ギラが、ナイトレイドに合流する少し前の出来事だった。
ギラが、無事にゴッドホッパーを復活した後に、各々の王は次の動きを行う為に別行動をしていた。
その中で、ヤンマとヒメノはとある場所へと訪れていた。
「まさか、こんな所に革命軍の本部があるとはなぁ」
そう言いながら椅子に座り、ヤンマは目の前にいる相手に目を向けていた。
「それで、私に直接交渉とは、一体どういう事でしょうか、ヤンマ様、ヒメノ様」
それは、今は革命軍本部にいるナイトレイドのボスであるナジェンダであった。
これまで、極秘とされていた革命軍本部を発見された事に対して当初は焦りはあったが、それでも冷静に彼らは対処を行う事にした。
「そうね。簡単に言えば、暗殺の依頼かしら」
「暗殺の依頼ですか?それを、なぜ私達に」
「貴方達にとっても無視出来ない人物だからよ」
国王である2人からの直々の依頼という事もあり、疑問に思い、首を傾げる。
「その、暗殺対象の名は」
「セリュー・ユビキタス」
「Dr.スタイリッシュ」
「っ」
両名から告げられた名前に、ナジェンダはさすがに驚きを隠せなかった。
「なぜ、その2人を」
「簡単だ。俺の国の奴に対して、無許可で殺しやがったからだ」
「その、無許可ですか」
「あぁ、帝都では違法になっているが、こっちは情報の自由はかなりあるんだよ。それで、奴らがそれに反したという理由で、帝都近くにいたあいつらを殺した」
「それは」
「しかもだ、その周囲にいた奴らも纏めてだ」
それに対して、ヤンマは、まるで怒りを隠さない様子で言っていた。
「その、ヒメノ様は一体」
「簡単、私のマムの心を殺したからよ」
「えっ?」
「あいつの人体実験によってね。最悪の事態になる前に、救出は成功したから今は療養生活をしているけど。
ただね、医療を馬鹿にするようなあいつをこの世に残すつもりはないわ」
そう言ったヒメノもまた、それを隠す気はなかった。
「なるほど、それは理解出来ましたが、あなた方ならば依頼しなくても」
「そうはいかないんだよな、これが。ギラ、知っているだろ」
「えぇ、勿論。私達革命軍でも、彼を支援する動きで行っています」
「あいつはな、根本的に甘ちゃんなんだよ」
「甘ちゃんですか」
「えぇ、人を殺さない、殺さずに救うと言っているわ」
「・・・それは」
「あぁ、実に人格者で素晴らしいな。けどこの世には、それで通せない事もある。だからお前達も暗殺を行っているだろ」
そのヤンマの言葉に、ナジェンダも否定は出来なかった。
「そして、俺達がそれを行えば、確実にギラは止めるだろう。
まぁ、あいつはそれを行っても、納得はするだろうが、協力関係にヒビが入る。それは避けたい」
「だからこそ、殺しが本業である私達に」
「あぁ、そういう事だ。お前達もキングオージャーが力が発揮されないのは、避けたいだろ」
それはまさしく、依頼を断る出来ない事を察した。
「元より、暗殺対象であったので」
「なら、決定だな。
そうだな、とりあえず、これは前報酬だ」
それと共に、ヤンマが取り出したのは布に包まれている物だ。
疑問に思いながら、ナジェンダは、それを見つめる。
「これは?」
「俺が開発した帝具だ」
「てっ帝具!?」
それには、さすがにナジェンダも驚きを隠せなかった。
「あり得ないと思っているだろ。だけどな、時代は進み続ける。
昨日は無理な事でも、今日は出来るのが技術だ。幸い、事前のデータはゴッドトンボに保管されていたから、それを参考にした」
「ゴッドトンボって、まさか」
「あぁ、キングオージャーの一部だ。あいつらには、データで記録されている物がある。俺達が持つ王の剣もそれを参考に造りだした」
「では、これは」
「あぁ、キングオージャーとなった事で、閲覧する事が出来たデータで新たに生成した全く新しい帝具だ。
まさにお前達にとっては喉から手が出る程に欲しい物だろう」
そう言ったヤンマは笑みを浮かべる。
「だけど、それを使う者は」
「それもこっちで調べているぜ、こいつに渡しな」
それと共に、その名前を見て、ナジェンダは。
「本当に、どこまで分かっているのか」
そう言いながら、ナジェンダは、その紙に書かれた名前、タツミの名を見て、驚きを隠せなかった。
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