「そう言えば、今から、向かっている食の国って、どういう国なの?」
僕達は、次の国へと向かう途中、気になった事もあり、そのままヤンマへと尋ねた。
「これから向かうのは、ドーフは、ほとんどの国に食料を賄っているからな」
「ほとんどって、それって、本当なの!」
ヤンマからの言葉に、僕は驚きを隠せなかった。
「特に帝都の場合は、それがさらに大きいわよ。なんだって、国民の貧困を防ぐ為に、そのほとんどがドーフが行っているから。
その理由は、分かるわよね」
「・・・あぁ」
この帝都の周辺には、危険種が多くいる。
その危険種の影響もあり、農作物を育てるのは難しい。
「だからこそ、ドーフは、帝都とは、ある意味停戦状態になっているからって」
そう、ヤンマが言っている間にも、僕は、近くに子供が来ていた事に気づく。
「どうしたんだい?迷子なの?」
「うぅん、仕事の帰りなの、お兄ちゃんは?」
「僕達は、これから、ドーフへと向かう途中なんだ」
「何をやっているんだ、お前は」
そう、ヤンマは呆れながら、近づく。
すると、子供が懐から何かを取り出す。
僕は、それを見て、受け取る。
「おい、何を渡されたんだ」
「大根だよ」
そう、僕は、受け取った大根を見せる。
「ふむ、泥も被っている、虫に食われているな」
僕は、そのまま大根を見た、素直な感想を言う。
それに対して子供は、動揺した様子だった。
「だからこそ!」
そのまま、僕は、勢い良く食べる。
「旨い!虫も夢中にさせる旨さ!取れたての旨さ!この甘み!清々しさ!!」
「大根如きで、そこまで言うか?」
「結構、大袈裟ね」
そのまま、ヤンマ達は、呆れたように言う。
そうしていると。
「本当ですか!いやぁ、私達の国の大根は、結構自信があるんですよ!」
突然の声に、僕達は、すぐに後ろを振り向く。
そこには、屋台を引いている少女がいた。
「君は?」
「私ですか、私は飛鳥です!実は、この先のドーフに戻る途中ですが、良かったら、一緒にどうですか?」
「案内してくれるの!!」
「えぇ、勿論!」
まさかの案内に、僕は驚きを隠せない。
その最中で、C.C.さんは何やら見つめている。
「C.C.さん?」
「いいや、なんでもない」
何か言いたそうな雰囲気であったが、そのまま話は終わった。
疑問に思いながらも、僕達は、そのままドーフへと向かう。
その最中、僕達がいないドーフでは、ある会話が行われていた。
「・・・なるほど、実に美味しいと言っていたんですか、なるほどなるほど、それはそれは」
ドーフにある部屋の一室。
その、報告を受けた男は笑みを浮かべていた。
「おい、カグラギはいるか!」
「・・・これはこれは、ノウケン様ではないですか」
それと共に、部屋に入ってきたノウケンが入って来た事に対して、男、カグラギは、笑みを浮かべながら、招く。
「この私に一体、何か用でしょうか?」
「お前も既に知っているだろ、王の剣を持つ奴が、各国で目撃されているのを」
「えぇ、勿論、噂程度ではございますが」
「分かっているとは思うが、この国に入ってきたら、すぐに俺に報告しろ、良いな!」
「えぇ、えぇ、それは勿論ですとも」
そう、カグラギは頷く。
「それにしても、不思議な話ですなぁ、帝都の象徴と言える王の剣を使うとは、その不届き者は一体、何者なんでしょうなぁ」
「王を自称する愚か者だ。とにかく、この国を攻められ、滅ぼされたくなければ、分かっているな」
「勿論、分かっております」
カグラギは、そのまま頭を下げる。
「所で、宜しかったら、我が国のおにぎりはいかがでしょうか?国民が作った美味しいお米ですよ」
そのまま、カグラギが合図をすると共に、子供が1人、おにぎりをノウケンの前に持ってくる。
それに対して。
「ふんっ」「っ」
ノウケンは、その懐にある剣を振り上げる。
瞬時に、カグラギは、そのまま子供を抱えて、下げる。
「こんな下民が口にする物など、要らぬは、まったく」
「これはこれは、失礼しました」
そう、カグラギは、そのまま頭を下げる。
同時にノウケンは、地面に落ちたおにぎりをわざと踏み、そのまま出て行く。
「カグラギ様、ごめんなさい」
「いえいえ、むしろ、こちらが迷惑をかけてしまいました」
落ち込む子供に対して、カグラギは笑みを浮かべながら、そのままおにぎりを拾う。
ノウケンによって、踏まれてしまったおにぎりだが、カグラギは、そのまま一口で、平らげる。
「ふむ、少し、嫌な味がしますが、やはり旨い!」
そうカグラギは頷く。
すると、その背後から、1人の黒子が現れる。
「カグラギ殿、例のお方が、ドーフに来られました」
「なるほど、ならば、歓迎しなければ、すぐに知らせを」
それと共に、カグラギもまた、準備を始める。
「さて、我が国に訪れる合鴨様には、ぜひ、お仕事をして貰いましょうか」
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