【書籍化】大司教の権力を悪用して純真無垢な聖女とセックスしたら、毎晩イチャラブご奉仕されるようになった話 作:月見ハク
魔獣討伐遠征を明日に控えた夜。
俺は一人、中庭の奥まった場所にある温室にいた。
深夜だというのに、聖域が放つ光で温室内は薄明りに包まれている。若干青みがかった光景がとても幻想的だ。
「大司教様、まいりました」
振り返ると、入り口に桃色髪の聖女見習いが立っていた。
「よく来たね。ええと君の名前は」
「聖女見習いのニーナです。先ほど聖女様……あ、じゃなくて先代の聖女様に呼ばれて来ました。大司教様から大事なお話があるとか」
「ああ。入りなさい」
そう。
俺は金髪の元聖女を使って、桃色髪の聖女見習い――ニーナを温室に呼び出していた。
彼女がおそるおそるといった感じで近づいてくる。
白いローブに身を包み、夜だからか桃色の髪は下ろされていた。
マイよりも年下で、背も少しだけ低い。
――ちょっと勝ち気だけど、根はとっても優しくて面倒見もいいところが可愛いの。
そう金髪の元聖女は言っていた。
確かに吊り目がちなグリーンの瞳からは、負けん気の強さを感じる。
だが今は、その目尻が不安げに下がっていた。
ニーナが俺から一歩か二歩くらいの距離で立ち止まる。
「それで、お話ってなんでしょうか……大司教様」
「ニーナ、単刀直入に聞こう。君はゴーゼ司教の手籠めにされているね」
威圧感のある低い声で告げると、彼女の顔が引きつった。
ニーナがゴーゼ司教の手籠めにされていると気づいてから、俺は金髪の元聖女に監視をさせていた。
だが今に至るまで、彼女はあの男の寝所に行くどころか、執務室に呼ばれた形跡すらない。
ならばと、直接聞き取りをしようと思ったのだ。
明日からの遠征で教会を留守にする前に、何らかの手がかりを押さえておきたかった。
「て、てごめ、ですか?」
「肌を重ねたり、寝所を共にしたすることだ」
「あ……え、えと……」
ニーナが小さい体をさらに縮こませる。
華奢な肩を震わせ、言葉に詰まっているようだ。
彼女たちは、基本的に素直で嘘がつけない。そういう性格だからこそ治癒魔法に適性があるともいえる。
数多くの聖女見習いにこの手の尋問を行ってきたが、結局ストレートに聞くのが一番手っ取り早いと学んだ。
「……お、お赦しください大司教様っ……あの、わたし」
「ああ、君を咎めるつもりはない。何か事情があったのだろう? 安心するといい。このことは誰にも……聖女マイにも言わないから」
先ほどとは打って変わって優しい声色で語りかける。
ニーナが聖女マイに憧れ以上の思いを抱いているのは、あの浴場で視たときから分かっている。
「マイ様っ……!? マイ様はこのことを」
「知らないはずだよ。大丈夫だ、彼女には黙っていよう」
「わ、わたしマイ様を悲しませたくないんですっ、ほんとに……マイ様だけは」
マイの名前を出されたことで、だいぶ動揺しているようだ。
俺はニーナに近づくと、肩をつかんで引き寄せた。
「安心しなさい。絶対に言わないから」
ひとまず落ち着かせるのがいいだろう。
胸の中で彼女は「ひぐっ」と喉を鳴らしたが、口を結んで涙をこらえた。
なるほど、確かに負けん気の強い性格のようだ。
「……落ち着いたか?」
「すみません、取り乱してしまいました。こんなところマイ様に見られたらすごく心配されちゃいます」
「ああ、そうだな」
ニーナは俺の胸元から一歩引くと、にこっと笑う。
聖女見習いらしい穏やかな笑顔ながら、彼女特有の快活で明るい雰囲気が漂ってくる。
そのあどけない表情は元気な少女そのもので、ゴーゼ司教の手籠めにされているようには見えない。
「まず言っておこう。私はこの問題を表沙汰にするつもりはない。そして大司教の力をもって君をゴーゼ司教から守るつもりだ。君が望めば、だが」
こう言うとたいていの聖女見習いは安心し、洗いざらい素直に話してくれる。
「……大司教様、わたし……聖女見習いのままで、いられますか?」
悲愴感のある表情だが、その
聖女になりたいというより、マイの近くにいたいという願いのほうが強いのだろう。そんな感じがした。
「治癒魔法はまだ使えるのだろう? だとしたら問題ない」
聖女見習いの中には処女を奪われたショックで心を閉ざし、治癒魔法を使えなくなってしまう者もいる。
魔法は、人間の精神性が大きく影響する。
中途半端に色恋に触れたことで心が乱れ、治癒魔法が不安定になってしまう者さえいるのだ。
だが、中には司教の手籠めにされても魔力が安定している者もいる。その違いの理由は分かっていない。
「わたし、ちゃんと使えてます」
どうやらニーナは後者のようだ。だとしたら聖女見習いとして何も問題はない。
俺は小さくうなずくと、彼女に手をかざす。
「一応、魔力の流れを見よう」
「わかりました」
ローブの上から彼女の体内に意識を集中させる。
するとニーナはおもむろにローブの紐を解き、ストンと地面に落とした。
薄い肌着と布面積の少ないショーツがあらわになる。
「……何をしている?」
「え、あの魔力の流れを見るん、ですよね……?」
「別にそんなことをせずとも――」
言いかけて止める。
おそらくゴーゼ司教はいつもそうしていたのだろう。
「大司教、様?」
頬を染めて小首をかしげるその仕草は、女の色香を漂わせていた。
桃色の髪先が揺れ、恥ずかしそうな上目遣いでこちらを見上げている。
そこに、さっきの快活そうな少女の面影はなかった。
色仕掛け、だろうか。
だが周囲に他の人間の気配はない。
ひとまず、様子を見るか。
もしかしたらゴーゼ司教を追い詰める手がかりが得られるしれない。
「――いや、なんでも。続けなさい」
「はい」
彼女はゆっくり肌着をたくし上げ、バンザイの格好をして脱いでいく。
さらに目を伏せ、少しずつショーツを下げると、片足ずつ抜いていった。
男を悦ばせるための脱ぎ方だ。
「準備、できました」
ニーナはゆるやかな双丘を少し寄せるように腕を組み、わずかに内股をこすり合わせる。
これも、あの男にそうしろと教えられたのだろうか。
彼女の体は隅々まで白く、赤子のように無垢だった。
「ふむ。では見ようか」
「え、肌を合わせなくていいんですか」
「……ああ、私ならこれで十分だ」
ニーナのなだらかな胸が、ほっと撫で下ろされた気がした。
俺は再び手をかざし、彼女を微弱な魔力で包んだ。
簡易な防護魔法を掛けることで、ニーナに何らかのトラップが仕掛けられていないのかを探る。
世の中には、遠隔からでも攻撃魔法を発動したり、別の人間の体に催眠や麻痺の罠を仕掛けたりする高度な魔法も存在する。
「ん……あの大司教様、これ」
「なんだ?」
「いえなんでも、ないですっ」
彼女の体内の隅々にまで魔力を浸透させていく。
……どうやら罠の
「終わったよ。君の治癒魔法は正常だ」
「……ありがとうございますっ……大司教様」
どうもニーナの様子がおかしい。
全裸になったときよりも頬を紅潮させ、苦しそうに肩で息をしていた。
「どうした? 体の具合でおかしいところでもあるのか」
罠の発動を警戒し、とっさに防護魔法を発動しかける。
「いえあの、大司教様の魔力が」
「私の魔力が?」
「あったかいなって、思って……い、いえすみませんっ」
ニーナは口元で手を握り、そのままうつむいてしまった。
そういえば魔力を直接流し込んで調べるのは、一般的なやり方ではない。
詳細に体の状態を探ることができる一方、その魔力操作は極めて難しいからだ。それこそ私のように防護魔法の調整に長けた者でなければ。
マイには普段から、それこそ出会った当初から毎日のように行っていたからつい同じようにしてしまった。
しかし、あったかいか。
マイからは一度もそんな感想を聞いたことがないな。
「あったかいとは、どんな感じだ?」
「えぇっ……!?」
ニーナが戸惑ったように目を見開き、妙な声を発した。
「どんな感覚だったのか、言ってみなさい」
「ど、ど、どうって……っ、その……じ、じんわりっていうか、体がぽかぽかして、あったかいものに包まれてるみたいな感じが、して」
「ふむ」
「そ、それで、きもちぃ……じゃなくてっ、ジンジンって感覚です」
「なるほど」
さっぱり分からないな。
「も、もういいですかっ……?」
ニーナはその場でしゃがみ込むと、体を抱き締めるように丸まる。
彼女の言うとおり、尋問はこのくらいでいいだろう。
必要最低限の情報を手に入れることはできた。
俺もその場で腰を下ろすと、床に落ちたローブをその体に掛けた。
「よく話してくれたね。君はもうゴーゼ司教に指一本触れられないし、会うこともないだろう。万が一に備えて、しばらくは元聖女と部屋を同じにするといい」
「大司教様っ」
少女が胸に飛び込んでくる。
中腰だった俺は彼女の勢いに押されて倒れそうになり、地面に両手をついて支える。
ニーナは俺の胸にしなだれかかるようにして、顔を埋めていた。
「どうしたのだ?」
罠の魔法が発動する気配はない。
俺は瞬間的に薄く張った防護魔法を解く。
「あ、す、すす、すみませんっ、あの大司教様がお優しくて、あの……失礼しましたっ」
ニーナが慌てた様子で体を起こす。
なるほど。
聖女見習いは親元を離れて寂しい思いをしている者が多いと聞く。
ゴーゼ司教に酷いことをされ、そんなときに優しくされたものだから気持ちが決壊してしまったのだろう。
「よい。辛い思いをしたのだ、誰かに甘えたくなることもあるだろう」
ニーナの緑の瞳が揺らぎ、じわりと涙が浮かぶ。
しかし彼女はその目元を拭うと、切なげな視線を向けてくる。
「大司教様は、もうご満足……なんですか?」
それは艶っぽい女の目だった。
吐息は甘く、頬は染まったままで、その瞳は何かを求めるような。
おそらくいつもは魔力の流れを見て、その続きがあるのだろう。
さっきはウブな少女のように丸まっていたというのに。
今は男の理性を惑わす、なんとも色っぽい表情をしていた。
重力で下を向いた彼女のつつましい胸の先には、色素の薄い蕾がピンと張りつめている。
初雪のような肌はきめ細かく、触れればさぞ心地いいのだろう。
これが天性のものなのか、教え込まれたものなのかは分からない。
その快活さと色香のコントラストは、多くの男を虜にしてしまうだろう。
だが。
「ああ、君への尋問はこれで終わりだ」
あいにく、俺はマイの体を知ってしまった。
マイ以外では股間が
ニーナが腰をピタリと密着させてくる。
しかし本来なら硬く勃起しているだろうそこには、ふにゃりとした生理器官しか存在しない。
「ほんとに……大司教様はお優しいんですね、わたし……信じたいです、大司教様のこと」
「……そうか」
どうやらニーナの信頼を得られたらしい。
これでゴーゼ司教を追い詰める材料を一つ、手中に収めることができた。
あの男がどこまでを想定し、企んでいるのかは分からない。
仮にゴーゼ司教が襲撃の黒幕だったとして、堂々とプロを使って仕掛けてくるというのは大胆というより雑で迂闊だ。
一方で証拠を一切残さないという周到さも持ち合わせている。
野蛮で慎重な人間が、一番動きを読みづらい。
警戒をさらに強める必要があるだろう。
「ニーナ、そろそろ服を着なさい。風邪を引いてしまう」
「大司教様」
「なんだ?」
「聖女見習いは風邪を引かないんですよ?」
「ああ、知っているよ」
ニーナは幼ない少女のような顔ではにかんだ。
***
二人で温室の外に出ると、さっきよりも周囲は暗くなっていた。
夜空を見上げると、月が雲に覆い隠されている。
明日はいよいよ魔獣討伐遠征だ。
天候が荒れなければいいが。
「大司教様、マイ様の次のお務めはいつなんですか?」
「明朝には皆にも知らせがあるはずだ」
ニーナが次の日程を知らないことに安堵する。
「マイ様と、またお出かけになるのですか?」
「遠征の場合はそうなるな」
「……わたし、マイ様がちょっぴりうらやましいです」
「君もよく励むといい。いずれはマイのような立派な聖女になれる日が――」
……そんな日が、来るとは思えないが。
マイが聖女でなくなる日など、考えられない。
ニーナを見ると、俺をまっすぐに見上げている。
その瞳には怯えや色情ではなく、一心に聖女を目指す意思がこもっていた。
まるでここへ来たころのマイのように。
マイがうらやましい、か。
俺は無意識に、ニーナの頭に手を置いていた。
ポンポンと撫でながら声を掛ける。
「さあ、もう寝なさい。聖女見習いは体力が大事だ」
「……はいっ」
ニーナはくすぐったそうに肩をすくめてから、元気よく返事をした。
「ああそうだ。言い忘れていたが」
「なんでしょうか?」
「君は、少し言葉遣いが気安いな。私は別に気にしないが、聖女見習いの口調としては無礼だと感じる者もいる。気を付けなさい」
「は、はいっ、すみませんっ」
「じゃあお休み」
「あ、あのっ、わたしの言葉遣い、大司教様は気にしないって……」
「私も平民の出だからな。ただもし聖女を目指すなら、私の前でも丁寧な口調を心がけたほうがいい。聖女はいつなん時も聖女であることを求められるからな」
「き、気を付けますっ」
桃色の頭頂部から手を離すと、ニーナはペコリと一礼し、聖女見習いたちが暮らす別棟へと駆けていった。
「ふぅ」
一息つき、俺はまぶたを閉じる。
今や習慣となった遠視の術を使うためだ。
まぶたの裏に、マイを映し出す。
彼女は白いローブを着込んで、外にいた。
ここは……中庭か。
大きな木の陰から、こっそりと何かを見ている。
その視線の先には、俺がいた。
「……マイ、そんなところで何をしているんだ?」
マイが木陰でビクリと肩を震わす。
つい声を荒げてしまった。
だが聖女が夜一人で出歩くなど、あまりに不用心だ。
「マイ、隠れていないでこちらに来なさい」
彼女は下唇を噛むと、観念したように木陰から出ていった。
まぶたを開ける。
暗がりから、ゆっくりマイが歩いてくる。
その金色の瞳は怯えたように揺れていた。
「大司教様、あの……こんばんは」
しゅんと肩を縮こませる彼女の様子に、一瞬で股間が熱くなった。
気まずそうに伏せられた目元が色っぽく、このまま執務室に連れ込んで犯したい衝動に駆られる。
いけない。
それは明日の遠征でのお楽しみだ。
「マイ。こんなところで何をしていた?」
「あ、あの……眠れなくて」
「明日の遠征で緊張しているのか?」
「はい、それでもう一度湯浴みをしていて……出たら、ニーナが一人で中庭へ行くのが見えたので」
「つけてきたのか?」
「はい、あの……心配で」
それでずっと様子を伺っていたらしい。
ということは、ニーナと温室から出てくるのも見ているのだろう。
この件にマイを巻き込むわけにはいかない。
「少し、聖女見習いの相談に乗っていたのだ。だが解決した」
「そう、なのですか……あの、ニーナの相談に乗っていただきありがとうございます」
マイは安心したような、どこか釈然としないような複雑な表情で頭を下げる。
そのとき、彼女の手の先がブルリと震えたのが分かった。
湯浴みから出てすぐ、夜に長時間外にいたせいで体が冷えたのだろう。
「マイ、こちらに来なさい」
「は、はい」
ふわりと黒髪が揺れ、石鹸と甘い彼女の匂いが漂ってくる。その中に花の香りがした。
「入浴剤、使ってくれているようだな」
「はい……心を落ち着かせようと思いまして」
彼女が少し恥ずかしそうに目を逸らす。
「そうか。ところで少し魔力の流れを見ていいか」
「あ、はい、どうぞ」
俺はいつものように、彼女に手をかざして魔力を浸透させてみる。罠の魔法を仕掛けられていないかチェックをし、最後に治癒魔法の状態を探る。
……問題ないようだ。
――あったかいなって、思って。
ニーナの言葉を思い出しながら、マイの表情を観察してみる。
確かにマイの瞳はゆらゆらと揺れ、頬もほんの少しだけ赤らんでいる。だがニーナのように感じ入った様子はない。
ただ、手先の震えは収まっていた。
「よし……異常なしだ。明日の遠征に備え、君もそろそろ寝なさい」
「はい、あの……大司教さま」
「なんだ?」
彼女は俺の手をじいっと見つめ、下唇を噛む。
すぐに何かを決心したように顔を上げた。
「ニーナにも、その……しんあいの情を?」
親愛の情。
遠回しにニーナにも同じような淫らな行為をしているのかと、疑っているのだろうか。
だがマイは温室の中には入っていない。誤解を招くような場面を目撃されていないはずだ。
それに、彼女の表情はそういうことを疑っているようには見えない。
「いいや、私が親愛の情を注ぐのは君だけだ」
「それは、私が聖女だからですか……?」
まっすぐ俺の目を見つめてくるが、その表情からは感情が読み取れない。
いや、よく見ると口をきゅっと閉じている。
彼女がおっかなびっくり聞いてくるときの仕草だ。
すいぶんと控えめな尋問だ。
「ああ、そうだよ。私にとって聖女は大切な存在だからね」
優しく、安心させるように言う。
「そうですか」
少しだけ、マイが寂しそうな顔をした気がした。
「……さあ、そろそろ寝る時間だ。遠征は二泊だ、長丁場になる。しっかり休息を取りなさい」
「はい、大司教様」
薄暗闇に、聖女の笑顔を貼り付けたマイの顔がはっきり見えた。