
「さすが四番ちゃん!」
こうやって、わいわいと賑やかに食事するのも楽しい。まるで家族が増えたみたいだ。
「わんっ!」
……一人、犬扱いされて興奮してるけど。
「いえいえ、それよりお邪魔してごめんなさい!」
なんて、そのメイド四番がいうもので、僕とアスモデウス様は首をかしげた。
「せっかく夫婦睦まじいひと時でしたのに……」
僕とアスモデウス様の反応はそこで別れた。
「でしょー?」
と満足気なアスモデウス様とは対照に、僕は少し照れくさくて顔を背ける。
人前だけど、頭を撫でられる感覚はいつだって気持ちよかった……。