【書籍化】大司教の権力を悪用して純真無垢な聖女とセックスしたら、毎晩イチャラブご奉仕されるようになった話 作:月見ハク
ガタン、と体が揺れて目を覚ました。
まぶたを開けると、馬車内に窓からの陽射しが差し込んでいる。ほこりが舞い、陽光を反射してきらめいていた。
午後の空気だ。
魔獣討伐の帰路、宿屋で刺客に襲われたのが夜明け前。馬車に乗り込んだのが早朝だから、半日ほど眠ってしまっていたらしい。
慌てて防護魔法を発動しようとして、すでに馬車内に展開されていることに気づく。
どうやら俺が眠っている間も発動していたらしい。俺にそこまでの力はないので、おそらく魔力増強剤を飲んだおかげだろう。
「ん……」
胸元から可愛らしい声がした。
マイが俺の胸板にしがみついて眠っていた。
柔らかい豊乳が押し付けられていて、彼女の静かな呼吸に合わせて膨らんだり収縮したりを繰り返している。むにゅうとした感触が胸板に心地いい。
俺は陽の光に艶めく黒髪をそっと撫でた。少し汗ばんでいるのは俺との密着と、午後の陽気のせいだろう。
「……大司教、さま?」
「おはようマイ。そろそろ王都に着くぞ」
「あ、はいっ」
彼女が慌てて体を起こし、乱れた黒髪を手ぐしで直し始めた。相変わらずマイは寝起きがいい。
その様子を眺めていると、彼女が前髪の隙間から見つめてきた。金色の瞳が心配そうに揺れている。
「大司教さま、お体のほうは……」
魔力増強剤の副作用のことを言っているのだろう。マイは俺に唇を近づけようとして、途中でためらうように止まる。
もうすっかり毒は抜けきっているが。
「……まだ少し重いな」
「で、では……治癒を掛けます」
「ああ、頼む」
マイは小さく頷くと、上唇と下唇をわずかにこすり合わせた。乾いてしまった唇を潤わせたのだろう。
頬をほんのり赤く染めた絶世の美少女が、徐々に近づいてくる。
ふわりと、唇同士が触れ合った。
「ん……んっ、ちゅ……んッ、ん……」
おずおずと差し込まれた小さい舌を舌先で出迎える。互いに口を開き、舌の密着を深める。互いの舌を舐め回すように躍らせると、彼女の体がビクビクと震えた。
片手を伸ばし、彼女のローブ越しに大きなふくらみをすくい上げる。たぷたぷと心地いい重みを確かめれば、マイの喉奥から甘い声が漏れた。
「ん、ぁっ……ぇぁ、んちゅっ……ん、んっ、はぁっ……」
起き抜けのキスで、これほど気持ちのいいものもないだろう。
しばらく彼女の巨乳とねっとりとしたキスを味わっていると、ガタンと馬車が揺れた。
それが合図になったかのように互いの舌が解け、唇が離れていく。
「どう、ですか……?」
「ああ、いささか軽くなった」
「よかったです」
彼女がふんわりと微笑む。
どこかぎこちないのは、嘘をついてしまった後ろめたさのせいだろう。治癒を掛けるだけならキスをする必要はないのだから。
『大司教様、まもなく教会神殿に到着します』
馬車の外から聖騎士の声がした。
あの刺客の代わりに、新しく馬車付きに任命した青年だ。
「わかった。神殿内の様子はどうだ?」
『はっ、戻ってきた先触れによれば変わった様子や不審な気配はないとのことです』
「そうか」
とりあえずは一安心だ。
あの宿屋で取り逃がした男――おそらくゴーゼ司教は、また俺とマイを狙ってくるに違いない。しばらくは教会神殿にこもり、迎え撃つ準備を整えたほうがいいだろう。
「マイ、当分遠出はない。儀式も行わないから、そのつもりでいなさい」
貴族連中の成人の儀も中止したほうがいい。彼らの従者に賊が紛れ込んでいるとも限らない。
「儀式も、ですか?」
「ああ、部外者の出入りもしばらくは制限する必要がある。その間、修練を怠らないように」
儀式がないということは処女検査も行えないということだ。当分マイを抱けないのは正直つらいが、致し方ない。
「あ、あの……いつまで、でしょうか?」
マイがやけに聞いてくる。その瞳が寂しそうに揺れた。
「分からない。賊の脅威が完全に無くなるまでだ」
「そう、なのですか」
彼女が下唇をそっと噛む。何かを我慢するときの仕草だ。
「あの、では魔法の修練に付き合っていただけないでしょうか? ……その、聖女として、もっと力を付けたくて」
マイが目を逸らしながらお願いをする。嘘と本当が半々といったところか。
緊迫した状況だ。きっと一人でいるのが不安なのだろう。
「ああ、構わない。多くの予定を中止にするから私も時間が空く。毎日正午を過ぎたら執務室に来なさい」
「はい、ありがとうございます」
彼女がほっと撫でおろす。
無性に抱きしめたくなるが、ちょうど馬車が止まってしまった。
『大司教様、神殿に到着しました』
「ああ、ご苦労」
扉が開く寸前、ずっと俺の手に重なっていたマイの手のひらが離れた。
***
「――それでは聖騎士長、手はずどおり頼む」
「はい、神殿の守りはお任せください」
俺は執務室の机越しに、聖騎士長に指示を下していた。聖騎士長は四十代の強面で、俺が大司教になる際に王宮騎士団から引っ張ってきた男だ。
信心深く真面目で、間違っても聖女に邪な気持ちを抱くような人間ではない。今回の遠征に同行できず、俺やマイを危険にさらしたことを心の底から悔やんでいるという。
この男なら、守りを任せてもそこそこ信頼できるだろう。
「ああ、特に西側外壁の見回りを手厚くするように」
教会敷地内の西側には、マイたちが寝起きをする別棟がある。もしゴーゼ司教の第一目標が彼女なら、夜間の襲撃もありうる。
「はっ、聖女様は我々が命に替えてもお守りします」
聖騎士長が深々と頭を下げ、部屋を出て行った。
「ふぅ……」
まだ、体がだるい。
魔力増強剤の効力は薄れ、代わりに強烈な疲労感が襲ってきている。
根本的な疲れに治癒魔法はほとんど効かない。体を休ませるしかないのだ。
ソファーに移動し、どさっと腰を下ろす。そのまま体重を預けると一瞬でまぶたが閉じた。
そっと、頬を撫でられる。
しなやかな指が俺の唇をゆっくりとなぞり、やがて離れていく。
「マイか……?」
ゆっくりまぶたを上げると、目の前にいたのは金髪の元聖女だった。
「おはようございます。大司教様の寝顔、久しぶりに見ました」
かつて王国の美の化身とまで呼ばれた聖女。完成された美貌がくすりと笑う。
悪戯好きそうに口角を上げる仕草は、かつて彼女がベッドの中で見せていたものだ。
「もう夕方か」
マイに匹敵するほどの白い頬が、夕焼けに染まっている。長い金髪がさらさらと風に揺れているのを見るに、俺を起こす前に執務室の窓を開けて換気をしたのだろう。
相変わらずの世話好きだ。
「遠征、とても大変だったようですね」
「聖女マイの様子はどうだ?」
「湯浴みもせずに部屋で寝てしまったようです。お風呂好きのあの子にしては珍しく」
「そうか」
それは相当に疲れていたのだなと思う。
俺はソファーに座ったまま背筋を伸ばすと、目の前に立つ金髪の元聖女を見据えた。ここから真剣で内密な話をするという合図だ。
「それで、ゴーゼ司教の動向は?」
「神殿に戻る気配はありません。遠方からニーナ宛てに密文を送ってきているみたいですが」
ニーナ……桃色髪の聖女見習いか。
ゴーゼ司教は今もニーナを自分の駒だと思っているらしい。
「これは使えるな」
「あまりニーナを危険な目に遭わせないでくださいね」
「無論だ。聖女マイの負担になる」
そんなことをしたら、俺はマイに軽蔑されてしまう。
いや、彼女のことだから自分の責任だと気に病んでしまうだろうか。
「大司教様は、本当にマイを可愛がっているのですね」
妙に見透かしたような瞳で、金髪の元聖女が微笑んだ。
「なにが言いたい?」
「いえ……やはりあの子を、リンゼ様に引き合わせて正解でした。あの子をここまで立派な聖女にしてくれましたから」
久方ぶりに自分の名前を呼ばれドキリとする。そういえば、よく寝所で俺の名前を呼ばせてほしいとせがんでいた。
「マイが聖女になりえたのは、あくまで彼女の資質によるものだ」
「いいえ、リンゼ様のおかげです。だってあの子は……あのまま村の教会にいたらきっと、治癒の力を失っていましたから」
「……ほう」
それは初めて聞く話だ。
マイは、この金髪の元聖女に見出されたと聞いている。だがそれ以前のことを聞いても、金髪の元聖女はのらりくらりと明かさなかった。
俺が続きを待っていると、彼女がふふと口角を上げた。
「私が村の教会を訪れたとき、あの子は塞ぎこんでいたんですよ。あの子の部屋のベッドで話を聞いたとき、泣きながら明かしてくれたのです。治癒の力が日に日に減っていっていると」
「そうなのか」
理由の想像はつく。
魔法は、その人間の精神が影響する。
帝国兵に村を焼かれ、両親も村人も殺され……芽生えてしまったのだろう。聖女が決して抱いてはいけない類の感情を。
「リンゼ様も気づいているのでしょう? あの子の心の奥底にある、小さい牙に」
「なんのことかな」
「ふふ……相変わらず嘘がお下手ですね」
再び見透かしたように微笑んでくるが、俺は表情を変えずに続きを促した。
「あの子には必要だったんです、自分の全てを受け入れてくれる人が。親のように包み込んでくれて、孤独を埋めてくれて、無条件で守ってくれるような存在……リンゼ様のような人が」
「それは買いかぶり過ぎだ。君なら知っているだろう」
俺の本性を。
「ええ、よく知っています。リンゼ様は教会にはびこる不正を取り締まってくれました。先代の大司教様が黙認していた裏金や、聖女見習いへの横暴をなくしてくれた。私は体を要求されても拒み続けていましたが……でもあなたなら、いいと思えたんですよ?」
金髪の元聖女が首筋にキスをしてきた。その唇が俺のローブ越しに胸、腹に落とされ、やがてローブの裾をくわえると、ゆっくりめくり上げる。かつて俺が教え込んだ口淫の段取りだ。
「すまないが、今はそういう気分じゃないな」
体を動かそうとしたが、どうにも言う事をきかない。魔力増強剤による全身の疲労がまだ取れていないようだ。
彼女の細い指先が俺の太ももを這う。流れるように下着をずらされると、肉棒がボロンとこぼれ落ちた。
金髪の元聖女が、柔らかいままのペニスを手のひらの上に乗せ、慈しむように先端へ口づけをしてくる。ちゅ、ちゅとキス音を立て、最後に亀頭を舌ですくい上げるように舐め上げた。
これも、俺がかつて教え込んだ作法だ。
「リンゼ様の、お味がします。私、このご奉仕が好きでした。あなたの可愛い表情が見られるから」
「……聖女を降りたいと言ったのは君ではなかったか?」
金髪の元聖女はふっと笑みをこぼすと、肉棒を持ち上げて裏筋を舐め始めた。舌先がカリ首をえぐるように動く。
「ええ、そうしないとリンゼ様はマイを聖女にしようとはしなかったでしょう? それに……あなたはいつも聖女である私を見ていました。私ではなく」
「ああ、俺が興味あるのは聖女だけだ」
「知っています。私はそれでもよかった。でもマイのことは……あなたは彼女のことを、聖女とは見ていない」
「そんなことはない。マイは聖女の中の聖女だ」
「ええ、そうですね」
金髪の元聖女がまた、ふっと笑う。肉棒をつかんだまま、玉袋をれろれろと舌で転がし、根元から先端に向けて一気に舐め始めた。
「リンゼ様、私の名前をご存知ですか?」
「急にどうした」
「あなたは私を抱くとき、聖女としか呼んでくれませんでした。私の名前を覚えていますか?」
股下から試すように見上げてくる瞳を、俺は見つめ返す。
「ロレンツィアだろう」
「ロレンティアです」
「……そうだな」
「ふふ、リンゼ様が人の名前を覚えるのが苦手なことくらい知っています。でも気付いていますか? マイだけはいつも名前で呼んでいるんですよ」
「……短くて覚えやすいからな」
「本当に、あなたとマイは似ていますね」
「どこがだ?」
「素直じゃないところが」
金髪の元聖女――ロレンティアが、亀頭をぱくりと口に含んだ。ちゅうと吸い上げ、片手で肉竿をやんわりとしごき始める。
じゅるじゅると吸引し、口内の亀頭を舐め回し……やがて口を離した。
「やっぱり、反応しない」
ロレンティアから解放されたペニスは、萎びたままだった。
「疲れているからな」
「ふふ、やっぱり素直じゃない」
「……俺を恨んでいるか?」
するとロレンティアがふんわりと微笑む。マイに似た、慈愛に満ちた笑顔だ。
「いいえ、安心しました。……リンゼ様ならあの子を一心に思い、救ってくれると」
「そうか」
ロレンティアは俺の下着を上げると、肉棒をその中へと収めた。俺のローブの裾を直しながら安堵するようにため息をつく。
「あの子は誰よりも優しい子です。どうか守ってあげてください」
「わかっている」
「マイは誰よりも治癒の才能があり、誰よりも努力を惜しまない子です。でもそれは村の皆を、家族を守れなかったという悔しさの裏返しでもあるんです。その思いは、時に自分自身にも牙をむいてしまう。あの子の心を、守ってください」
ローブの皺を整えたロレンティアがゆっくりと立ち上がる。
執務室の出口へと歩いていくと、ふと思い出したようにこちらへ振り返った。
「そうだ大司教様。色恋は聖女や聖女見習いにとっては天敵なんですよ」
美人顔に、悪戯好きな笑みを浮かべている。
「知っているよ」
司教連中に手籠めにされ、倒錯した色恋を覚えたせいで治癒の力を失い、故郷へ帰っていく聖女見習いをたくさん見てきた。
だからこそ、俺はマイを――。
「でも私は、恋の始まりと終わりを知ることができて良かったと思っています。……本来なら決して抱けなかった、かけがえのないものでしたから」
「君は後悔していないのか?」
するとロレンティアはおちょくるように微笑んだ。
「ご存知ですか大司教様? 私の治癒魔法、ちっとも衰えていないんですよ」
「そうか」
「ですが、マイに恋の終わりは似合いません。それをお忘れなきように」
「……覚えておこう」
ロレンティアは小さく頷くと、扉を開けて出て行った。
「……」
静かになった執務室で、小さくため息をつく。
彼女の見透かすような瞳に、心の奥底を覗かれたような気分だ。
俺はほぼ無意識に遠視の術を発動した。
まぶたの裏に、マイの姿が映し出される。
その視線の先に、扉の前で胸を押さえてうつむくロレンティアの姿があった。
執務室の前で鉢合わせをしたらしい。
「ロレンティア、様?」
「聖女マイ」
同時に見開かれた二人の瞳が交差する。
言葉を発したのはマイだった。
「あの、どうして大司教さまの……お部屋に?」
「ええ、ちょっと大事な話があってね」
「大事な話、ですか?」
マイが不安げな表情を浮かべる。
「そう、大事な話。内密のね」
確かにロレンティアの用件は、ゴーゼ司教の動向を報告するものだった。極めて内密の話といえる。
「それは、どのような」
「聖女マイには関係のないことですよ」
その瞬間、二人の間にピリッとした緊張が走った気がした。
マイが胸の前で拳を握る。
「あ、あのっ、大司教さまの体調はいかがでしたか? 私もご様子をうかがおうと思って、それで……」
「大司教様は今、中止した儀式の後処理に追われているわ。仕事の邪魔になるから入らないほうがいいですよ」
正直、今の満身創痍の状態をマイに見られるわけにはいかない。
彼女のことだから責任を感じて、治癒のためだと執務室に居座ってしまうだろう。俺としては喜ばしいことだが、聖女が夜に大司教の部屋で長居するというのは外聞がよくない。
「そう、ですか」
マイが下唇を噛んでうつむく。
その様子にロレンティアがふうとため息をつき、優しい笑みを浮かべた。
「ごめんねマイ……ちょっと、いじわるしちゃった」
「え?」
ロレンティアはマイに近寄ると、その頬に手を添えた。
「大司教様とは、あなたの話をしていたんですよ。大司教様にあなたの様子を詳しく聞かれてね」
「私の、話?」
マイが戸惑いがちに顔を上げる。
「ふふ、マイ……綺麗になったね」
「ロレンティア様?」
「今は前みたいにティア姉さまって呼んでほしいかな。そうだ、マイも湯浴みがまだだったよね。どう、一緒に?」
「え、えっと、ティア姉さま……?」
「大司教様のこと、知りたいでしょう?」
ロレンティアが悪戯好きそうな笑みを浮かべる。
マイは息をのみ、両手でぎゅっと胸を押さえた。
だがすぐにロレンティアを見つめ返す。
「……知りたい、です」
「じゃあ行きましょうか」
ロレンティアに手を引かれ、マイは戸惑いがちに後を付いていった。