「ここが、ドーフ」
僕達は、そのまま屋台を押しながら、飛鳥さんと共に訪れた。
ドーフの様子は、僕達が住んでいた村と似たような木製の家であるのは一目で分かる程に違う。
何よりも、このドーフの雰囲気は、僕が住んでいた村とは違い、活気に溢れていた。
「というよりも、お前、道中で貰った食べ物を食べまくっているな」
「いやぁ、こんなに美味しい食べ物は初めてだから」
ドーフの人達は、僕を歓迎するように次々と食べ物を渡してくれる。
そのどれもが美味しく、両手で持ちきれない程に多い。
「気に入っているようで良かったです」
その様子を見ていた飛鳥さんは笑みを浮かべていた。
「ここのドーフは元々は貧しい街でした。だけど、今の国王が農業に関する様々な知識を元に、こうして発展していきました」
「そうなのか、きっと立派な人なんだろうな」
その人が仲間になれば、大きく前身する。
そう考えていた時だった。
「見つけたぜぇ、まさか、ここにいたとはなぁ」
「お前は」
聞こえた声、それと共に見つめた先。
そこにいたのは、僕が村から旅立つ前に出会ったあの男がいた。
「あぁ、誰だこいつは?」
「ふぅ、俺様が出会った雑魚だ。村の人間を人質にしなければ戦えない奴だ」
「へぇ、確かに雑魚というには納得ね」
「くくっ、そうだな」
その言葉と共に、奴はそれと同時に手を翳していた。
「貴様が動けば、このドーフの街を焼けるように、手筈は整えているからな」
「なっ!」
その言葉に、俺様は勿論、その場にいる全員が驚きを隠せなかった。
「貴様っ、ここにいるのは、無関係な奴らばかりだろ!」
「無関係?いいや、違うね、お前がこの国にくる時点で、既にこの国での危険性が高まった。いわゆるこれは警告を兼ねた攻撃だよ」
その一言と共に、建物の一部が爆破された。
「貴様っ」
「おっと、動くなよ、動いたら、分かっているな」
奴は、それと共に、再び構えた。
先程のが事実であれば、俺様が動けば、間違いなく被害が出る。
「あぁ、だからどうしたんだよ」
「えぇ、さっさと始末すれば良いだけの話ね」
そのまま、ヤンマとヒメノが前に出ようとするが、俺様は手を大きく広げて、それを止める。
「止せ、ここにいる民を巻き込むな」
「やっぱりな、あの村での1件でもそうだが、お前はこういう動きには弱いようだな」
同時に、その手には銃が握られていた。
「そのまま動くなよ、貴様をここで殺し、その王の剣を取り上げれば、俺の手柄になるからな」
「ぐっ」
一歩も動く事が出来ない。
動けば、民が傷つく。
俺様は、その場を一歩も動かない。
「それじゃ、あの時の腹いせも兼ねて、あの世へ行けよ」
その一言と共に銃弾が、真っ直ぐと襲い掛かる。
俺様は、他に被害が出ないように、真っ直ぐと構える。
銃弾を避ける事をせず、そのまま構えていた。
そして、銃弾が確かに届くその時だった。
俺様の前に、何やら黒い影が現れ、それを防ぐ。
「なっ」
金属音が鳴り響くと共に、俺様の前にいたのは、着物を着た男だった。
「いやぁ、危ない所でしたなぁ」
「お前は?」
「私?私は、カグラギ・ディボウスキ。このドーフの王を務めている男です」
まさか、ここで僕達が会いに来た張本人がいるとは。
「ガグラギっ、どういうつもりだ!貴様、俺の邪魔をして!」
どうやら、カグラギは目の前の男と何か繋がっている様子ではあるが。
「いやぁ、私も命令に逆らうのは、大変心苦しいのですが、なにせ、貴殿よりも位の高い人物からの命令でしてねぇ、逆らう訳にはいかなかったのですよ」
「あぁ、俺よりも位が高いとは、一体、誰の事だ」
「俺だ」
聞こえた声。
それと共に、俺様は振り返る。
そこにいた男は全身に鎧を身に纏っており、凄まじい覇気を放っている。
「おいおい、なぜ、こんな所に、こいつがいるんだよ」
「ヤンマ、知っているのか?」
「ブドー、大将軍で、エスデス将軍と並ぶ帝国の誇る「切り札」の一つだ」
まるで聞いた事のない名前に、俺様は首を傾げる。
「ガグラギ、聞くがここまでの事は全て事実か?」
「えぇ、私も調べた所で、間違いないかと。そして、ここにいる方はギラ殿で間違いないかと」
「ギラ」
それと共にブドーは、俺様を見つめる。
その気迫に押されそうになるが、真っ直ぐと睨み返す。
「・・・もしやとは思っていましたが、まさか」
「ブドーっ、何のつもりだ!!」
そうしている間にも、奴は叫んでいた。
「貴様の行動は、このブドーが確かに見た。貴様が行うとした事は、帝都にとっても損害しか出さない。よって、貴様をここで粛正する」
「なっ、ぐぅ」
それと共に睨み付けられた奴は、動けなかった。
それは一瞬であり、隙は確かにあった。
「隙ありだな!」
「なっ!」
そのまま、俺様は、そのまま奴を蹴り、地面に倒させる。
「貴様っ」
「お前がどのような位か知らないが、貴様のせいで俺様の楽しみが一つ減った!このドーフの美味を一つ、消した事は罪は大きいぞ」
「えぇ、それには全く同意見です。本当に、以前からいらぬ物を作らせようとしますからね」
「まさかっ」
何やら、奴は、カグラギを睨んでいたが。
「害虫を駆除するには、合鴨に喰わせる。さすれば、より大きな利が出ますからな」
「ぐっ」
その言葉の意味は分からず、俺様は首を傾げる。
その時だった。
「こうなったらっ」
すると、聞こえた爆音。
見れば、近くの山が、崩れていた。
「貴様っまさかっ」
「最後の手段だったがな。
まぁ、良い、これで貴様らも道連れだぁ!」
まさか、山を崩して、岩でこのドーフを崩すつもりなのか。
国を滅ぼす事は出来ないかもしれないが、それでも民に被害が出る。
「止めてみせる!!」
それと共に、俺様もまた、王の剣で、クワゴンを呼び出す。
クワゴンに、乗り込んだ俺様は、呼び出す。
すると、他のシュゴッドも次々と現れる。
「これで、既に7体って、もしかして、カグラギも」
「国の危機、手を貸さない訳にはいきませんから」
そう言ってくれると、嬉しい気持ちになる。
「ならば、行くぞ!」
それと共にクワゴンを中心に、合体していく。
これまではクワゴンだけの姿であったが、今はヒメノのカマキリとガグラギのハチ。
さらには、ギアスの力で引き寄せられたテントウ兄弟が、そのまま腕と合体した。
それによって、クワゴンの頭が目立つ人型の姿へと変わる。
「はああぁあぁ!!!」
迫る岩に対して、俺様達は、真っ直ぐと向かう。
テントウ兄弟の力が加わった事で、強靱な腕から放たれる一撃は、岩を簡単に砕いていく。
トンボの機動力と、足となっているシュゴッドのおかげで、簡単に岩の脅威を排除する事が出来た。
「よっしっ」「いやぁ、おめでたいですなぁ、これこそ、まさしく救世主ですなぁ」
そう、カグラギもまた、笑みを浮かべていた。
「・・・ヤンマ、どう思う?」
「あぁ、そんなの、完全に決まっているだろ、カグラギの野郎、岩の1件以外は全て計画だろうな」
「んっ?」
何やら聞こえたが。
「はて、何の事やら」
「ここは、俺達以外はいないからな、はっきり言うぜ。お前、あの将軍を帝都に売って、ブドーの後ろ盾を手に入れるつもりだっただろ」
「さてさて、何の事やら、それよりもブドー殿がお待ちですよ」
「なっ」
そのまま、俺様はカグラギに引っ張られる形で、そのままブドーの前に突き出される。
ブドーは、そのまま俺様を見つめ、厳しい表情であった。
それに対して、俺様も、態度を崩さない。
すると、ブドーは突然、膝をつく。
「あぁ?」
「まさか、生きておられたとは」
「何の話だ?」
それに対して、俺様は本当に分からず、首を傾げる。
「あなた様は、事故で前皇帝と共に、亡くなったと思われた現皇帝の兄君であるギラ様です」
「「「えっ」」」
その一言には、俺様達は思わず声を出して、驚きを隠せなかった。
生存アンケート ボルスは
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