ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
何を警戒する必要もない、裏道を使えた。ノクターンとアルトリアの愛馬がそもそも外見からして強そうに見える。こんな僕たちを襲う人間などいるわけもない。
彼女の愛馬はユニコーンだったのだ。伝説によると、処女しか載せない馬とされていた。
だから、糞便が降ってくることも絡まれることも無い裏道は快適だった。しかし、これで僕の立場が取り返しのつかないほどに変わった。一部の冒険者から見たら、僕の後ろ盾に松明持ちが居るように見えるだろう。
そんな、松明持ちの拠点は富裕層たちの集まるエリアの境目にあった。多くの人が、そこがまるで世界の端のように歩く場所だ。
「皮肉なものです。境の内で、誰かが肥え、外では誰かが飢える。見えない壁を隔てて、危機に追い立てられて力を失っていくものと、余裕を蓄える者が居る……」
僕は、アルトリアのその言葉に何も返せなかった。僕は力を失っていく者だったのだ。
困窮し、それでも働き続け、若さを緩やかに溶かして行く者だった。体力を、心を、ただ消費して生きていく。それが、この境の外の人々だ。
「帰りましたよ!」
彼女が声をかけると、部屋から岩のような手が出てきた。ただそれだけ。
「あの部屋に入ります……」
彼女がいい、僕があとに続く。それはすぐに近くの部屋だった。
「おかえり、トーチャー」
数歩。たったそれだけで、僕は伝説たちの世界に足を踏み込んだ。
脈々と名を受け継ぐ伝説のパーティー。純粋なSランク冒険者だけが集まった一団。先ほど、手を出したのは不滅とすら言われるローランスだったのだ。
それだけでは無い。千里眼を宿していると言う噂を持つ弓師ラルクに、魔剣を持つとまで言われたスパーダだ。そこに、マーリンの直系の弟子アルトリア・トーチャーを加えたこの四人こそ今の伝説。
「それで? その人は?」
冒険者たちの寝物語が僕に向けて直接口を開いている。ラルクは細身のエルフだった。
「私と同じ、マキネルの契約者です。さて、改めまして……。私は、アルトリア・トーチャー。メタトロン・マキネルの契約者にして松明持ちのリーダーをしています。私たちの目的は、神話の原典を探すこと」
当代の松明持ちを快く思わない人もいる。なにせリーダーが女性だからだ。
ただ、松明持ちの目的は1500年前から何も変わっていないとされている。神話の原典の発掘。世界を旅して、それをずっと探し続けているのだ。
「僕は……、アレン。淫獄国婿候です」
全てが示し合わせたように順調に進んでいく。でも、その裏には確かに示し合わせが存在した。
メタトロン、貞淑の美徳の熾天使であり、アスモデウス様の天国版のような存在。そんな天使だから、彼女をここに呼び込んだのだろう。
「ってことは。あんたも、トーチャーみたいな紋章を刻まれてるのか!?」
スパーダは、少し粗暴そうに見える男性だった。粗暴と言っても、どこか上品な粗暴さだ。むしろ奔放と言ってもいいかもしれない。
「スパーダ! 彼は、私よりも強い加護を持っています! しかも、今国婿候と名乗ったではありませんか!」
アルトリアは慌てた。よく考えれば、僕の立場はものすごいことになっているのだ。淫獄、つまり神話の世界の中の一つの国の王族なのだ。
「いえ、こうなったのはつい最近ですから。お気にならないでください。それよりも、寝物語に語られるあなたたちにお会いできて光栄です! 皆様のことはかねがねお聞きしております!」
嫌う人がいるとしても聞かずに冒険者はやってられない。それがこの松明持ちだ。
「いえ、あなたに比べれば……」
なんて、伝説の当事者たちに言われるのもなんか急で、実感がわかない。
「それよりも。アレン、君の目的を聞かせてくれ!」
いかにも冒険者だ。礼儀作法よりも強さ。エルフといってもやはりそうなのだ。
「淫獄に布を持ち帰ること、あとは淫獄で作られた媚薬の販路の模索ですね……」
最終的には国交樹立だけど、それは最終目標で、今日一日じゃ無理だ。
「ごめんなさい。彼らは、強くなることだけに命を注いでいます。それで、その媚薬のことですけど体に害はないのですよね?」
敵対する気もなさそうで助かる、でもここの人には勝てるかどうかは微妙なところがある。
……いや、カーテナがあるから勝ててしまうのかもしれない。淫獄の過保護ソードだ。
「ありません。今現在人間界で万延している媚薬よりはこちらのほうがいいでしょう……」
ただ、異常にえっちしたくなるだけだ。色欲を大罪としておきながら、色欲を助長することを望んでいるとは本当にとんだ矛盾だ……。
「全くです……。それで犠牲になる女たちを思えば、そんな薬の方がまだ……」
本当にひどい世界だ。愛したと口で言って、平気で質の悪い薬に侵させる。だって、女は人間ではないから……。
「それを、証明できるか?」
ローランスが言った……。
「そうですね。これから、鼠を拾ってそれを使うつもりです。それとも、ノクターンに飲ませてもいいですよ?」
ただし、ノクターンには全く効果がない。
「では、その証明を以て松明持ちが後ろ盾となりましょう……」
思っていたこと、計画していたことは随分違う。最短距離を突き進むようになってしまった。
「どうしてそこまで……?」
無理やり発情させられるとしても、害のないもののほうがいい。
「それで、命を落とさなくなる女が居りますから……」
松明持ちもまた、異端だったのだ……。