ふたなり淫獄女王の幸せメス奴隷な婿―冴えない男の娘冒険者の僕が貞操観念狂ってる淫獄でふたなり淫魔女王のメス堕ち快楽調教に屈して実質王妃な国婿になるまで― 作:暁深夜
松明持ちのアルトリア。彼女は、全てにおいて松明持ちのエースだった。
「なるほど、だいたい理解いたしましたよ。そこの彼、アレン殿の持つ小瓶の中身が肉体に害を与えないことを証明したいということですね。それはいい、是非協力させてください! イヌを使いましょう。ネコは……逆棘がありますから……お代は失敗した時で結構。むしろ、証明されたのであればこちらからお支払いします」
猫系のえっちは可愛そうだ。オスの男性器に逆棘があって、性交中のメスの鳴き声は悲鳴でしかない。
しかし、それを気にかけるあたりこの人もかなり異端なのだと思う。
そんな話をしている最中に彼のそばに付き従っていた端正な顔立ちで線が細い男性が部屋を出て行った。
「感謝します」
アルトリアは僕を一つの商会の会頭と引き合わせてくれたのだ。
でも、彼女が矢面に立つからにはそもそも異端の思考がある相手でなければならない。
「いえいえ、得の多い話でございます! 受けねば商人の名が泣きます!」
コルヴィナ商会会頭ルーカ・コルヴィナ。彼の商会の名前を知らない人はいない。コルヴィナ商会にはもう一つ名前がある。それが孤児商会だ。
コルヴィナ商会は孤児院を経営している。そして、その孤児院出身者がそのままコルヴィナ商会で身を立てたりもするのだ。孤児に職を与える彼は、教会から聖人の認定をされていて、貴族がどんなに嫌がっても手を出せない。
「それから、アレン殿の前では隠す必要はありません。私のように女が地位を得ることを気にしない人です」
アルトリアの言葉は、僕が生きてきた世界の印象を大きく変えるものだった。
「あぁ、イザベラですね。実は、さっき出て行ったのは私の妻で、右腕です。あまりによく気づいてくれる素晴らしい女性ですよ」
あぁ、この人はしっかりと異端だ。
それを知ると同時に嬉しくなった。僕が弱かったから、信用を勝ち取れなかったから見えなかっただけ。しっかりと女性の能力を評価する人もいたのだ。でも、信用できない人にそれを見せられるわけがない。
「いや、お話のわかるお客様は嬉しい限りです。どうでしょう、あんなにもよく気付いてくれる。そして、致し方なく男装をさせてみたらこれがまた似合うのです! いやぁ、あのような女性に申し出を受けてもらえるなど男冥利につきるというものです! そうは思いませんかアレン殿!?」
愛妻家なのはもうダダ漏れだ。僕が気にしないとわかったとたん、これでもかと畳み掛けてくる。絶対、奥さんを自慢したかったけど自慢できる相手がいなかったのだ。
でも、なんだか分かる気がする。
「素晴らしい奥方様ですね!」
僕だって、アスモデウス様のことを自慢したいって思うときもある。
「アレン殿にもいらっしゃいますか? 私は、恋の話に飢えていまして……」
そんなチャンスはすぐに訪れた。
「僕の相手は女王様です。優れた為政者でして、こことは少し常識や信仰の違う国を統治していますよ」
なんて、少しだけ語ってみた。多分人間界で語れる場所なんて少ないから。
「おぉ、だからアレン殿は差別なさらないのですね!」
そんな時である、部屋にノックの音が転がり込んだ。
「おぉ、入ってきておくれ」
件のイザベラが帰ってきたのだ。
「ご所望の犬を連れてきました。それと、あなた……。恥ずかしいので、そのへんで……」
しゃべると彼女は急に女性的になる。美しく、そして本当によく気づく人だ。彼女の気付きを最大限活かせるのもきっと、ルーカが彼女の安全を担保しているからだと思う。
「いやすまない。だって、妻を対等の相手として語れる相手は少ないんだ……」
でも、やっぱりこの世界は女性が人間じゃない。だから、ルーカも僕も語る相手には困り続けると思う。
「こほん! 話を先に進めましょう!」
しかし、今はアルトリアの貴重な時間をもらっていた。
「そうですね。では、彼らにそれを飲ませてみてください」
ルーカに言われて僕は器具を取り出して希釈液を作り始める。驚くべきは、その希釈率だ。
「この原液はとても濃度が高く、このように薄めないといけません。でないと効果が強すぎて、流石に害が発生します。しかし薄めればそれもなくなります。ノクターンは耐性があるため、問題ないのですけど、耐性を持たない生物にはこの希釈率が最適です」
アリストがやって見せてくれたように僕は薄めた。
「その一瓶でどれほど使えるか想像もできませんね。しかも、安全なら高値で売れますね」
そう、小さな一瓶でも十分卸売だ。これでもしばらく持つだろう。
「はい、なので希釈して売ってください」
どんな薬も、過ぎれば毒になる。だから原液の販売を僕は望まない。
「分かりました」
とはいえ、原液で使ってもなお後遺症は無いはずだ。アリストの言葉によるとそうだ。
僕はその希釈した液体を犬に飲ませた。するとみるみるうちに、犬たちは発情し始めた。オスは性器をいきり立たせ、メスは切ない鳴き声を上げる。
「しかし、この薬で得られるのは興奮だけです。性行為をして初めて、快楽を得られます」
ただ、興奮した状態でのえっちはとても気持ちいい。だから多分、既存の媚薬を超えると思う。既存の媚薬を使ったことはないけど……。
使うわけにいかない。アスモデウス様と永遠を生きるためにも。
「買いましょう! そうですね、手付に100ダカット。一月様子を見て、追加で900ダカット払いましょう」
ダカットつまり金貨だ。僕はこの取引で0.07キンタルに及ぶ金貨を手に入れることになる。十分に大きな金額だ
「随分と高く買ってくれますね?」
それに少し危機感を感じたのだけど、それはいらぬ心配だった。
「その小瓶から、何回分の媚薬を作れるでしょうか?」
そう、とてつもない濃度の液体だから高く買ってもらえるだけの話だ。
「……そうでしたね。できれば一部を布として受け取りたいのですが」
話はトントン拍子に進んでいく。
「かしこまりました。では、さしあたって100ダカット分の布と交換とさせていただきます」
計画通りではないけど計画よりなお良い結果だ。僕はこの取引に大満足した。
「それでお願いします!」
こうしてランクルト王国での、媚薬販路はコルヴィナ商会と言う巨大な後ろ盾を得てスタートしたのだ。