ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
少年、マックスとは一緒にノクターンに乗ってマッドボアを引きずりながら森を出た。彼はこのあとすぐにナイフを修繕しに行く予定だ。僕の剣をあげたとは言え、ナイフは冒険者の必需品。僕が何かをするまでもなく別れる予定ができた。
町に入る門はいつも多少待つ。日中なら荷馬車が原因で、積荷を待たない人の話なんて聞いちゃいない。それが少し快適な時間だ。
「でもなぁ……にーちゃんだったなんてなぁ……」
マックスはまだそれを言っている。
「仕方ないじゃんか。男なものは男なんだから……」
だって、そう産まれたんだ。僕だって、こんな外見で男で、まともな人生じゃなかった。この世界には淫獄のような寛容さがない。だって、奴隷のような扱いをされている女性たちを無視できているような世界だから。それを何も疑問に思わないほど、歴史が浅いから。
「ねーちゃんが女だったらなぁ……口説いてたのになぁ……」
全く、男の子は男の子だなぁ……。
でも、身勝手じゃない影響もあったほうがいいと思う。
「それはごめんだよ。女でもね? そもそも、恋人がいるから!」
この世界の男はそうだ。女が、男に口説かれれば無条件に嬉しいものだと思っている。だって、男は女より優れているから。
「えー? 口説かれて嬉しくねぇの?」
少年のそれは純粋な疑問だ。それと、僕はにーちゃんだ。その発言は完全な女性扱いだ。
「君が、女の子相手でも優しくしてあげられる。そして褒めてあげられる。それから、努力を認めてあげられる。そして最後に、その人の足りない部分は補ってあげられる。そうなったら、口説かれて嬉しい女の人がきっと増えるよ」
結局男女でも人間同士だから共通する部分が多いと思う。少なくとも、僕はアスモデウス様にとってそんな人になりたい。彼女ができなかった人間との国交、そのために開くのだ。
「にーちゃん異端だぁ……」
そう、この考え方は少なくともランクルト王国では異端。この国の宗教と反する。
悪いことは全て女性のせい。そんなの間違えてる。レイプされても女性が処刑される。絶対に歪んでる。男だからそれを免れて、でもその歪さにはこの外見のせいで直面してきた。
「うん、異端だね。でも、僕たちは冒険者だ」
国教という言葉から唯一逃れられる立場。それが冒険者だ。旅をすることがあり、幾多の国を移動することがある。だから、冒険者は異端の信仰を許される。
「あ、そっか……」
彼もいつか旅をするだろう。レジーナさんの国あたりに、僕と同じ異端がいるかもしれない。
「でも、こういう考え方もあるだけだよ。この国ではこの考え方を表沙汰にしていいわけじゃない。でもね、ギルドで全部女の人のせいにしてる人、独り身でしょ?」
僕に言い寄ってくる人がそうだ。
「……確かになぁ」
この少年は少しあっけらかんとしてるけど、ちゃんと賢い。
「さて、そろそろ静かにしなくちゃ! 次の次だ……!」
ところで、門番は鬼と出るか、蛇と出るか……。
「うん……」
ここまで来ると門番たちの声も聞こえてきた。
「ベルギッツハイムからか! よく来た、さ! いつもの税を!」
国内の商人は通りやすい。
「はい! 毎度!」
なぜなら継続的な賄賂によって、衛兵の懐を潤している。
「次!」
だから、目録の最後の行に書いてあることを信じてすぐに通す。
「ズヴィルズタットからだな、荷を改めさせてもらう!」
逆に、国外からだと目録は信じてもらえない。目録の粗が見つかれば、賄賂を受け取れる。
「はい……」
この国はそんなものだ。
何人かの衛兵が、馬車に入り少しして言った。僕からは丸見えだったけど、真面目にさがしちゃいない。
「おい、これは何だ?」
ポケットから、出しただけだ……。
「あぁ、なるほど。では、こちらを……」
商人はそれもわかっていて、賄賂を差し出した。
汚職に手を染めない衛兵のほうが少ない。ただ、汚職をする人間は僕にとって都合がいい。
「わかってるじゃないか……次!」
正直言って、ノクターンはこの上なく強そうなのだ。
「ひっ!」
今の今まで気付かなかったのも、真面目じゃない証拠だ。不真面目な衛兵には、見掛け倒しが最も効果的だ。
「こちらをどうぞ。シュタット税です」
ほんの少し色までつけておけば、味方完成だ。
「ご、ご苦労様です!」
あっと言う間に街に入れる。
僕自身は侮られたかもしれないけど、ノクターンの威を借って入れた。一応、僕のことを覚えていたかもしれないけど、ノクターンのおかげだ。多分関係ない。
「すげー!」
マックス一人だったら、多少は手こずったかもしれない。
「そんなことないさ。ほら、約束の報酬」
財布に残ったお金はここで渡してしまう。アスモデウス様からもらった金もあるし、マッドボアが4~5日分の生活費にはなる。だいぶ買い叩かれてもだ。
「こんなにいいの?」
若干渡しすぎだけど……。
「ナイフが壊れちゃったからね」
だから、それでいい。これで新しいナイフを買ってもいいと思う。
「ありがと! にーちゃん!」
願わくば、彼が立派な大人になることを願う。
「うん! どこかでまた!」
そう言って、僕は冒険者ギルドへ。少年は鍛冶屋へ。
「またなー!」
そう、ノクターンを飛び降りて駆けていった。
子供は元気が一番だ……。